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マトリックス組織とは?3つの基本形態とメリット・デメリットを紹介!

その他 更新日:2023.02.27
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マトリックス組織とは?3つの基本形態とメリット・デメリットを紹介!

マトリックス組織とは?

マトリックス組織とは、異なる組織構造を組み合わせて、複数の組織構造のメリットを同時に享受できるような組織形態です。

組織形態には、職能別組織や事業別組織、地域別組織などのさまざまな組織形態があり、それぞれ異なる特徴を持つので、組織の目的によって使い分けられています。

マトリックス組織では、複数の組織構造を組み合わせることで、複数の目的を同時に追求するような組織構造を取っています。

マトリックス組織の考え方の発端とは?

マトリックス組織は、NASAが組織構造の原型を構築して、関連企業に広めていったことが考え方の発端とされています。

NASAのアポロ計画の際、機能別組織として機能していた所に、複数のプロジェクトとプロジェクトマネージャーが配置され、複数の指示系統を持つ組織として機能しました。

そして、プロジェクトの臨時的な組織構造が恒常化していき、現在のマトリックス組織の原型として普及していきました。

日本におけるマトリックス組織の取り組みとは?

NASAがマトリックス組織の原型を構築しましたが、日本では、トヨタが先陣を切ってマトリックス組織の導入を始めました。

トヨタは、技術開発部や生産管理部、経理部などの職能別の組織構造と、エリアごとにビジネスユニットを配置する地域別の組織構造を組み合わせることで、マトリックス組織を導入し、従来の職能組織に地域別組織の組織構造を組み合わせることで、ローカル市場の強化を図りました。

マトリックス組織の基本3形態とは?

マトリックス組織は、リーダーの有無や選出のしかたなどによって分けられ、マトリックス組織の基本的な形態には、大きく分けて3つのものがあります。

ここでは、ウイーク型、バランス型、ストロング型という、マトリックス組織の基本3形態について紹介していきます。

マトリックス組織の形態1:ウイーク型

1つめのマトリックス組織の形態は、ウイーク型です。

ウイーク型のマトリックス組織は、プロジェクトにおける特定のプロジェクトマネージャーを置かずに、メンバーが自由に動けるような組織形態です。

メンバーが自由に動けるので、不測の事態への対応もスピーディーで臨機応変に対応できます。しかし、個々のメンバーの業務内容を把握できず、指示系統も曖昧なので、業務効率が落ちてしまうリスクもあります。

マトリックス組織の形態2:バランス型

2つめのマトリックス組織の形態は、バランス型です。

バランス型のマトリックス組織は、プロジェクトメンバーの中からプロジェクトマネージャーを選出し、チームをまとめる組織形態です。

現場を把握している人がプロジェクトマネージャーになるので、全体の動きを見渡して的確な指示の下業務を遂行できます。しかし、プロジェクトマネージャーの負担が大きく、指示系統が複雑で混乱してしまうリスクもあります。

マトリックス組織の形態3:ストロング型

3つめのマトリックス組織の形態は、ストロング型です。

ストロング型のマトリックス組織は、プロジェクト専門のプロジェクトマネージャーを設置し、マネジメントしていくような組織形態です。

プロジェクトマネージャーの権限が強く、メンバーへの支持が明確になり、高い専門性を有するプロジェクトマネージャーであれば、業務がスムーズに進みます。しかし、マネジメントに特化した人材が必要で、コストがかかってしまいます。

マトリックス組織の6つのメリットとは?

マトリックス組織は、複数の組織構造を組み合わせて取り入れることで、さまざまな組織構造のメリットを享受できます。

ここでは、社内人材で取り組める、プロジェクトを効率的に推進できる、プロジェクトの質を高められる、権限委譲しやすい、組織に柔軟性がある、トップマネージメント直下に設置できるという、マトリックス組織のメリットについて6つ紹介していきます。

マトリックス組織のメリット1:社内人材で取り組める

1つめのマトリックス組織のメリットは、社内人材で取り組めることです。

マトリックス組織を構築するためには、既存の組織構成を見直して、人材を柔軟に活用すればよいので、新たに人材を雇用する必要がありません。

また、新しくプロジェクトを始めるにあたって大きな人事異動も必要ないので、気軽に導入できて業務の効率化を図れることでしょう。

マトリックス組織のメリット2:プロジェクトを効率的に推進できる

2つめのマトリックス組織のメリットは、プロジェクトを効率的に推進できることです。

マトリックス組織では、プロジェクトに応じたメンバーが構成されるので、メンバー全員で同じ目的を共有でき、プロジェクトを効率的に推進できるようになります。

また、複数の部門にまたがってプロジェクトを進められるので、部署や部門の垣根を超えてプロジェクトを推進できるようになります。

マトリックス組織のメリット3:プロジェクトの質を高められる

3つめのマトリックス組織のメリットは、プロジェクトの質を高められることです。

マトリックス組織では、プロジェクトに必要な人材で組織を構成できるので、より高い業務品質が生まれやすくなります。

高い専門性やスキルを持つ人材をプロジェクトメンバーとして選ぶことで、より質の高い業務を遂行でき、プロジェクト全体の質も高まることでしょう。

マトリックス組織のメリット4:権限委譲しやすい

4つめのマトリックス組織のメリットは、権限委譲しやすいことです。

マトリックス組織では、権限委譲がしやすく、プロジェクトリーダーに多くの権限を持たせられるので、トップマネージメントの負荷が軽減されます。

また、プロジェクトリーダーに強い権限があれば、指揮系統が明確になって混乱しにくくなるので、スムーズに業務を遂行できるようになるでしょう。

マトリックス組織のメリット5:組織に柔軟性がある

5つめのマトリックス組織のメリットは、組織に柔軟性があることです。

マトリックス組織において、高いスキルや知識を持つ人材をうまく起用することで、あらゆる事態に対応できるようになり、クライアントからの要望にも柔軟に対応できるようになることでしょう。

また、必要に応じて組織の発足や解散など、柔軟な対応が可能なので、組織の硬直化を防いで幅広い業務に対応できるでしょう。

マトリックス組織のメリット6:トップマネージメント直下に設置できる

6つめのマトリックス組織のメリットは、トップマネージメント直下に設置できることです。

マトリックス組織は、トップマネージメント直下に設置できるので、既存の組織体系と切り離して、直接的にトップマネージメントが可能です。

既存の組織体系から独立しているので、新しく事業を展開したり、事業を拡大していく際にも、マトリックス組織の組織構造が役立つことでしょう。

マトリックス組織の4つのデメリットとは?

マトリックス組織は、プロジェクトを進める上で効果的な組織体系ですが、マトリックス組織の導入には、デメリットもあります。

ここでは、指揮命令系統の多重化、通常組織とプロジェクト間での齟齬、ストレス頻度が高くなる、プロジェクトでのノウハウが体系化されないという、マトリックス組織のデメリットについて4つ紹介していきます。

マトリックス組織のデメリット1:指揮命令系統の多重化

1つめのマトリックス組織のデメリットは、指揮命令系統の多重化です。

マトリックス組織では、複数の組織構造を併用しているので、通常業務とプロジェクトにそれぞれの上司が存在し、指揮命令系統が多重化してしまいます。

指揮命令系統が多重化してしまうと、異なる指示によって混乱してしまったり、組織のパワーバランスが崩れてチーム内での摩擦が生じてしまう可能性もあります。

マトリックス組織のデメリット2:通常組織とプロジェクト間での齟齬

2つめのマトリックス組織のデメリットは、通常組織とプロジェクト間での齟齬です。

マトリックス組織では、通常業務とプロジェクトが別れることにより、通常業務での意思とプロジェクトの意思にズレが発生してしまい、混乱を招いてしまうことがあります。

組織としてコミュニケーションが十分でないと、業務内容が曖昧になってしまって、業務の質が落ちてしまうリスクもあります。

マトリックス組織のデメリット3:ストレス頻度が高くなる

3つめのマトリックス組織のデメリットは、ストレス頻度が高くなることです。

マトリックス組織を導入すると、チームのメンバーは、通常業務に加えてプロジェクトでのストレスも加わるので、ストレス頻度が高くなってしまいます。

メンバーの負担が大きくなり、ストレス頻度が高くなってしまうと、異なるチーム間での対立や、組織内での摩擦が発生してしまい、業務効率が落ちてしまう可能性もあります。

マトリックス組織のデメリット4:プロジェクトでのノウハウが体系化されない

4つめのマトリックス組織のデメリットは、プロジェクトでのノウハウが体系化されないことです。

マトリックス組織のプロジェクトチームは、プロジェクトを遂行した後に解散してしまうことが多く、メンバー個人にプロジェクトのノウハウが残っても、組織としてのノウハウが残らないことがあります。

また、プロジェクトチームの解散後には、部署や部門の違うメンバーとのノウハウの共有も難しくなります。

形態で異なる3つの組織とは?

マトリックス組織は、複数の形態の組織が組み合わさって成り立っていますが、マトリックス組織のような組織形態には、大きく分けて3つのものがあります。

ここでは、プロジェクト型組織、機能型組織、プロジェクト型組織と機能型組織の融合型という、形態で異なる組織について3つ紹介していきます。

組織形態の違い1:プロジェクト型組織

1つめの組織形態の違いは、プロジェクト型組織です。

プロジェクト型組織は、プロジェクトが発足する度に特別編成されるチームを構築し、事業運営していくような組織のことです。

プロジェクトごとに組織を構築するので、専門性やスキルが高くて適切な人材をメンバーとして選ぶため、効率的な業務の遂行が見込めます。しかし、長期的な視点では、社内にノウハウが蓄積されにくくなってしまう可能性があります。

組織形態の違い2:機能型組織

2つめの組織形態の違いは、機能型組織です。

機能型組織は、職能別組織とも呼ばれ、開発や生産、営業や人事など、業務内容や機能別に部門分けして、事業の専門性を高めながら運営していく組織です。

部門ごとに分かれているので、部門内でのコミュニケーションが円滑になり、専門性が高くて効率の良い業務が可能になります。しかし、部門を超えた協力が難しくなったり、経営層の負担が大きくなったりする場合もあります。

組織形態の違い3:プロジェクト型組織と機能型組織の融合型

3つめの組織形態の違いは、プロジェクト型組織と機能型組織の融合型です。

マトリックス組織は、プロジェクト型組織と機能型組織の両方の特徴を併せ持ち、プロジェクト型組織と機能型組織の融合型としての組織形態になっています。

マトリックス組織は、プロジェクト型組織と機能型組織の両方のメリットを享受できます。しかし、指揮系統が複数あることで社内の混乱を招いたり、人材の配置が難しくなったりすることがあるでしょう。

マトリックス組織導入する前に想定される課題の解決が必須

ここまで、マトリックス組織の基本形態や、メリット・デメリットについて紹介してきました。

マトリックス組織を形成すれば、複数の組織形態の利点を受けられますが、複雑な組織形態なので、パワーバランスや部門間調整などにおける注意が必要です。

マトリックス組織の導入を考えている方は、導入前に想定される課題の解決を試みてください。

この記事の監修者・著者

株式会社オープンアップITエンジニア
株式会社オープンアップITエンジニアAWSパートナー/Salesforce認定コンサルティングパートナー 認定企業
ITエンジニア派遣サービス事業を行っています。AWSやSalesforceなど専門領域に特化したITエンジニアが3,000名以上在籍し、常時100名以上のITエンジニアの即日派遣が可能です。

・2021年:AWS Japan Certification Award 2020 ライジングスター of the Year 受賞
・2022年3月:人材サービス型 AWSパートナー認定
・AWS認定資格保有者数1257名(2023年7月3日現在)
・Salesforce認定コンサルティングパートナー
・Salesforce認定資格者295名在籍(2023年7月3日現在)
・LPIC+CCNA 認定資格者:472 名(2022年4月1日時点)
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