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変形労働時間制って何?選べる3つの仕組みと時間外労働の考え方を紹介!

その他 更新日:2023.02.27
エンジニア採用
変形労働時間制って何?選べる3つの仕組みと時間外労働の考え方を紹介!

変形労働時間制とは?

仕事の形が多様化する中で最近の雇用形態としてよく聞かれるものの中に、変形労働時間制というものがあることをご存知でしょうか。

変形労働時間制とは、労働時間を年単位や月単位で調整できるものです。これを取り入れることで、繁忙期でも残業代を支払わずに済む可能性があります。

今回は変形労働時間制がどのようにして導入されてきたのか、どのような仕組みなのか、変形労働時間制における時間外労働の考え方について、メリットとデメリットなどをご紹介いたします。

変形労働時間制が導入された背景とは?

変形労働時間制が導入された目的は、多様な働き方に対応するためです。

変形労働時間制を取り入れることで、繁忙期とそうでない時期を見越して働き方を合わせられ、雇用側にとっても労働者側にとっても非常に効率的といえます。従来の固定時間制では適用できない働き方への対応として導入された、ともいえます。

変形労働時間制導入で選べる3つの仕組みとは?

変形労働時間制では週単位、月単位、年単位の3つの中から選んで設定できます。

ここからは、それぞれの変形労働時間制の扱い方についてご説明いたします。事業所によって取れる変形労働時間制の方法が異なる場合もありますので、取り入れる際は注意が必要です。すべてに共通して労使協定を定める必要があります。

変形労働時間制の選べる仕組み1:1週間単位の変形労働時間制

1週間単位の変形労働時間制を取り入れる場合、労使協定によって定められた決まりの下で労働時間が週に40時間以内になるように定めなければなりません。

対象期間における連続して働ける日数は6日までと定められており、週に1日は必ず休日を確保しなければなりません。また、労基法により、対象とされる事業者は小売業、旅館や料理店、飲食店の事業であり、常に30人未満の労働者を使用するものという決まりがあります。

出典:1週間単位の非定型的変形労働時間制|厚生労働省
参照元:https://jsite.mhlw.go.jp/aichi-roudoukyoku/var/rev0/0116/9590/p18-19.pdf

変形労働時間制の選べる仕組み2:1カ月単位の変形労働時間制

1ヵ月単位の変形労働時間制については、法定労働時間を1ヵ月の労働時間から平均して1週間あたりの労働時間が40時間になるように定めることです。それにより、1日あたりの労働時間を8時間よりも多くしたり、特定の週の労働時間を40時間以上にできます。

ただし、週の労働時間の限度は52時間と定められており、48時間以上の勤務が週の初日で数えて3回以下となっています。なお、週単位の変形労働時間制と同じく、労使協定や就業規則で定め、労働者に通知しなければなりません。

出典:(3)1ヵ月又は1年単位の変形労働時間制|厚生労働省
参照元:https://www.mhlw.go.jp/www2/topics/seido/kijunkyoku/week/970415-3.htm

変形労働時間制の選べる仕組み3:1年単位の変形労働時間制

1年単位の変形労働時間制では、1か月を超え1年以内の期間を平均し、1週間当たりの労働時間が40時間を超えないように設定します。

これは、1年間を通して業務の繁閑に応じた労働時間でシフトを作成できます。こちらも、労使協定を結んだ上で行われます。

特殊な業務を除いては、1日の労働時間は10時間以内、週の労働時間は52時間以内などと、様々な上限や決まりが設定されています。

出典:(3)1ヵ月又は1年単位の変形労働時間制|厚生労働省
参照元:https://www.mhlw.go.jp/www2/topics/seido/kijunkyoku/week/970415-3.htm

変形労働時間制における時間外労働の3つの考え方

変形労働時間制について、労働者を一定額でいくらでも働かせられる、と間違った解釈を持つ人もいますが、そうではありません。労使協定で定められた通り、時間外労働については正しく残業代が支払われます。

ただし、固定時間制の残業とは異なる部分も多いため、しっかりと理解しておく必要があります。

考え方1:日ごとに所定時間を越えたものは残業労働

1日の所定労働時間よりも多く働いた時間については、時間外労働の扱いになります。つまり、7時間の労働時間と定めた日に10時間働いた際、3時間の時間外労働となるのです。

一方で、10時間の労働時間と定めた日は時間外労働として扱われないということになります。ただし、定められた期間内で早退等、所定労働時間に満たない日があった場合は、その期間内の残業について相殺となります。

出典:時間外労働の上限規制 わかりやすい解説|厚生労働省
参照:https://www.mhlw.go.jp/hatarakikata/img/overtime/000463185.pdf

考え方2:残業時間除外の週間就労時間で40時間を超えた部分は残業労働

週単位、月単位、年単位どの変形労働時間制を扱っていたとしても、所定労働時間が40時間を超えている週の場合、またそれ以外の週に40時間以上の労働時間となった場合は時間外労働という扱いに当たります。

前述した通り、1か月や1年単位の変形労働時間制をとっている場合は、規定の下で週に40時間以上の就労が認められています。ただし、所定の時間を過ぎた場合、1週間でも時間外労働として残業代が支払われます。

出典:時間外労働の上限規制 わかりやすい解説|厚生労働省
参照:https://www.mhlw.go.jp/hatarakikata/img/overtime/000463185.pdf

考え方3:残業時間除外の年間就労時間で年間法定労働時間を超えた部分は残業労働

変形労働時間制をとる中で、年間の就労時間が年間法定労働時間を超えた分については、時間外労働となります。

対象期間における所定労働時間総枠(40時間)×対象期間の暦日数÷7という計算になり、1年は365日の場合については、2085.71時間が年間法定労働時間として設定できるということになります。これを超えた分については、残業代が支払われます。

出典:時間外労働の上限規制 わかりやすい解説|厚生労働省
参照:https://www.mhlw.go.jp/hatarakikata/img/overtime/000463185.pdf

変形労働時間制のメリットとデメリットとは?

変形労働時間制とは、1日8時間、週に40時間という原則の下で事業所の繁閑に合わせた働き方ができるという点がご理解いただけたのではないでしょうか。

固定時間制の働き方とは異なる分、変形労働時間制特有のメリットとデメリットがあります。ここからは変形労働時間制を取り入れるメリットとデメリットについてご紹介いたします。

変形労働時間制の3つのメリットとは?

変形労働時間制のメリットとして大きく「労力を有効的に使えること」、「残業代の支払いを減らせること」、「仕事の閑散期には社員の自由時間が増やせること」の3つが挙げられます。

これらのメリットがしっかりと享受できるよう制度を整えることで、事業者も労働者も満足して働ける環境が整えられます。

メリット1:労力を有効的に使える

変形労働時間制を取り入れることで、限りのある労力を有効的に活用できます。繁忙期や事前に業務量が多くなるとわかっている忙しい日には長く働き、閑散期や仕事の少ない日には短く働くことで、労働者側が仕事のない状態を作らずに済みます。

また、今までであればもう1人働かなければならなかったところを1人が長い時間働くことで埋められるなど、人手不足が防げます。

メリット2:残業代の支払いを減らせる

前述した労力の有効活用により、事業者は残業代の支払いを減らせます。通常は法定労働時間を超過した際には残業代を支払わなければなりませんが、変形労働時間制を取り入れていれば、所定時間内であれば残業代を支払う必要がなくなります。

ただし、労働者側にとってルールが不透明であると不満につながりますので、十分に説明する必要があります。

メリット3:仕事の閑散期には社員の自由時間が増やせる

事業者から見たメリットをここまで挙げてきましたが、労働者側には閑散期に自由時間を多く持つことができる、というメリットがあります。繁忙期には多く働き、閑散期には早めに業務を終了させてプライベートが充実し、社員のライフワークバランスの向上が期待できるのです。

このメリットの供給により、社員の満足度も向上します。

変形労働時間制の2つのデメリットとは?

変形労働時間制には、前述した通り大きなメリットがありますが、固定時間制とは違うデメリットもあります。挙げられるものとして「繁忙期に社員を長時間拘束することになる」、「適用期間の途中変更ができない」があります。

これらのデメリットで社員の退職につながることも多くありますので、十分な検討が必要といえます。

デメリット1:繁忙期に社員を長時間拘束することになる

変形労働時間制をとっている事業所において特に年単位等の長期活用の場合、繁忙期に社員を長時間拘束することになります。これは事業所にとっては前述した残業代削減のメリットともいえますが、労働者側からするとストレスが溜まりやすい環境になるといえます。

社員の心身の不調に影響するような内容になっていないかどうか、業務内容は変形労働時間制に合っているかどうかを見極めた上で活用しましょう。

デメリット2:適用期間の途中変更ができない

一度示した所定労働時間の事後の変更については、行政解釈において基本的には否定的だといえます。つまり、1度示した所定労働時間について、後から時間配分などの変更は基本的にできないということです。

ただし、実務上こういった事態はよく起こることです。労働者の不利益にならないよう十分に配慮し、労働者の承諾を得られれば、問題になることはほとんどありません。

変動労働時間制以外にもある労働時間が変則的な制度とは?

メリットが非常に大きい変形労働時間制ですが、他にも労働時間を変則的に変えられる制度があります。フレックスタイム制と裁量労働制は特に多くの事業所で活用されており、1度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。

ここからは上記した2つの制度について、ご紹介いたします。

フレックスタイム制度とは?

フレックスタイム制とは、働き方改革に伴い推進されている制度です。これは、一定の期間について定められた総労働時間の中で始業、終業時間や労働時間について労働者自らが決められる制度となります。

つまり、働く人の個々の事情に応じて多様な働き方を提供できるものとして、様々なライフスタイルの人が働ける制度となっています。ライフワークバランスをとりやすく、多くの事業所で取り入れられています。

裁量労働制とは?

裁量労働制とは労働時間が労働者の裁量に任されているものであり、長時間働いても短時間働いても契約した労働時間の分の賃金が支払われる仕組みとなります。

そのため、与えられた業務を遂行すれば始業時間も終業時間も問わないものとなり、時間外労働という概念もなくなるため、残業代を支払う必要がなくなります。

ただし、深夜や休日の業務については例外となるので注意が必要です。

充分な仕組みの理解で変動労働時間制の誤用防止

雇用側が変形労働時間制を取り入れる際は、十分に仕組みについて理解しておくことが必要です。

労働者、事業所共にメリットの大きいこの制度ですが、正しく扱われないとサービス残業が蔓延し、働きづらい環境を作ってしまいます。また、正しく理解せずに行うと労働基準法に抵触する恐れもあります。

生産性の向上やライフワークバランスの実現を図れるこの制度をより良く活用するためにも、労働基準法に則り、正しく取り扱うようにしましょう。

この記事の監修者・著者

株式会社オープンアップITエンジニア
株式会社オープンアップITエンジニアAWSパートナー/Salesforce認定コンサルティングパートナー 認定企業
ITエンジニア派遣サービス事業を行っています。AWSやSalesforceなど専門領域に特化したITエンジニアが3,000名以上在籍し、常時100名以上のITエンジニアの即日派遣が可能です。

・2021年:AWS Japan Certification Award 2020 ライジングスター of the Year 受賞
・2022年3月:人材サービス型 AWSパートナー認定
・AWS認定資格保有者数1257名(2023年7月3日現在)
・Salesforce認定コンサルティングパートナー
・Salesforce認定資格者295名在籍(2023年7月3日現在)
・LPIC+CCNA 認定資格者:472 名(2022年4月1日時点)
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