継続的インテグレーションで行える7つのこと|ツールも合わせて紹介
継続的インテグレーションとはどんな手法なのか?
継続的インテグレーションとは開発時に自分のコード変更を1日に数回セントラルリポジトリにマージし、自動化されたビルドとテストを実行するという手法です。
早いサイクルでのインテグレーションが行われることでエラーの修正を迅速におこなうことができ、より統合されたソフトウェアを早く開発することができます。
また、継続的インテグレーションは「CI(continuous integration)」とも呼ばれます。
継続的インテグレーションで行える7つのこと
継続的インテグレーションで行える7つのことをご紹介します。
継続的インテグレーションを実施することにより、開発者は自分のコードのバグを早い段階で修正することが可能になります。それでは、継続的インテグレーションによって具体的にどのようなことが実現できるのでしょうか。
ここでは継続的インテグレーションで行える7つのことをご紹介していきますので、ぜひ参考にしてみてはいかがでしょうか。
継続的インテグレーションで行えること1:開発状況を把握できる
継続的インテグレーションを実施することで開発状況を把握することができます。
継続的インテグレーションでは、ソースコードを共有リポジトリにアップロードすることでビルドとテストが自動的に行われます。
そのため、小さなサイクルで行われたビルド結果を時系列で並べて一覧表示し、確認することができるようになります。また、ビルドエラーの発生状況やテスト結果なども詳細に把握することができる状態になります。
継続的インテグレーションで行えること2:ソースコードの解析ができる
継続的インテグレーションを実施することでソースコードを解析することができます。
継続的インテグレーションを行うための専用のCIツールもあります。CIツールにコーディングルールやバグのチェックツールを組み込めば、開発中のソースコードを解析し、問題個所を抽出することもできるようになります。
また、将来的に問題が発生しそうなコードを未然に発見し、クオリティを上げて保守性を高めていくことも可能になります。
継続的インテグレーションで行えること3:テストの自動化ができる
継続的インテグレーションを実施することでテストを自動化することができます。
従来の開発手順では、チームの開発者達がそれぞれ独自の作業を行い、テストを行っていました。しかし継続的インテグレーションであれば、定期的に自動テストを実行するようにスケジュールを組むことも可能になります。
そのため、テストにかかる工数を削減し、不具合が発生した場合もその都度把握できるため、スピーディな対応が可能になります。
継続的インテグレーションで行えること4:品質の高い製品がリリースできる
継続的インテグレーションを実施することで品質の高い製品がリリースできます。
継続的インテグレーションではソフトウェアに内包されている不具合の迅速な発見、修正が行えるため、クライアントへも品質の安定したソフトウェアをスピーディにリリースすることができます。
そのため、顧客満足にもつながり、リリースを行う開発者にとっても良い影響を与えると言えるでしょう。
継続的インテグレーションで行えること5:継続的デリバリー
継続的インテグレーションを実施することで継続的デリバリーが実現します。
「継続的デリバリー(Continuous Delivery)」とは継続的インテグレーションを拡張したもので、コードの変更によって自動的にビルドやテスト、リリース準備までが実行されるものです。
継続的デリバリーでこれまで手動で行われていたソフトウェアのリリースプロセスを自動化できるため、ソフトウェアのアップデートを迅速に配信できます。
継続的インテグレーションで行えること6:誰でも確認ができる
継続的インテグレーションを実施することで誰でも確認できるようになります。
継続的インテグレーションは開発者のように専門的な知識がない人材でも確認することができます。たとえばデザイナーや場合によってはエンドユーザーまで、さまざまな人が期待したものができあがっているかどうか確認しながら開発することができます。
そのため、開発が完了したあとで予定していたものと異なるものができてしまうリスクを軽減できます。
継続的インテグレーションで行えること7:組織の強化につながる
継続的インテグレーションを実施することで組織の強化にもつながります。
従来のように手動での作業を行う場合、ヒューマンエラーを完全に防ぐことはできません。しかし継続的インテグレーションによってビルドやテストなどリリースまでの一連の流れを自動化することで、確実な作業が行えるようになります。
また、自動化にあたって暗黙知などをスクリプト化する必要があるため、形式知化して組織を強化することができます。
継続的インテグレーションを行うための前提条件3つ
継続的インテグレーションを行うための前提条件をご紹介します。
継続的インテグレーションを行うためにはいくつかの前提条件があります。そのため、継続的インテグレーションを行うには事前に準備をしておく必要があります。
ここでは継続的インテグレーションを行うための前提条件3つをご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてはいかがでしょうか。
継続的インテグレーションの前提条件1:バージョン管理を行う
継続的インテグレーションにはバージョン管理を行っていることという前提条件があります。
バージョン管理はすでに多くのシステム開発会社で行われていることですが、小さな会社ではバージョン管理をしていないケースもあるでしょう。
そのため、またバージョン管理を行っている場合はまずはバージョン管理を行うところからスタートする必要があります。
継続的インテグレーションの前提条件2:テストを自動化する
継続的インテグレーションにはテストを自動化していることという前提条件があります。
テストの自動化はバージョン管理に比べて採用していないケースも多いでしょう。継続的インテグレーションはプログラムをコミットすることで自動的にテストを行う仕組みになっているため、テストの自動化も必要になります。
しかしテストを自動化するにはある程度コストもかかるため、実際には自動化に踏み切れていない企業も多いです。
継続的インテグレーションの前提条件3:CIサーバーを用意する
継続的インテグレーションにはCIサーバーを用意するという前提条件があります。
継続的インテグレーションでは比較的重い処理が走るため、処理を実行できるだけのスペックを持ったサーバーが必要になります。
専用のCIサーバーは、最低でも8GB程度のメモリが十分に使えるサーバーであることが目安になります。
【おすすめ】継続的インテグレーションのツール6選
おすすめの継続的インテグレーションのツールをご紹介します。
継続的インテグレーションが実施できるCIツールにはさまざまな種類があります。ここでは最後に継続的インテグレーションのツールのおすすめ6選をご紹介していきますので、ぜひ参考にしてみてください。
継続的インテグレーションのツール1:Codeship
Codeshipはテストやビルドの処理がスピーディな継続的インテグレーションツールです。
月100ビルド、同時ビルド1つまで無料で利用できるCIツールです。プランは個人や小規模チーム、大規模チーム向けの「Basic」と、同時ビルドが20までできる「Pro」の2種類があります。
また、Pro版であればDockerもサポートしています。
継続的インテグレーションのツール2:Travis CI
Travis CIはGitHubにあるソフトウェアのビルドやテストを行うことができる継続的インテグレーションツールです。
オープンソース版であれば無料で利用できるCIツールで、対応言語も代表的な言語はほぼカバーしているため、さまざまな言語で利用できます。
ローカル版はジョブ数によって月額料金が変わります。
継続的インテグレーションのツール3:Jenkins
Jenkinsはどのようなスクリプトにも対応することができる高い汎用性を持った継続的インテグレーションツールです。
無料で利用できるオープンソースのソフトウェア開発向けの継続的インテグレーションサービスです。Javaで開発されており、1000個以上のプラグインが用意されています。
また、多くのプログラミング言語に対応しているため、さまざまな言語で利用することができます。
継続的インテグレーションのツール4:Bamboo
Bambooは企業での利用に適した継続的インテグレーションツールです。
Bambooは優れた権限設定ができるCIツールで、日本法人もあるため企業でも安心して使えます。GitHubやBitbucketにも対応しており、Atlassianとの連携も可能です。
継続的インテグレーションのツール5:Circle CI
Circle CIはSSHでの接続も可能な継続的インテグレーションツールです。
テストだけでなくデプロイも自動化できるCIツールとして広く利用されています。パラレル稼働により処理も早く、SSHを経由できるためデバッグもしやすいです。
継続的インテグレーションのツール6:GitHubと連携する
GitHubと連携することで継続的インテグレーションツールとして利用できます。
GitHubとは多くのエンジニアが利用しているソフトウェア開発のプラットフォームです。自分が書いたプログラムなどを保存、公開することができます。
GitHubであれば、テストの結果がNGであればマージできないといった仕組みを作ることも可能です。
継続的インテグレーションを理解し活用していこう
継続的インテグレーションで品質の高いソフトウェアを速いサイクルでリリースしましょう。
継続的インテグレーションは従来の手動でのテストと異なり、自動的にテストを行うことでリリース準備まで迅速に進めることができます。
ぜひこの記事でご紹介した継続的インテグレーションを行うための前提条件やおすすめのCIツールなどを参考に、継続的インテグレーションを実施してみてはいかがでしょうか。
この記事の監修者・著者
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ITエンジニア派遣サービス事業を行っています。AWSやSalesforceなど専門領域に特化したITエンジニアが3,000名以上在籍し、常時100名以上のITエンジニアの即日派遣が可能です。
・2021年:AWS Japan Certification Award 2020 ライジングスター of the Year 受賞
・2022年3月:人材サービス型 AWSパートナー認定
・AWS認定資格保有者数1257名(2023年7月3日現在)
・Salesforce認定コンサルティングパートナー
・Salesforce認定資格者295名在籍(2023年7月3日現在)
・LPIC+CCNA 認定資格者:472 名(2022年4月1日時点)
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