OpenStackとは?AWSの違いやそれぞれのメリット・デメリットをご紹介
IT・技術関連
更新日:2024.09.05


OpenStackとは?AWSとの違いは?
OpenStackとは、AWSに近いクラウド環境を無料で自由に構築できるソフトウェア群です。
AWSとの大きな違いは、自前の環境に構築できる点とオープンソースソフトウェアである点です。サポートが充実したAWSと違い、構築、運用には知識や技術が要求されますが、自由度の高い独自のクラウド環境が構築できるのがOpenStackの魅力でしょう。
この記事では、OpenStackの機能や構成、OpenStackを利用するメリットとデメリットなどを、AWSとの違いや類似する点などに着目しながら紹介していきます。
OpenStackの機能・構成

Nova(仮想サーバーを管理するコンポーネント)
OpenStackで、コンピュートリソース(仮想サーバーの作成管理など)を担当するのは、Novaです。 これは、AWSでいうところのAmazon EC2(Elastic Compute Cloud)に相当するもので、ハイパーバイザ(仮想マシンを管理するOSのようなもの)によって、仮想マシンの管理を行う、クラウドサービスの中核となるコンポーネントです。 OpenStackのNovaとAWSのEC2の違いは、このハイパーバイザの選択の幅が広いことが挙げられます。Novaでは、通常よく用いられるKVMの他にも、EC2のハイパーバイザのベースとなったXenServer、VMWare、vSphereなど多様な選択肢が用意されています。Swift(ストレージを提供するコンポーネント)
OpenStackで、ストレージ提供を担当するのは、Swiftです。 複数ホストのストレージを統合して、一つのストレージとする機能を持つコンポーネントで、AWSではAmazon S3(Simple Storage Service)に相当します。 なお、SwiftはCloud Filesという商用サービスがベースとなっているため、OpenStackのために開発されているNovaなどと違い、技術的に枯れていて安定しているという特徴があります。Glance(仮想マシンイメージを管理するコンポーネント)
OpenStackで、仮想マシンイメージ管理を担当するのは、Glanceです。 これは、AWSでいうところのAmazon AMI(Amazon Machine Image)に相当するもので、仮想マシンのイメージを管理して、前述のNovaとSwiftなどのオブジェクトストレージサービスとの間で、入出力を制御します。 対応するオブジェクトストレージサービスは、Swiftをはじめ、Amazon S3やローカルファイルシステムまでカバーしています。Keystone(認証機能を提供するコンポーネント)
OpenStackで、統合認証機能を担当するのは、Keystoneです。 これは、AWSでいうところのAmazon IAM(Identity and Access Management)に相当するもので、ユーザー認証管理と各コンポーネント間の相互認証管理をエンドポイント管理などを行います。Horizon(Web管理用コンソール)
OpenStackで、Webブラウザーベースの管理コンソール機能を提供するのは、Horizonです。 これは、AWSでいうところのAWS Management Consoleに相当するものです。開発当初はサポート範囲がNovaのみであったり、日本語に対応していないなどの弱点もありましたが、現在ではサポート範囲は大幅に広がり、日本語にも対応しています。OpenStackのメリット

メリットその1:低コストで構築運用できる
OpenStackは、前述の通りオープンソースソフトウェアであり基本的に無料で利用できるので、低コストでの構築、運用が可能です。 AWSのような商用サービスと違い、各コンポーネントの使用料金などもかかりませんので、自前の環境さえあれば、あまりお金をかけずに、AWSに近い機能を持つクラウド環境を用意することができます。 ただし、オープンソフトウェアであるために、手厚いサポートは期待できませんので、構築するにはOpenStackやハードウェア、ミドルウェアに精通した技術者が必要ですし、一定の知識を有した運用担当者も必要になります。 それらのコストも考慮してOpenStackを利用するか、AWSを利用するかを慎重に検討する必要があるでしょう。メリットその2:自由度が高いクラウドサービスを構築できる
OpenStackはオープンソースソフトウェアなので、必要最小限の無駄のない構成で構築したり、独自にカスタマイズして利用することもできます。 また、現在は様々なハードウェアがOpenStackに対応していますので、OpenStackを利用すればソフトウェア面だけでなく、ハードウェアの面でも選択の幅が広がります。メリットその3:独自のクラウドサービスを構築できる
OpenStackは自前の環境に構築するクラウドサービスですので、独自のクラウドサービスとして運用することができます。 Amazonが運営するAWSと違い、完全に独立したクラウドサービスとなりますので、技術面でも、技術以外の事情でも、他社の影響を受けにくいサービスを構築することができます。OpenStackのデメリット

デメリットその1:かえって高くつく場合もある
OpenStackを選択したものの、自力で構築、運用できなかった場合、かえって高くついてしまう場合もあります。 そのような状態になった時の解決策としては、構築、運用を他社に依頼するか、有償のディストリビューションなどを購入して、サポートを受けるなどの対応が必要になります。いずれの場合も料金が発生しますので、思わぬ出費を強いられることになるでしょう。 色々と対策した結果、トータルのコストでは、AWSを選択した場合よりも高くついていたというようなことにもなりかねません。事前にOpenStackを構築、運用できるだけの環境が整っているかを慎重に検証しておきましょう。デメリットその2:手厚いサポートは期待できない
OpenStackは、オープンソースソフトウェアですので、構築中や運用中に何かトラブルが発生しても十分なサポートが得られないこともあるでしょう。 OpenStackは、サポートや教育プログラムが充実しているAWSと違い、トラブルやわからないことがあっても基本的に自力で解決するしかありません。 コミュニティのサポートなども存在しますが、AWSのような手厚いサポートは期待できません。あくまで自力で解決するための助けになる程度のものであると認識しておきましょう。OpenStackのメインターゲットは大企業

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この記事の監修者・著者

- AWSパートナー/Salesforce認定コンサルティングパートナー 認定企業
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ITエンジニア派遣サービス事業を行っています。AWSやSalesforceなど専門領域に特化したITエンジニアが4,715名在籍し、常時100名以上のITエンジニアの即日派遣が可能です。
・2021年:AWS Japan Certification Award 2020 ライジングスター of the Year 受賞
・2022年3月:人材サービス型 AWSパートナー認定
・AWS認定資格保有者数1,154名(2024年6月現在)
・Salesforce認定コンサルティングパートナー
・Salesforce認定資格者276名在籍(2024年5月現在)
・LPIC+CCNA 認定資格者:472 名(2024年6月時点)
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