OPEが“LPI Partner Award 2023”を受賞。今後もお客様の要望が高いLinuxエンジニア輩出を注力していきます
<インタビュー概要>
Linux Professional Institute様(以下LPI、敬称略)はオープンソース技術の普及と認定を目的とした非営利団体です。世界中でLinuxおよびオープンソース技術に関する認定試験を提供しています。
LPI日本支部は国内約100社のパートナーと提携しており、2024年5月に提携企業の中からオープンアップITエンジニア(以下、OPE)が「LPI Partner Award 2023(Training Partner)」を受賞しました。
そこで今回、OPE研修講師の木村とLPIC資格を持つエンジニアの矢崎を交え、LPI日本支部の責任者である伊藤氏と営業担当の藤原氏にOPEの受賞理由やLPIの今後の展望についてお話を伺いました。
<プロフィール>
※登壇者のプロフィールは取材当時のものです。
<インタビュー:目次>
- LPI認定者に幸せになっていただくことがLPIの活動
- OPEのバウチャー購入数が多いのはLPIC取得に注力していただいている証
- 実務でスポットが当たらない部分も学べるのが資格取得のメリット
- LPIの運営に関与できるメンバーシップ制度の普及が今後の展望
LPI認定者に幸せになっていただくことがLPIの活動
ーLPI様の活動内容について教えてください。
伊藤氏(以下、敬称略):当団体のミッションはLinuxを含めたオープンソースを広めることです。私たちはLPICを取得した認定者を大切にしており、資格取得をきっかけに就職に成功したり職位を上げたりしていただきたいと考えております。OPEでは数多くのLPI認定者を輩出していただいております。当団体のパートナーが認定者を受け入れることにより、エンジニアに技術レベルを上げていただき、幸せになっていただくことが私たちの活動です。
ーLPICの受験者数や資格取得者数は年々増えていますか。
伊藤:私が参画した2018年から毎年約10%ずつ増えています。
ー年代や経験年数など、受験者の傾向に変化はありますか。
伊藤:LPICにはレベル1~3まであり、受験者数が最も多いのはレベル1ですが、最近の傾向としてレベル2や3を受験される方が増えています。厚生労働省が行っている教育訓練給付制度において給付金が出るのはレベル2まででしたが、レベル3も対象になった影響があるかもしれません。上位資格を取得すると就職や転職に有利になるという話があるのも一因だと考えております。
ーLPICを広げる上での課題等あれば教えてください。
藤原氏(以下、敬称略):講座を開くにあたり、講師が不足していることが課題だと感じております。エンジニアとして優秀なだけでなく、分かりやすく教える素質も必要になるので講師の成り手が少ないのが原因だと考えております。
OPEのバウチャー購入数が多いのはLPIC取得に注力していただいている証
ー「LPI Partner Award 2023」の受賞パートナーにOPEを選出していただきましたが、こちらはどういった賞なのでしょうか。
伊藤:当団体のビジネスモデルは、バウチャーを販売し、その代金が収益になるというものです。パートナーには「トレーニングパートナー」「チャネルパートナー」「アカデミックパートナー」の3種類がございます。OPEを選出させていただいた理由は、トレーニングパートナーの中でバウチャーの購入数が最も多い企業だったからです。それだけOPEの中で受験者数が増えているということなので、LPICの取得に注力していただいている証だと考えております。
ーパートナーは何社いて、そのうちの何社が受賞するのでしょうか。
伊藤:企業や学校法人など現在約100社のパートナーがおり、先ほどお話ししたパートナーの種類から各1社、計3社が受賞しております。
ーLPI様がパートナーに最も期待するのはどんな点でしょうか。
伊藤:LPI認定者を増やしていただくのが最も期待することです。認定者の増加により、認定者同士のコミュニケーションが生まれます。ネットワークやデータベースなどでもいろいろな認定資格がありますが、Linuxはそれらの根底になる部分です。LPICの取得をきっかけにエンジニア同士のコミュニケーションが活発になれば良いと感じております。
藤原:医師や弁護士と違いITエンジニアには免許がないので、資格取得は必須ではありません。ただ、LPICの知識を得ることは業務を行う上で非常に役立ちます。そのため、パートナーにはぜひ資格取得の有用性を普及していただきたいと希望しております。
実務でスポットが当たらない部分も学べるのが資格取得のメリット
ここからはOPEの研修講師である木村大輔とOPEエンジニアでLPICの資格保有者である矢崎祐弥も加わり、お話を伺いました。
ーOPEはLPI様とどのようなお付き合いをしていますか。
木村:LPI様とは2021年8月にパートナーになり、当時から藤原さんにお世話になっています。アカデミックフォーラムへの出展に誘っていただいたり、学校を紹介していただいたりなど精力的にご対応いただいております。
ーOPEがLPICの資格取得に注力している理由はなんでしょうか。
木村:もともとLinuxの講座は、OPEの営業からLPIC資格取得者の要請が多いことがきっかけで立ち上げました。営業からの需要が高いということはお客様からの需要も高いということなので、継続しつつ注力しているところです。
ー矢崎さんがLPICの資格を取得した理由について教えてください。
矢崎:きっかけは業務で必要になったことですが、体系的に学びたいと思ったのが1番の理由です。実務をこなすのも大切ですが、資格試験では普段実務でスポットが当たらない部分も網羅されています。そういった細かい部分も含め基礎を固めてから現場に行きたいという思いから、資格を取得しようと思いました。
ー資格を取得したことでポジティブな変化はありましたか。
矢崎:私はLPICのレベル3まで取得したことで、周囲から高く評価していただけるようになりました。レベル2以上を保有しているとお客様からの反応が良くなると感じております。
派遣先の若手エンジニアに対し、簡易的なLinux講座・LPIC講座を開いたりもしています。資格試験の勉強も知識を身に付ける上で有用なので、メリットは大きいと考えております。
LPIの運営に関与できるメンバーシップ制度の普及が今後の展望
ーLPICの資格をこれから取得しようと考えている方にメッセージをお願いします。
矢崎:仮に失敗しても何かを失うわけではないので、ぜひ挑戦してほしいと思います。OPEには資格取得支援もあるので、積極的に活用してください。
ー今回のようにエンジニアと対面してお話しする機会はありますか。
伊藤:はい。当団体では定期的にLPI認定者の交流会を開催しております。レベル1から3の取得者が会場に集まり、いろいろな意見をいただくことで試験内容をブラッシュアップしています。そのため当団体にとって、受験者・認定者は非常に大切な存在です。
ー矢崎さんはLPICの保有者と横のつながりはありますか。
矢崎:はい。XやLINEのオープンチャットに有志の技術サークルがたくさんあるので、そういった場でLPI認定者と交流しています。
伊藤:XやブログでLPICの受験について発信しているエンジニアはたくさんいらっしゃいます。中には資格系YouTuberの方もいるのでコンタクトを取り、先日ウェビナーで講師をしていただきました。イベントに行った際に、認定者からいろいろお話を伺うこともあります。
木村:以前、LPI様主催のユーザーコミュニティに参加させていただいたことがあります。いろいろな方がいて面白かったので、ぜひまた開催していただきたいです。交流を図るためにイベントを開催している団体は少ないので、素晴らしいと思います。
ー最後に、LPI様が今後取り組みたいことや展望について教えてください。
伊藤:グローバルではすでに実施しておりますが、当団体にはLPI認定者が加入できるメンバーシップ制度があり、この制度を日本でも広めていきたいと考えております。当団体のボードメンバー(役員)は毎年メンバーシップ加入者の選挙によって選ばれるなど、運営に関与できるのが特徴です。メンバーシップ以外にも、認定者同士のコミュニティを構築していきたいと考えております。
藤原:より多くの企業や学校法人に、パートナーシップに加盟していただくのが私のミッションです。東京では多くの企業にパートナーになっていただいておりますので、西日本及び日本全国の地方の企業様のパートナーを増やしていきたいです。
ー本日はありがとうございました。