AWS CentOSとは?メリットや操作手順について徹底解説!


日本ではCentOSが選ばれる
Amazon EC2でLinuxサーバーを使うことになった場合、CentOSを考える方が多いのではないでしょうか。
AWSで使えるLinuxとしては、Webサイト用サーバーとして選ばれることの多い、Ubuntu、CentOS、Debianの3つのディストリビューションが挙げられます。
この3つの中で、日本で選ばれることが多いのがCentOSです。では、なぜCentOSが使われるのでしょうか。次から、CentOSが選ばれる理由について解説します。
RHELとの互換性
無料で使えるOSとして有名なLinuxですが、日本ではパフォーマンス性能が要求される用途向けのOSとして、主に企業で使われていました。
そのため、就職してインフラエンジニアになった方にとって、使い慣れているLinuxがRed Hat Enterprise Linux(RHEL)です。
しかし、Webサーバーとして利用する場合、費用がかかるRHELはサーバー用OSに向いていません。
その点、RHELと機能的に互換性があるCentOSなら、無料で使えるうえ、RHELでLinuxを学んだインフラエンジニアが管理できます。これが、日本でCentOSが支持される理由です。
CentOSは安定版のサポート期間が長い
AWSに限らず、CentOSがサーバー用OSとして利用されるもう1つの理由が、安定版のサポート期間の長さです。例えば、2014年に登場したCentOSバージョン7は、2024年までサポートされます。
そのため、過去に使われていたCentOSバージョン6も利用された期間が長いことから、このバージョンでLinuxのメンテナンスを学んだインフラエンジニアもたくさんいます。
ただし、CentOSのこの方針は、CentOSバージョン8以降では変更になっています。これまでのような長いサポートが期待できないので、これから利用を考えている方は、最新情報をチェックしてください。
CentOSでもRHELのアップデートが利用可能
RHELは、多くのオープンソースのプログラムやライブラリによって構成されており、それらの更新に合わせて、短期間にアップデートが公開されています。インフラエンジニアなら、Webサーバーへの影響をチェックし、必要に応じてアップデートを適用した経験があるでしょう。
そして、CentOSはRHELとの互換性が特徴のディストリビューションです。そして、RHELのアップデートが出ると、それに追随してCentOS用のアップデートも公開されます。
そのため、RHELと同じ安定性が期待できる点も、CentOSのメリットです。
また、OSのアップデートのインストールに利用する管理コマンドも、RHELと同じyumが使われており、AWSの環境からも、yumコマンドでOSのアップデートが可能です。
Amazon EC2にCentOSを設定する方法
AWSにはAWS marketplaceという仕組みがあり、そこにAmazon EC2にインストールできるオペレーティングシステムがあらかじめ用意されています。
そして、その中にCentOSのインストールイメージが用意されているので、この仕組みを利用することで簡単に設定が可能です。
さらに他にも、CentOSの公式サイトから特定のバージョンのCentOSを設定する方法もあります。このため、本番環境に必要なバージョンに合わせてインストールするCentOSを選択することも可能です。
次から、Amazon E2にCentOSを設定する方法を解説します。
AWS marketplaceのCentOSを利用する
Amazon EC2でCentOSを利用する際、使いやすい方法がAWS marketplaceの利用です。
なお、AWS marketplaceは、AWSを利用するカスタマー向けに有償または無償のソフトウェアを提供する仕組みで、もちろんCentOSは無料で利用できます。
ただし、AWS marketplaceで用意されているCentOSは、バージョン7です。また、最初のバージョンの最小構成がインストールされるので、必要に応じてパッケージを追加したり、最新版へのアップデートなどを実施しなければなりません。
CentOSの公式サイトからAWSに設定する
AWSでCentOSを利用する場合、CentOSの公式サイト経由で設定することも可能です。
なお、CentOSを開発しているThe CentOS Projectでは、公式サイトでクラウド向けのイメージを提供しています。そして、そのイメージを活用することで、Amazon EC2からも利用可能です。
具体的には、CentOSの公式サイトのダウンロードサイトの「Cloud and container images」に、「Amazon Web Services」のリンクをクリックしてください。
すると、The CentOS Projectで用意しているリストが表示されます。そして、そこからバージョンやリージョンを指定して、設定してください。
CentOSの設定手順
AWSにインストールするCentOSのイメージを選択すると、その後、簡単な手順で使用可能になります。ただし、そのCentOSがすぐにWebサーバーとして使える訳ではありません。メディアからインストールした直後のように、OSの設定が別途必要です。
次からAWSでCentOSが使えるようになった後に必要になる操作と、そのための設定について解説します。
sshで接続する
クラウド上のWebサーバーを設定するために、よく利用される方法がsshによる接続です。なお、sshとは、Secure Shellの省略形で、リモートで安全にコンピュータと通信するためのプロトコルです。
CentOSでは、sshで接続することで、コンソールやターミナルを開いたのと同じように、コマンドが実行できます。
なお、sshで接続する場合、Windows10のコマンドプロンプトやlinuxやmacOSのターミナルからsshコマンドが実行できますが、履歴を保存できるターミナルアプリの利用がおすすめです。
ssh接続で準備するもの
sshで接続するためには、次の3つが必要です。
1. プライベートキーのファイル
2. インスタンスのユーザー名
3. インスタンスのDNS
まず、プライベートキーは、AmazonEC2コンソールからキーペアを作成して取得しておいてください。また、インスタンスのDNSも、AmazonEC2コンソールでチェックできます。
なお、ユーザー名は、AWS marketplaceから設定した場合は「centos」で、CentOSの公式サイトから設定した場合は「root」です。
sshによる接続例 $ ssh -i my-key-pair.pem *****.amazon.jp
sshによる最初の設定
もし、最初のsshの接続にrootで成功した場合、必ず操作用のアカウントを作成して、以後の操作をそのアカウントで行ってください。さらに、rootに対して、sshで接続できないように設定しておきましょう。
sshのrootのログイン拒否設定 $ vi /etc/ssh/sshd_config PermitRootLogin no $ /etc/init.d/sshd restart
sshの設定は、/etc/ssh/sshd_configに記述します。このファイルの「PermitRootLogin」を「no」に設定してください。また、その後、必ずsshdデーモンの再起動も忘れないようにしましょう。
まとめ
日本では、LinuxのWebサーバーといえば、CentOSが使われるのが一般的です。そして、AWSのAmazon EC2では、CentOSを選択でき、しかも、Centosの公式サイトから設定すれば、特定のバージョンを指定して設定することもできます。
しかも、sshさえ使えればAmazon EC2に設定したCentOSの初期設定は難しくありません。
AWSでLinuxサーバーを設定する必要があるのなら、RHELと互換性があるこで信頼性が高い、CentOSの利用を検討してみませんか。
この記事の監修者・著者

- AWSパートナー/Salesforce認定コンサルティングパートナー 認定企業
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・2021年:AWS Japan Certification Award 2020 ライジングスター of the Year 受賞
・2022年3月:人材サービス型 AWSパートナー認定
・AWS認定資格保有者数1,154名(2024年6月現在)
・Salesforce認定コンサルティングパートナー
・Salesforce認定資格者276名在籍(2024年5月現在)
・LPIC+CCNA 認定資格者:472 名(2024年6月時点)
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