Amazon WorkMailのメリット|できることや始め方も紹介
Amazon WorkMailとはどんなサービス?
Amazon WorkMailは企業向けのマネージド型サービスで、Eメールやカレンダーなどの機能を利用できます。ユーザーはクライアントアプリケーションを選択し、自分のEメール・連絡先・カレンダーにシームレスでアクセスできます。
Microsoft Outlook・ネイティブiOS・AndroidのEメールアプリケーション・IMAPプロトコルと、対応しているクライアントも豊富に揃っています。
セキュリティに優れている上に、料金面も前払い料金・最低利用料金・長期契約が必要ないため、安心して利用できます。
Amazon WorkMailについて、料金に関する具体的な内容と、対応リージョンの注意点を解説します。
出典:Amazon WorkMail|AWS
参照:https://aws.amazon.com/jp/workmail/
料金
Amazon WorkMailの料金は、1ユーザーあたり毎月4ドルの課金が行われる形となっています。ユーザー1人につき、50GBのメールボックスストレージが使用可能で、25ユーザーまで、30日間の無料トライアルが利用できます。
ユーザーが作成された最初の月は、初日から月末までの日数に合わせて日割計算で月額料金が調整されます。月末までにユーザーが停止または削除された場合は、そのユーザーの月額料金は月末まで適用されます。
出典:Amazon WorkMail 料金表|AWS
参照:https://aws.amazon.com/jp/workmail/pricing/
対応リージョン
対応リージョンに関する注意点として、国内にあるリージョンではまだ提供されていません。北バージニア・オレゴン・アイルランドと、3つの海外リージョンでサービスが提供されています。
Eメール等のデータを国内で保管できないため、利用する際にはそのことを念頭に置いておきましょう。
Amazon WorkMailのメリット10選
Amazon WorkMailは、機能が豊富であり、様々なツールと連携して利用ができ、セキュリティや費用の面においても優秀です。Amazon WorkMailを利用することで享受できる恩恵は、数多くあると言えます。
Amazon WorkMailが有する10のメリットを紹介します。
1:独自ドメインを利用できる
Amazon WorkMailでは、独自のドメインを設定し、利用できます。独自ドメインを登録することにより、企業専用のドメインとして、会社のホームページやメールアドレスなどに利用でき、非常に便利です。
登録自体も簡単かつ短時間で可能なため、ややこしい手続きを踏まずに独自のドメインを作成できるという点で、Amazon WorkMailは大きな強みを持っていると言えます。
2:AWS SESと連携できる
Amazon WorkMailは、同じAWS(Amazon Web Service)同士、AWS SES(Simple Email Service)と連携できます。SESは導入コストの低さや柔軟かつ低価格な料金、高い配信性能など、多くの強みを有しています。
Amazon WorkMailと並行してSESも利用することで、メールサービス運用のさらなる効率化が期待できるでしょう。
3:他サービスからの移行がしやすい
Amazon WorkMailには、他サービスからの移行が簡単にできるという大きな強みがあります。Amazonは、メールサービスの容易な移行を可能とするために、Eメール移行専門ツールを提供するaudrigaおよびTransendと提携しています。
audrigaが提供するEメールアドレス移行ソリューションは、ソフトウェアのインストールを行わずに、Eメール・連絡先・カレンダー・タスク・メモの移行が可能です。
Transendが提供する、Transend Migrator for Amazon WorkMailは、単一メールボックスの移行、数千のアカウントの一括処理、複数のメッセージ・アドレス帳・カレンダー・タスクを一回のプロセスで移行など、便利な機能を多数有しています。
4:ウェブクライアントの機能が豊富である
Amazon WorkMailはウェブクライアントの機能が豊富であり、Eメールだけではなくカレンダーへのアクセスもできる他、共有カレンダーの確認や、ミーティングの迅速なスケジュール確保もできます。
企業にとってメリットとなる機能を多数有しており、Amazon WorkMailを利用することで、業務効率の大幅な上昇が期待できます。
5:セキュリティ性が高い
Amazon WorkMailはセキュリティ性が高く、データが全て暗号化された状態で保管されるなど、様々な機能で大切なデータが守られます。
企業にとって、データが漏洩するという事態は避けなければなりません。Amazon WorkMailを使えば、高いセキュリティによってデータを盗まれる危険性が大幅に下がり、安心してメールサービスが利用できます。
6:費用を抑えることができる
Amazon WorkMailの料金システムは、1ユーザーから対応した課金のため、他のサービスと比較してコストが安くなるケースが多く、費用を抑えることができます。
ユーザーの人数に応じて必要となる金額が変動するシステムにより、小規模な企業にとっても敷居が低いサービスであると言えます。
7:様々なデバイスからアクセス可能である
Amazon WorkMailは、様々なデバイスからのアクセスが可能です。Microsoft Outlookからメールやカレンダー機能を利用できる他、ネイティブiOSやAndroidのEメールアプリ、IMAPプロトコル、そしてウェブブラウザからアクセスできます。
該当するアプリケーションなどをすでに使っている場合、そのままAmazon WorkMailを利用できます。アクセス可能なデバイスが多種多様であることは、大きな強みであると言えるでしょう。
8:Microsoft Active Directoryと連携できる
Amazon WorkMailは、Microsoft Active Directoryと連携できます。Microsoft Active Directoryは、多くの企業で使用されているディレクトリサービスです。
Microsoft Active Directoryを利用している企業は、既存の認証情報をそのままAmazon WorkMailでも使うことができます。
9:Microsoft Exchange Serverと連携できる
Amazon WorkMailは、Microsoft Exchange Serverと連携し、相互運用が行えます。Amazon WorkMailでメールボックスを利用する際に、Microsoft Exchange Serverを併用することにより、ユーザーへの負担を軽減できます。
連携により、同じ企業ドメインの使用が可能となり、カレンダーを共有して会議などのスケジュールが組めます。
10:マネージドサービスが機能的である
Amazon WorkMailのマネージドサービスは機能的であり、利用することで企業の運用管理の効率が大幅に上昇します。
Amazon WorkMailの機能を使えば、Eメールインフラストラクチャの管理が簡単になり、オンプレミスのEメールサーバーのライセンス付与やプロビジョニングに関する先行投資をする必要がなくなります。
パッチ運用、バックアップ、アップグレードも全てAmazon WorkMailが自動的に処理し、複雑なソフトウェアのインストールや保守、ハードウェアの管理なども不要になります。
Amazon WorkMailでできること3つ
Amazon WorkMailは様々なメリットを有しており、使いこなせば経営効率の大幅な上昇が期待できます。メールやスケジュールの管理機能に優れているAmazon WorkMailですが、加えて複数の便利な機能が利用可能です。
Amazon WorkMailで使える、3つの機能を説明します。
1:外部からのデータ参照を制限できる
Amazon WorkMailは高いセキュリティ性により、外部からのデータ参照を制限できます。Amazon WorkMailはモバイル端末で外部から組織の情報にアクセスし閲覧できますが、そこで生じるセキュリティ問題を、この機能でカバーしています。
データを参照できるデバイスを指定したり、情報を暗号化してデータを守る範囲を設定したりすることで、外部からのアクセスを制御できます。
2:グループのアドレス設定をすることができる
Amazon WorkMailの機能として、グループアドレスの設定を行うことが可能です。グループを活用すれば、社内の連携やコミュニケーションを効率よく行えます。
グループをセキュリティグループとして使えば、メールボックスやカレンダーを特定のチームと共有でき、さらに連携効率が上がります。
3:会社で利用する備品や会議室などの予約管理ができる
Amazon WorkMailを使うことにより、会社で利用するプロジェクター・電話・車両といった備品や会議室などの予約管理を行えます。備品や会議室を選択し、それぞれにメールアドレスを割り当てて設定できます。
予約管理したリソースを、利用者ごとに使用できる可否権限を割り当てるなどの、細かい設定も可能です。
Amazon WorkMailの始め方5つの手順
Amazon WorkMailは利用するメリットが多く、便利な機能も豊富です。始めるための手順も複雑ではありませんが、注意すべき点がわずかながら存在します。
Amazon WorkMailの始め方を、5つの手順に分けて説明します。
1:AWSのサービスからAWS WorkMailを選択する
まず、AWSアカウントでログインしてください。AWSアカウントを所持していない場合は、アカウントの登録から始めてください。
その後、AWSが提供するサービスの中から、AWS WorkMailを選択してください。
2:Organizationを作成する
次に、Amazon WorkMailを利用するにあたって、サービスを受けるOrganization(組織)の設定を行います。Amazon WorkMailコンソールを開き、「Get started」から「Create organization」を選んでください。
組織のドメインを選び、ユーザーディレクトリと暗号化の設定を行います。1つのAWSアカウントで複数のOrganizationを設定できます。
3:独自ドメインを追加する
Amazon WorkMailは、1つの組織に最大100個のドメインが登録できます。組織を設定した後は、独自ドメインを追加しましょう
Amazon WorkMailコンソールからドメインを追加する組織を選び、「Add Domain(ドメインの追加)」でドメインを作成し、登録してください。
出典:ドメインの追加|AWS
参照: https://docs.aws.amazon.com/ja_jp/workmail/latest/adminguide/add_domain.html
4:ユーザーを作成する
企業内でAmazon WorkMailを利用し、互いにデータ等を共有できるようにユーザーを作成し、登録しましょう。まずAmazon WorkMailコンソールを開き、「Organization(組織)」で組織の名前を選択してください。
「Users(ユーザー)」から「ユーザーの作成」を選び、登録を完了させましょう。
5:ログインを確認する
一通りの設定が完了した後は、正常にログインできるか確認を行いましょう。認証画面でユーザーネームとパスワードを入力して、ログインできれば成功です。
また、一部のメールクライアントを使っている場合に問題が生じるリスクもあるため、ログイン後にメールの送受信テストを行い、正常にメールのやり取りが行えるかチェックしましょう。
Amazon WorkMailのメリットや始め方を理解しよう
Amazon WorkMailは高度なセキュリティ性・幅広い連携対象・多種多様かつ便利な機能・簡単な登録手順と、多くのメリットを有しています。
Amazon WorkMailのメリットや始め方を理解し、企業の運用管理に有効活用しましょう。
この記事の監修者・著者
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ITエンジニア派遣サービス事業を行っています。AWSやSalesforceなど専門領域に特化したITエンジニアが3,000名以上在籍し、常時100名以上のITエンジニアの即日派遣が可能です。
・2021年:AWS Japan Certification Award 2020 ライジングスター of the Year 受賞
・2022年3月:人材サービス型 AWSパートナー認定
・AWS認定資格保有者数1257名(2023年7月3日現在)
・Salesforce認定コンサルティングパートナー
・Salesforce認定資格者295名在籍(2023年7月3日現在)
・LPIC+CCNA 認定資格者:472 名(2022年4月1日時点)
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