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エンジニアと終身雇用|終身雇用ではない新しい働き方のための対策4つ

その他 更新日:2023.02.27
エンジニア採用
エンジニアと終身雇用|終身雇用ではない新しい働き方のための対策4つ

終身雇用とは

 

終身雇用とは採用した正社員を定年まで雇用し続ける雇用スタイルです。

 

終身雇用の語源は『日本の経営』(ジェームス・C・アベグレン著、1958年)の中で日本の雇用慣行指した「Lifetime commitment」と言われています。「Lifetime commitment」は「終身の関係」と日本語訳され、ここから終身雇用という言葉が生まれました。

終身雇用の仕組み

終身雇用制度は会社が正規に採用した社員を原則定年まで解雇せず雇用する制度で、年功序列型賃金であることが多いです。年功序列賃金は学歴、年齢、勤続年数を中心に作られる給与システムです。勤続年数と年齢の増大に応じて給与が上がるのが特徴です。

 

給与の上がり方は学歴、性別、職種による人事考課がメインとなり、現代の給与システムの主流となっている成果主義とは相反する制度です。

終身雇用の経緯

終身雇用制度の始まりは大正末期から昭和初期です。

 

それ以前の日本の雇用スタイルは成果主義の能力給で、高い技術を持った熟練工はより良い待遇を求めて会社を変えていき、腕の良い熟練工が定着しない会社には採用と育成の負荷が重く伸し掛かることが問題視されていました。

 

熟練工の定着を目的として大企業や官営工場は定期昇給制度や退職金制度を導入し、長期雇用と年功序列をもとにした終身雇用制度の基礎が誕生しました。

 

その後、高度経済成長期で企業は優秀な人材の囲い込みを始め終身雇用が定着しました。人材を安定して確保するために長期雇用が一般化されたからです。

終身雇用の現状

終身雇用制度を残している企業はあるものの、多くの企業が終身雇用を廃止しています。廃止の理由は雇用した正社員全員の終身雇用を維持できるほどの規模ではない、または維持できるほどの規模でなくなったからです。

 

終身雇用制度の企業が減った背景には日本企業の規模縮小の他に、自分の実力や努力に見合った給料が支払われる成果主義の参入と、非正規社員の増加があります。

エンジニアと終身雇用

エンジニアはスキルアップをするために勤続年数は平均的に短く、キャリアパスのための転職を繰り返していく傾向があります。

 

定年まで同じ会社に勤められる終身雇用とはかけ離れた業界です。

 

エンジニアにとって重要となるのは自身のスキルです。エンジニアのスキルはできる・できないと白黒の評価がしやすいため、スキルアップとキャリアパスがモデル化されやすくなっています。

終身雇用のメリット5選

 

終身雇用制度は労働者に安心と保証を与えます。

 

終身雇用制度の企業に入社した社員は安定した収入を得られる安心感を得られます。企業は長期的な目線での人材育成と人材の確保ができます。

 

終身雇用制度の企業に対する社員の信頼度は高く、社員の定着率が高いです。

終身雇用のメリット1:従業員の心理的な安心感

社員に心理的な安心感を与えられるというのが終身雇用制度のメリットです。

 

終身雇用制度は安心して働ける環境の提供を保証するため、社員の生活は安定します。定年まで雇用されるので人生設計も立てやすいです。また、終身雇用制度では年功序列で年々給与が上がることが約束されています。そのため、住宅ローンなどの長期的なローンが組みやすくなります。

終身雇用のメリット2:長期で人材を育成できる

終身雇用の場合は長期的な目線で人材育成ができます。

 

企業に経営理念やコンセプトに合う人材を採用し、しっかりと育成していくことは、企業全体の成長には不可欠です。

終身雇用のメリット3:会社との信頼関係が高くなる

終身雇用制度のもとでは社員に「定年までこの会社で働ける/働く」という意識が生まれます。

 

雇用の保証は安定した生活の約束と同じです。結婚、子育て、老後などのライフプランも立てやすくなります。その結果、社員は企業に対して強い信頼感をもつようになります。

終身雇用のメリット4:社員の定着率が高い

終身雇用制度のある企業は福利厚生がしっかりしており、産休からの復帰した例が多くあるなど長く務める社員例が多いため社員の定着率が高いです。

 

大卒など若いときに入社した会社にずっと勤め続けている人は2016年時点で約5割です。

 

終身雇用制度がなくても、仕事がある状態は生活を営む上で重要であり、仕事がなくなることへの不安が現れた結果となっています。

終身雇用のメリット5:仕事に対するモチベーションが高い

終身雇用制度では社員が会社に対して信頼感をもつのと同時に、同僚に対して「長く一緒に働く仲間」という愛着がわくようになります。

 

そのため終身雇用制度の会社の社員は、自分は組織の一員だという帰属意識が比較的高いです。帰属意識が向上すると社員には「会社のために自分ができることは何か」と仕事に対して積極性が生まれる傾向にあります。

終身雇用のデメリット5選

 

終身雇用制度の企業に入ればリストラ等の心配はなく、給与は年齢を重ねると自然に上がっていきます。そのためこの安心感に甘えて社員がスキルアップをせずに、社員の質が低下する可能性があります。

 

また、企業に合う人材を採用し、同じコンセプトの教育や経験を積むので、人材が一様化してしまいます。

終身雇用のデメリット1:仕事に対する危機感や緊張感の欠如

終身雇用制度の企業に勤めることをゴールだという人もいるくらい、終身雇用制度の企業内では仕事に対する危機感や緊張感が欠如しています。

 

一度企業に在籍してしまえば定年まで安定して雇用してもらえる安心感があるため、社員に意欲や向上心が足りず、スキルアップをしないですむ環境のためいま自分の勤める会社の現状を第三者目線から見る能力が育たないのです。

終身雇用のデメリット2:従業員の質の低下

終身雇用制度のデメリットはリストラの心配はないという安心感と、働いている年数に応じて給料が上がる安定感による社員の意欲と質の低下です。

 

終身雇用制度の企業ではよほどのことがない限り社員はクビになりません。そのためサボる人や、努力しようとしない人がどうしても出てきます。また外部の人が入りにくいので、組織の体質が保守的になります。古くからの慣習が残り、いまの社会常識とは相容れない社風が受け継がれ続けることもあります。

終身雇用のデメリット3:人材の多様性が低い

終身雇用制度では長期的に人材を育成できるので、人材を新卒で一括採用する傾向があります。

 

新卒一括採用は人材を効率的に獲得することだけが目的なため、年齢・知識・スキルが似ていて、企業のコンセプトに合わせて価値観や考え方が似通った人材の採用に偏りがちになります。

終身雇用のデメリット4:スキルアップが難しい

終身雇用制度の企業には一人で頑張るという考えがあまりないため、個人のスキルアップは難しいでしょう。

 

終身雇用制度では新卒を大量に採用するなど、企業の利益は人員数もしくは労働時間と考えがちです。「やればやるだけ成果が出る」という高度経済成長期の考えが残ってしまっているのです。

 

「頑張って成果はみんなのもの」なので、一人で頑張ってスキルアップするのは損という考えさえあります。

終身雇用のデメリット5:生産性が下がる

終身雇用制度では入社さえすれば定年までの雇用が保証されているため、「工夫して生産性を上げる」や「頑張る」といった意識が低下します。

 

「最低限の仕事をこなせば良い」や「必要以上に頑張ることはない」という環境では社員の向上心は育ちません。

 

社員の向上心は会社が成長するための努力に直結するため、向上心が低下すると会社が成長せず生産性が下がってしまいます。

終身雇用ではない新しい働き方のための対策4つ

 

日本はいま働き方改革を必要としています。

 

日本は少子高齢化に伴う現役人口の減少が問題視され、現役世代が仕事をできるように育児や介護と仕事を両立できる仕事環境の多様化が求められています。

 

終身雇用は高度経済成長期に花開いた雇用スタイルであり、人口が減っている現代には合わないところがあります。

 

日本全体の生産性向上さえるためには終身雇用のように安定性ではなく、多様な就業機会に応えて働く人の数を増やしつつ、一人の意欲や能力を向上させて一人当たりの生産量を上げる必要があります。

 

新しい働き方は、個々の事情に合わせた働き方ができるかどうかです。そのためには企業側の多様な就業環境の提供が重要になります。

新しい働き方のための対策1:副業を解禁

新しい働きには柔軟性が求められ、なかでも副業や兼業を許可する取り組みは魅力的なアピールになります。

 

日本の企業の約7割は本業に障りがあるからと副業を禁止しているところが多数あります。しかし厚生労働省がモデル就業規則を変更したことで副業を解禁する流れも生まれています。

 

終身雇用制度が崩壊しつつあるいま、少子化の影響もあり企業は慢性的な人材不足に陥り始めました。会社は選ばれる側となり、働きやすい環境作りが急務となっています。

 

向上心の強い人ほどキャリアアップできる環境を求めます。副業の禁止はキャリアアップを阻害することになるので、向上心の強い人ほど、特にエンジニアは副業をしてもかまわないという会社を選ぶ傾向があります。

新しい働き方のための対策2:資格やスキル取得を支援する

終身雇用制度が一般的だった時代に比べて、現在は自身のキャリアアップを目的とした転職が少なくありません。そのため、企業は社員を定着させるために資格やスキル取得を支援するキャリア開発への取り組みが必要になります。

 

大切なのはこの会社でどのようなキャリアが積めるのかを提示し、キャリアを積めるようにリカレント教育やOJTなどの社内教育を充実させるなどの環境の整備です。

 

目指すキャリアに到達するためにはどんな経験が必要か、どんなスキルを身につけないといけないのか、道筋を提示されることで仕事に対する意欲がわいてくるからです。

新しい働き方のための対策3:産休や育休の取得を容易に

少子高齢化が進み将来働き手が不足するリスクが高まる中、多様な人材が働けるような環境作りが大切になっています。

 

中長期的に活躍する人材を獲得するならば、仕事と育児・病気の治療・介護などとの両立支援が重要です。特に、新卒社員の大部分は仕事に慣れてきたころに結婚、育児という問題と直面します。

 

育てた人材の離職は会社にとって大きなダメージとなるため、中長期的に活躍する人材を確保するには産休や育休の取得を支持する環境作りをしなければいけません。

新しい働き方のための対策4:テレワークやフレックス制を導入

新しい働き方では、働き方を選べる多様な環境の整備が企業に要求されます。

 

たとえばテレワークやフレックス制の導入です。時間や場所にとらわれずに働く環境を作ることで、育児や介護をする必要のある人がより働きやすくなります。

エンジニアの終身雇用の現状を理解し新しい働き方にシフトしていこう

 

時代の流れで会社は終身雇用を維持できなくなりました。

 

エンジニアはその現状を理解し、自身の経験を積んでスキルアップをし、自力で市場価値を高めなくてはいけません。今の時代の安定はどこでも活かせるスキルが身について得られます。

 

いまは売り手市場であり、エンジニアは自分の力を生かせてスキルアップできる会社を選びます。

 

エンジニアに評価される企業は新しい働き方にシフトしている、柔軟性が高く自身のスキルアップが見込める企業です。

この記事の監修者・著者

株式会社オープンアップITエンジニア
株式会社オープンアップITエンジニアAWSパートナー/Salesforce認定コンサルティングパートナー 認定企業
ITエンジニア派遣サービス事業を行っています。AWSやSalesforceなど専門領域に特化したITエンジニアが3,000名以上在籍し、常時100名以上のITエンジニアの即日派遣が可能です。

・2021年:AWS Japan Certification Award 2020 ライジングスター of the Year 受賞
・2022年3月:人材サービス型 AWSパートナー認定
・AWS認定資格保有者数1257名(2023年7月3日現在)
・Salesforce認定コンサルティングパートナー
・Salesforce認定資格者295名在籍(2023年7月3日現在)
・LPIC+CCNA 認定資格者:472 名(2022年4月1日時点)
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