DevOpsエンジニアについて|必須スキル7つと将来への需要も解説
DevOpsエンジニアについて
DevOpsエンジニアとは、システムの開発から運用にとどまらず、インフラ周りの構築やメンテナンスまでをトータルで担うIT界のジェネラリストです。
開発者と運用者の間に入り、チームで連携をとれるよう環境を整える必要があるため、橋渡し役として高いコミュニケーションスキルが求められます。幅広い知識と技術が必要ですが、より高速な開発や業務の効率化を実現するためには欠かせない役割といえるでしょう。
DevOps
開発者と運用者が密接に連携することにより、ユーザーに価値の高いプロダクトを迅速に提供しつづけけるという概念をDevOpsと呼びます。ビジネスの価値を高めるための取り組みといった意味合いがあります。
この概念が生まれた背景として、迅速なソフトウェア開発を目的とした開発者と、システムの安定稼働を目的とした運用者の、目的の相反があります。この相反によって対立が生じるために、様々な障害が発生します。
その問題を解消するために生まれたのがDevOpsという活動です。
業務内容
DevOpsエンジニアの業務内容は、開発スピードの向上やその後の運用、改善など幅広い業務を担うことです。
具体的なものとして、全てのアプリケーションの基盤となるクラウド環境などのインフラ環境の設計や保守点検、運用などが挙げられます。また、改善を目的としたアプリケーションの改修も含まれます。
運用体制の改善や協力体制を作り上げるため、チーム全体のディレクションも重要な業務といえるでしょう。
インフラエンジニアとの違い
インフラエンジニアとの違いは、運用の自動化や、開発の高速化を担当するかしないかという点にあります。
システムの運用や保守などといった、サービスの安定稼働においては同じような役割を担います。しかし、その先の開発プロセスの円滑化までを担当する点においては、従来のインフラエンジニアと異なりさらに上級のスキルが必要になるでしょう。
例えば何かしらの不具合があった場合、プログラムに詳しくない運用者は対処や報告に苦慮するでしょう。その際DevOpsエンジニアは、正しい判断で的確に報告することが可能なため、開発の高速化や開発プロセスの円滑化に繋がるといえます。
DevOpsエンジニアとして必須スキルについて7つ
ここからは、DevOpsエンジニアとして必須スキルについて紹介していきます。DevOpsエンジニアに求められるスキルは多く、様々な分野での知識や理解が必要です。
その中でも必須といわれるスキルを7つ紹介していきます。ぜひ参考にしてみてください。
1:テクノロジーやツールの理解と知識が必要になる
DevOpsエンジニアの必須スキルの1つ目は、テクノロジーやツールの理解と知識が必要になる点です。
テクノロジーやツールは日々進化しつづけています。それに合わせ、エンジニア自身も理解や知識を幅広く増やしていく必要があります。移り変わりの早いIT業界では一度覚えた知識も徐々に古くなるため、常に新しいことを絶えずに学習する姿勢が大切だといえるでしょう。
2:サーバー負荷に対してのスケーラビリティ確保の経験がある
DevOpsエンジニアの必須スキルの2つ目は、サーバー負荷に対してのスケーラビリティ確保の経験があるという点です。
スケーラビリティとは、システムの拡張性や柔軟性のことを指します。例えばサーバーに負荷がかかった場合、システムの変更やサービスを停止するのではなく、規模に応じて負荷を分散し、システムを柔軟に拡張できる能力が問われます。
3:ネットワークとインフラを理解している
DevOpsエンジニアの必須スキルの3つ目は、ネットワークとインフラを理解しているという点です。
サーバーは常に稼働しており停止することがないため、安定したネットワーク設計が求められます。したがって、ネットワークや構成管理についての理解も必要です。インフラの構成管理が適切に行われている場合、効率のよいシステム運用が可能になります。
4:スクリプト言語でのプログラミングができる
DevOpsエンジニアの必須スキルの4つ目は、スクリプト言語でのプログラミングができるという点です。
プログラミングの言語は、大きく分けてスクリプト言語とコンパイラ言語の2つがあり、DevOpsエンジニアにとって必須となる構成管理ツールなどは、主にスクリプト言語が使用されています。
そのため、システム開発にはプログラミングスキルが必須ですが、そのうえでスクリプト言語のスキルが必須となります。
5:テストスキルやセキュリティの対策と対処ができる
DevOpsエンジニアの必須スキルの5つ目は、テストスキルやセキュリティの対策と対処ができるという点です。
ネットワークを使用する環境では、外的な攻撃から保護するためにもセキュリティが求められます。不正アクセスやハッキングなどの外部攻撃から、重要なデータの流出などを防ぐためです。
したがってセキュリティの脆弱性や外部攻撃から保護し、不具合が発生した場合に適切な対処がとれるテストスキルを持った人材は、非常に重要になります。
6:クラウドサービスの利用ができる
DevOpsエンジニアの必須スキルの6つ目は、クラウドサービスの利用ができるという点です。
クラウドサービスとは、アプリケーションをサーバー上で稼働させることによって、様々なITリソースを必要に応じて利用できる仕組みのことをいいます。構成管理ツールもクラウドサービスを使用することが多いため、必須スキルとなります。
また、アカウント管理やセキュリティ確保の仕組みはクラウドサービスごとに違いがあるため、多くの利用経験が必要といえるでしょう。
7:ビジネスに関する対人スキルを持っている
DevOpsエンジニアの必須スキルの7つ目は、ビジネスに関する対人スキルを持っているという点です。
チーム全体のディレクションも担うDevOpsエンジニアは、様々な分野の人と関わるため、対人スキルも必要不可欠です。チームの連携が前提となるDevOpsでは、円滑な人間関係の構築が作業効率に影響を及ぼすため、極めて重要なスキルといえるでしょう。
DevOpsエンジニアの概念ポイント9つ
ここからは、DevOpsエンジニアの概念ポイント9つを紹介していきます。
幅広い知識や豊富な技術力を持ち、あらゆることに精通している必要があるため、DevOpsエンジニアは非常に難易度が高い仕事です。したがって、多くのスキルを身につけている人ほど重要な人材といえるでしょう。
DevOpsエンジニアの概念について正しく理解しておくことで、より適切な人材の採用が可能です。ぜひ参考にしてみてください。
1:プログラミング言語を学び習得する
DevOpsエンジニアの概念ポイント1つ目は、プログラミング言語を学び習得するという点です。
システム開発にはプログラミングが必須のため、プログラミング言語を1つ以上習得していることが望ましいといえます。主要プログラミング言語はJava、Python、JavaScriptの3つがあり、どれか1つでも習熟していることによって強みとして活かされるでしょう。
2:OSのコンセプトの理解を深める
DevOpsエンジニアの概念ポイント2つ目は、OSのコンセプトの理解を深めるという点です。
DevOpsエンジニアはインフラ構築の知識も重要なため、システム管理者に依存せず自ら判断できるよう、OS管理の知識を習得することが必要です。
プロセス管理やメモリストレージとファイルシステムなど、いくつか重要なコンセプトを理解していることにより、ユーザーへ価値の高いプロダクトを迅速に提供するといったDevOps本来の目的に繋がります。
3:セキュリティの重要性について理解を深める
DevOpsエンジニアの概念ポイント3つ目は、セキュリティの重要性について理解を深めるという点です。顧客情報や重要なデータの流出などといったセキュリティ事故は、エンジニアの信用に関わるだけでなく、企業の社会的信用の損失にも繋がります。
近年、利便性の向上と引きかえにセキュリティ事故の種類も多岐にわたっています。そのためDevOpsエンジニアは、ネットワークにおけるセキュリティの重要性をよく理解している必要があるでしょう。
4:サーバー管理についての理解がある
DevOpsエンジニアの概念ポイントの4つ目は、サーバー管理についての理解があるという点です。
サービスの安定稼働のためには、サーバーを構築してシステムや環境を作る必要があります。また、トラブルが発生した場合は必要に応じた処置をとり、早期復旧を目指すことが重要でしょう。
トラブルを事前に防ぎサーバーの安定性を守るためにも、サーバー管理の手法を学ぶことは必要といえます。
5:ミドルウェアの理解とセットアップについて方法を知る
DevOpsエンジニアの概念ポイントの5つ目は、ミドルウェアの理解とセットアップについて方法を知るという点です。
ミドルウェアとは、アプリケーションとOSの中間的な処理を行い、両者の機能の補佐を担うソフトウェアです。システム運用の効率化やインフラ環境の構築の自動化など、重要な役割を果たします。
アプリケーションと同様、ミドルウェアにもそれぞれ種類や役割があります。サーバーにはどのミドルウェアがセットアップされており、どんな役割を果たしているのか、またセットアップの方法までを知る必要があります。
6:インフラのコード化を学んでいる
DevOpsエンジニアの概念ポイント6つ目は、インフラのコード化を学んでいるという点です。
本来、インフラの構築は手動で行うことが一般的でしたが、コード化によって自動構築が可能となったため、正確性やスピードの向上に繋がりました。したがってDevOps化において、インフラのコード化は非常に強い武器になるといえるでしょう。
また、コード化により構成情報のバージョン管理などが求められ、ツールの活用が必要です。インフラのコード化に関するツールについても理解が必要となるでしょう。
7:インフラとソフトウェアの監視を学んでいる
DevOpsエンジニアの概念ポイントの7つ目は、インフラとソフトウェアの監視を学んでいる点です。
監視の目的は、問題点を素早く見つけることにあるため、状態を把握できる体制づくりが必要です。監視項目の設定や運用段階での改善に必要な要素の特定などは、エンジニア自身が行います。
障害を未然に防ぐことはもちろん、障害が発生した場合の原因特定などもインフラの監視によって可能になります。したがって監視に関する知識は、ユーザーへの正常なサービス提供に繋がる重要なポイントといえるでしょう。
8:継続的インテグレーションと継続的デリバリーツールを学んでいる
DevOpsエンジニアの概念ポイントの8つ目は、継続的インテグレーションと継続的デリバリーツールを学んでいるという点です。
継続的インテグレーションとは、コードの作成や保存を頻繁に行い、ビルドとテストを自動的に繰り返す手法です。不具合の早期発見やリリースの時間短縮などの効果があります。
継続的デリバリーとは継続的インテグレーションを拡張した手法で、ビルドとテストだけではなくリリースプロセスの全体を自動化します。
継続的インテグレーションと継続的デリバリーが注目されるようになった背景として、アジャイル開発が主流になっている点があげられます。以下で触れていくため、ぜひ参考にしてみてください。
いずれも安定した製品を早いサイクルでリリースすることに繋がるといえるでしょう。
バージョン管理
バージョン管理とは、ファイルに対し誰が、いつ、何の目的で、どんな実装をしたのかという情報の記録です。
不具合があった場合、バージョン管理によって変更履歴を追跡し、ある時点の状態に復元することが可能になります。バグや何かしらの問題が発生した場合でも素早く復元できるため、円滑な開発のためには重要なポイントといえるでしょう。
アジャイル開発
アジャイル開発とは、計画から設計、開発、テストといった開発工程を短いサイクルで繰り返す開発手法のことです。機能単位で細かく開発工程を繰り返すため、リスクを最小化する効果があります。
仕様変更や顧客の要望にも柔軟に対応できるため、開発スピードの向上に繋がるでしょう。現在ソフトウェア開発において主流の手法です。
9:クラウドプロバイダについて学んでいる
DevOpsエンジニアの概念ポイントの9つ目は、クラウドプロバイダについて学んでいるという点です。
現在、システム運用はクラウド環境でのサービス利用が主流となり、今後ますますの市場拡大が予測されています。そのためクラウドは非常に重要な分野であるといえるでしょう。DevOpsエンジニアはクラウドプロバイダの利用について適切な判断ができるよう、深い理解が必要です。
DevOpsエンジニアが持っている資格について4つ
ここからは、DevOpsエンジニアが持っている資格について4つ紹介していきます。資格はDevOpsエンジニアとしてのスキルの証明になるといえます。知識レベルをはかるうえでも重要な項目のため、ぜひ参考にしてみてください。
1:AWS認定DevOpsエンジニア
代表的な資格として、AWS認定DevOpsエンジニアというものがあります。AWS環境における運用や管理経験のあるDevOpsエンジニアを対象としています。
現在AWSを利用する企業が増えていることから、人材の市場価値が上がってきています。したがって、AWS認定資格を持つことは専門的な知識や技術を有する証明になるといえるでしょう。
2:入門用クラウドプラクティショナー
入門用クラウドプラクティショナーは、AWS認定資格の中で基礎といわれる資格です。クラウドの知識やセキュリティなどAWSにおける基礎的な知識が問われ、AWS全体を通しての理解が必要になります。
クラウドプラクティショナーの資格を持っていることによって、AWSにおける基礎知識やスキルを証明できる能力があるといえます。
3:中級用アソシエイト
中級用アソシエイトの認定資格は、3つの役割別に分けられています。ソリューションアーキテクト、SysOpsアドミニストレイター、デベロッパーの3つが該当します。
ソリューションアーキテクトはシステムの設計や構築、運用するうえで、効率のよいクラウド環境の提案ができることを証明します。
SysOpsアドミニストレイターは主に運用者向けの資格で、AWSでの開発、管理、運用に関しての知識が問われます。セキュリティやデータ管理などのスキルの証明になります。
デベロッパーは主に開発者向けの資格で、AWSサービスを用いたアプリケーションの開発や保守における知識やスキルの証明になります。
4:上級用プロフェッショナル
上級用プロフェッショナルの認定資格は、2つの役割別に分けられています。ソリューションアーキテクトとDevOpsエンジニアの2つが該当します。
ソリューションアーキテクトは先に紹介したアソシエイトレベルの上級資格で、主に設計者向けの資格です。システム設計における高度な技術と専門知識の証明になります。
DevOpsエンジニアは主に運用者や開発者向けの上級資格です。AWS上でのDevOpsを用いたアプリケーションの構築、さらに開発と運用について高度な知識と技術力を持っていることの証明になります。
どちらの資格もAWSシステムの管理運用において実務経験を必要とすることから、まさにプロフェッショナルと呼ぶにはふさわしい資格といえるでしょう。
DevOpsエンジニアが持つ将来性と需要について3つ
ここからは、DevOpsエンジニアが持つ将来性と需要について3つ紹介していきます。複雑化していくシステムとクラウドなどの発展により、今後もますます専門的な分野が増えるでしょう。
したがって、これらをディレクションできるスキルを持つDevOpsエンジニアの需要は、さらに高まると考えられます。
1:広い視点を持つ運用担当者へ
DevOpsエンジニアは広い視点を持つ必要があります。運用作業の効率化に伴い自動化が進んだことによって、個別の作業割合が減少し、そのぶんを開発に割りあてたりプロセスまでもが自動化されるようになりました。
手間を削減できるようになったとはいえ、運用プロセスの設計や改善などといった仕事はエンジニアの役目です。したがって、運用プロセス全体に目を向け、より広い視点を持つ運用担当者を目指すのがよいと考えられます。
2:NoOpsと運用エンジニアが持つ仕事内容が変わる
システム運用作業を極小化するNoOpsという活動が出始めたことにより、運用エンジニアの仕事にも変化が表れています。
クラウドや自動化ツールの活用によって、障害発生時の自己回復などといった、運用保守にかかる負荷の軽減が可能となりました。それにより運用エンジニアに求められる仕事にも変化が表れ、NoOpsという概念が出始めました。
今後ますます進む自動化により、エンジニアの負担が軽減し仕事にも影響を与えることが考えられます。
3:DevOpsツール・OSSに精通した人材は必要不可欠
大容量のデータを扱うにあたって、負担を減らしスムーズに行うには分散処理やコンテナの技術が必要不可欠です。
目的や用途により最適な構成は様々なため、あらゆるOSS(オープンソースソフトウェア)や最新のDevOpsツールに精通した人材の需要は、今後ますます高くなるといってよいでしょう。
DevOpsエンジニアについて知って人材採用に役立てよう
DevOpsエンジニアの仕事内容や必須スキルなど、ポイントをしっかりと押さえておくことで、魅力的なエンジニアに出会える可能性が高まります。
IT技術の進歩とともに、今後ますますDevOpsエンジニアの需要は高まることが予想されます。より良い採用活動を行うために、DevOpsエンジニアについて理解を深めましょう。
この記事の監修者・著者
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ITエンジニア派遣サービス事業を行っています。AWSやSalesforceなど専門領域に特化したITエンジニアが3,000名以上在籍し、常時100名以上のITエンジニアの即日派遣が可能です。
・2021年:AWS Japan Certification Award 2020 ライジングスター of the Year 受賞
・2022年3月:人材サービス型 AWSパートナー認定
・AWS認定資格保有者数1257名(2023年7月3日現在)
・Salesforce認定コンサルティングパートナー
・Salesforce認定資格者295名在籍(2023年7月3日現在)
・LPIC+CCNA 認定資格者:472 名(2022年4月1日時点)
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