派遣先企業は必見。同一労働同一賃金の違反のポイントと判例について
同一労働同一賃金が導入されると、正規雇用労働者と派遣労働者間の待遇差に合理的な理由が認められない場合は違法とみなされる場合があります。
現時点では、同一労働同一賃金制度にはまだ不確定な部分も多くありますが、派遣先企業としては法令違反を防ぐため、違反となってしまう事例については把握しておいて損はありません。
では、どのような事例が違反と判断されるのか、考えられる具体的なケースと過去に違法と認められた判例についてご紹介します。
※2019年9月作成記事
同一労働同一賃金に違反するポイント
正規雇用労働者と派遣労働者の間に待遇差があっても、合理的な理由があれば違反とは見なされません。
厚生労働省が発表した「同一労働同一賃金ガイダンス」から、問題のない事例と問題となる事例を紹介します。
問題のない例
・キャリアコースを選択し、高い能力を習得した正規雇用労働者とその能力を習得していない派遣労働者の基本給に違いがある。
・業績への貢献度が同等の正規雇用労働者と派遣労働者に同一の賞与を与える。
問題となる例
・正規雇用労働者に「社歴が長い」などの経験を理由に、派遣労働者よりも多くの基本給を支給しているが、業務と正規雇用労働者の経験に関連性がない場合。
・正規雇用労働者には、職務内容や業績への貢献度に関わらず何らかの賞与を与えているが、派遣労働者には与えていない。
・正規雇用労働者に派遣労働者よりも食事手当を高く支給している。
※出典:厚生労働省「同一賃金同一労働ガイドライン」
ハマキョウレックス事件
「ハマキョウレックス事件」とは、2018年に判決が下りた同一労働同一賃金に関連する訴訟です。
有期雇用労働者として働く配送ドライバーが、正規雇用労働者との間にある手当などの待遇差が不当であると訴えたものです。
最高裁判所は、雇用形態の違いに関わらず、配送ドライバーとしての職務内容に違いがなければ、正規雇用労働者と待遇差を設けていることは不合理であると判断しました。
正規雇用労働者には全国規模の異動の可能性があり、有期雇用労働者にはその可能性がないため、住宅手当に関する待遇差については、合理的な理由があると認められました。
しかし、そのほかの皆勤手当、無事故手当、作業手当、給食手当、通勤手当の待遇差については不合理であり、有期雇用労働者にも同等に支給すべきであるとの判決が下りています。
※出典:厚生労働省「紛争解決に役立つ勤務形態の差異に基づく 処遇格差に係る法令・裁判例等の動向 について」
正規雇用労働者との待遇差に合理的な理由があるかの確認を
厚生労働省の同一労働同一賃金ガイドラインには、上記で紹介したもの以外にも起こり得る正規雇用労働者との待遇差に関する事例が掲載されています。
ハマキョウレックス事件の判決に示されたように、職務内容に差異がなければ待遇の差は認められません。
自社において、雇用形態ごとの待遇差が合理的なものであるか、事例と照らし合わせて確認しておきましょう。
この記事の監修者・著者
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ITエンジニア派遣サービス事業を行っています。AWSやSalesforceなど専門領域に特化したITエンジニアが3,000名以上在籍し、常時100名以上のITエンジニアの即日派遣が可能です。
・2021年:AWS Japan Certification Award 2020 ライジングスター of the Year 受賞
・2022年3月:人材サービス型 AWSパートナー認定
・AWS認定資格保有者数1257名(2023年7月3日現在)
・Salesforce認定コンサルティングパートナー
・Salesforce認定資格者295名在籍(2023年7月3日現在)
・LPIC+CCNA 認定資格者:472 名(2022年4月1日時点)
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