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派遣の抵触日とは何か?企業側の注意するべきポイントもあわせて解説

その他 更新日:2023.02.22
エンジニア採用
派遣の抵触日とは何か?企業側の注意するべきポイントもあわせて解説

派遣の抵触日とは何か?

派遣労働者の雇用の安定やキャリアアップを図るために全ての業種に対して「抵触日」が設けられました。

抵触日とは、派遣期間制限が切れた翌日のことを指します。

派遣法改正と抵触日について

派遣という働き方は臨時的・一時的なものであるという考え方から、常用代替を防止するとともに、派遣労働者の雇用の安定とキャリアアップを図るため、労働者派遣法が改正され、2015年9月30日から施行されました。

この労働者派遣法の大きな改正点の1つが、同一の事業所に3年を超えて働くことを禁じるという、いわゆる「3年ルール」です。

この同じ事業所という定義は、同じ会社の中でも別の課であれば別の職場とみなされます。つまり、同一事業所の別の課に派遣されるのであれば、それは認められるということです。

派遣の抵触日というのは、この派遣期間が切れた翌日のことを指し、この抵触日を超えてしまうと法律違反となってしまいます。

出典:労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律 第四十条の二|e-Gov法令検索
参照:https://elaws.e-gov.go.jp/document?law_unique_id=360AC0000000088_20200601_501AC0000000024

抵触日の通知義務について

派遣法の改正により、派遣労働者に対して、派遣先企業も人材派遣会社にも抵触日の通知義務が生じました。これは事業所単位、個人単位の派遣期間制限を超えてしまうと法律違反になってしまうためであり、それを防ぐためです。

この抵触日の通知義務について、もう少し詳しく説明をしていきましょう。

出典:出典:労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律 第二十六条|e-Gov法令検索
参照:https://elaws.e-gov.go.jp/document?law_unique_id=360AC0000000088_20200601_501AC0000000024

派遣会社から派遣社員へ

人材派遣会社は、派遣労働者として派遣契約をする際、そのスタッフに対して抵触日を知らせる必要があります。通常は、抵触日を就労条件明示書に記載し、スタッフと派遣契約を結びます。

これは、個人単位での派遣期間制限では、派遣社員は同一の組織で働けるのは3年と決められており、丸3年が過ぎた次の日が抵触日となります。同一の組織の基準は「課」の単位で、同一企業内でも違う課であれば、就業が可能という意味です。

派遣先企業から派遣会社へ

派遣先企業が派遣会社と派遣契約を結ぶ際、書面や電子メールなどで事業所単位の抵触日を知らせる義務があります。その理由は、新たな派遣契約を結ぶ際に、事業所単位の抵触日を踏まえ、派遣できる期間を超えないようにするためです。

出典:労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律施行規則 第二十四条の二|e-Gov法令検索
参照:https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=361M50002000020

派遣の抵触日の種類について4つ

派遣の抵触日の種類には4つあります。先ほど抵触日の通知で触れた、個人単位と事業所単位の抵触日派遣期間制限があることに加え、その双方の関係性と派遣法改正施行前の契約がある場合です。

派遣の抵触日は、派遣労働者を受け入れる際に重要なポイントとなりますので、しっかりと把握及び通知する必要があります。

1:個人単位での抵触日と派遣期間制限がある

まず、個人単位での抵触日と派遣期間制限について説明しましょう。これは、個人単位では、同一の派遣先事業所で就業する際は、最長3年までと定めたものです。抵触日はこの期限の翌日を指し、延長は一切できません。

しかし、以下に該当する方については、派遣期間制限を受けないのでよく確認をするようにしましょう。

・60歳以上の人
・派遣会社に無期雇用されている人
・終期のある有期プロジェクト業務で働く人
・日数限定業務(1カ月の勤務日数が通常の労働者の半分以下かつ10日以下である)の人
・介護休業、産前産後休業、育児休業を取得する労働者の業務をする人

出典:派遣受入期間の制限について|厚労省
参考:https://www.mhlw.go.jp/shingi/2008/05/dl/s0530-8b.pdf

2:事業所単位での抵触日と派遣期間制限がある

事業所単位での抵触日は、その派遣期間制限の切れた翌日が抵触日となります。派遣期間制限は、同じ派遣先企業に対し派遣できる派遣可能期間は3年が限度と定められています。

しかし、個人単位の場合と違い、派遣先企業が派遣会社から派遣社員の継続的な受け入れを希望する場合には延長が可能です。その際には、延長手続きが必要となります。延長手続きの方法については、派遣先企業での注意ポイントで詳しく解説します。

3:個人と事業所との派遣期間制限の関係性について

個人の派遣期間制限よりも、事業所の派遣期間制限が優先されます。

つまり、派遣社員の派遣期間がまだ残っていたとしても、事業所の派遣期間の終了に伴って働けなくなるのですが、企業の派遣可能期間が延長されれば、継続して働くことが可能となります。

出典:派遣で働く皆様へ| 厚生労働省
参照:https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11650000-Shokugyouanteikyokuhakenyukiroudoutaisakubu/0000204879.pdf

4:派遣法改正が施行される以前に契約がある時について

改正派遣法施行日前に結ばれた契約が残っている場合についてですが、その契約が終了した後に、新たに結ぶ契約から改正派遣法による期間の制限対象となります。その際には、抵触日の確認を忘れずに行うことが大切です。

出典:派遣先の皆様へ|厚生労働省
参照:https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11650000-Shokugyouanteikyokuhakenyukiroudoutaisakubu/0000196406.pdf

派遣先企業での注意するポイント4つ

派遣労働者に関して、抵触日の把握が重要ということがお分かりいただけたところで、次に、派遣先企業側が注意しておかなければならないポイントについて解説します。

抵触日の通知はもちろんですが、それ以外にも確認する必要のあるものが4つあります。

1:延長手続きをする場合について

派遣先企業が、抵触日以降も派遣労働者を受け入れたい場合には、その抵触日を迎える前に延長手続きを行う必要があります。

この延長手続きの詳しい流れについては次にご紹介します。

2:派遣期間制限を延長したい時について

事業所単位の派遣期間制限を延長したい時ですが、その該当する事業所の過半数の労働組合、労働組合がない場合においては、過半数の代表者に対して、抵触日の1カ月前までに意見を聴取することで延長が可能です。

ここで注意しなければならないのが、本店で延長の手続きを一括で行うだけではいけない点です。事業所が各支店、営業所の場合、意見聴取は各支店、営業所ごとに行う必要があるからです。

この派遣期間制限に延長回数の制限は設けられていません。延長手続きを行えば、都度派遣社員を派遣し続けてもらうことができます。

出典:労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律 第三十条の二
参照:https://elaws.e-gov.go.jp/document?law_unique_id=360AC0000000088_20200601_501AC0000000024

3:抵触日を過ぎても同じ派遣社員を雇用したい時について

抵触日を過ぎても同じ派遣社員を雇用したい時は、派遣先企業は派遣社員に対して直接雇用の申し込みをする必要があります。その意味とは、派遣社員としてではなく、今後は自社の直接雇用の社員として雇用する必要があるということです。

直接雇用としては、正社員の他に契約社員、パート社員も含まれますので、その派遣社員の働き方の希望も聞き、両者合意の上で契約を結ぶ必要があります。

4:契約期間以降の相談にも対応する

派遣先企業は、契約期間以降の相談にも対応するようにしましょう。例えば何らかの労働災害などトラブルが生じた場合には、派遣会社と連携を取る必要があるからです。

また、契約期間が切れたとしても、また派遣労働者を必要とする時が来るかもしれません。その時に備えるためにも、派遣会社からの相談には対応し関係性を築いておくことが大切です。

抵触日を迎えた派遣社員の雇用について3つ

派遣社員が抵触日を迎えた際、もうその課で継続して働くことができないわけですが、今後その派遣社員はどのような方法で働くのでしょうか。その3つの方法を順にご紹介しましょう。

1:派遣先企業で直接雇用をする

先ほど、派遣企業の注意ポイントでも解説しましたが、抵触日を迎えた派遣社員を雇用したい時は、派遣先企業はその派遣社員に対して直接雇用の申し込みをする必要があります。

これは、派遣会社に対して派遣終了後の雇用を継続させるために、労働者派遣法で定められている「雇用安定措置」によるもので、同じ派遣先事業所に3年派遣される見込みとなった時点で、派遣会社から直接雇用を受けることができる規定です。

ですから、抵触日を迎えた派遣社員に今後も継続して勤務してほしい場合には、派遣先企業は直接雇用の選択をする必要があります。

出典:派遣元事業主の皆さまへ|厚生労働省
参照:https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11650000-Shokugyouanteikyokuhakenyukiroudoutaisakubu/0000097166.pdf

2:派遣先企業の別の課で雇用する

抵触日に該当した派遣社員は、同一派遣先企業でも別の課で雇用してもらうことは可能です。というのも、派遣の期間制限でいう「同一組織」の考え方が、同一会社ではなく「同一の課」という意味だからです。

具体的に言えば、営業課で働いていた派遣社員が抵触日を迎える前に、総務課など違う課に異動をすれば、この期間制限には当たらないということです。ですから、異動した課でまた3年間働くことが可能になります。

3:別の派遣先企業で雇用してもらう

今まで働いていた企業ではなく、全く別の派遣先企業で雇用してもらうという方法もあります。

先ほどご紹介した、同一企業の別の課に異動することで、今まで培ってきたスキルを活かせなくなる可能性よりも、そのスキルが活かせる経験したことのある課で働きたい方は、こちらの方法を取るのもありかもしれません。

労働者派遣法について3つ

さて、派遣労働者の抵触日について、派遣先企業の注意するべきポイントについて解説してきましたが、労働者派遣法についてもきちんと把握しておく必要があります。

派遣労働者を派遣する上で知っておかなければならない内容ですので、よく確認しておきましょう。

1:計画的なキャリアアップや教育訓練などの実施をする

2015年の派遣法改正に伴って派遣労働者のキャリアアップ措置の義務が課せられました。これは、派遣元の企業に対し、派遣社員がキャリアップできるよう教育訓練やキャリアコンサルティング窓口を設けたり、相談窓口を作ったりすることなどを義務化したものです。

派遣会社は、これらを踏まえて派遣社員のキャリアップができる体制を整えることが重要です。

出典:キャリアアップ措置や雇用安定措置等の派遣元の責務が強化されます|厚生労働省
参照:https://www.mhlw.go.jp/content/000700279.pdf

2:労働者派遣事業は許可制に変わった

派遣法の改正によって、労働者派遣事業は届出制から許可制に変わりました。つまり、届出をすれば認められる方式から、用件を満たしている事業所に限って許可を出すという方式に変わりました。

刑事罰などの法に触れていない、派遣事業を適正に遂行できる能力があるなど、全部で7つの要件があります。また、事業の認可についても条件がいくつかありますので確認するようにしましょう。

出典:労働者派遣事業の許可制について|厚生労働省
参照:https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/000633822.pdf

3:派遣期間制限が原則上限3年に変わった

改正派遣法では、派遣労働者の受入れ期間に「抵触日」を設け、派遣労働者の受入れ期間を3年間に限定するように変更になりました。

抵触日という制限が設けられたことにより、抵触日を超えても派遣労働者を受け入れたい場合には、その日を迎える前に延長手続きを行う必要があります。

出典:労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律 第四十条の二|e-Gov法令検索
参照:https://elaws.e-gov.go.jp/document?law_unique_id=360AC0000000088_20200601_501AC0000000024

派遣労働者の抵触日について理解を深める

いかがでしたか。派遣労働者を受け入れるにあたり、事業所単位と個人単位の抵触日を把握することの重要性がお分かりいただけたかと思います。

今後、派遣労働者を受け入れを希望する場合には、ここで得た情報によってより満足のいく雇用関係を結ぶための参考にしてください。

この記事の監修者・著者

株式会社オープンアップITエンジニア
株式会社オープンアップITエンジニアAWSパートナー/Salesforce認定コンサルティングパートナー 認定企業
ITエンジニア派遣サービス事業を行っています。AWSやSalesforceなど専門領域に特化したITエンジニアが3,000名以上在籍し、常時100名以上のITエンジニアの即日派遣が可能です。

・2021年:AWS Japan Certification Award 2020 ライジングスター of the Year 受賞
・2022年3月:人材サービス型 AWSパートナー認定
・AWS認定資格保有者数1257名(2023年7月3日現在)
・Salesforce認定コンサルティングパートナー
・Salesforce認定資格者295名在籍(2023年7月3日現在)
・LPIC+CCNA 認定資格者:472 名(2022年4月1日時点)
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