AWSのリザーブドインスタンスとは?契約時の注意点や特徴をご紹介


AWSとは
AWSというのは、Amazonから提供されている100種類以上のクラウドコンピューティングサービスのことを指します。正式名称を、Amazon Web Servicesといいます。
クラウドコンピューティングというのは、インターネットを通じて、ストレージ・サーバー・データベース・ソフトウェアなどのコンピューターを使ったサービスを使うことです。
クラウドコンピューティングならば、1台のパソコンとインターネット環境があれば、サーバーやストレージ、データベースを必要なだけ使用できます。
料金体系
AWSでは、使用した時間によって金額の決まる「オンデマンドインスタンス」と呼ばれる料金体系が主となっています。
そんな中、長期間の利用契約をすることによって料金が割安となる「リザーブドインスタンス」も、ここ最近では注目が集まっています。
ですが、リザーブドインスタンスの方がお得ということは分かっていても、仕組みが少し複雑なため、導入に二の足を踏んでいる方が多いようです。
この記事では、AWSのリザーブドインスタンスの概要、活用例について説明していきます。導入を検討している方は是非とも参考にしてみて下さい。
リザーブドインスタンスとは
AWSリザーブドインスタンスというのは、長期間の利用契約をすることによって、料金が割引されるサービスのことを指します。
特定したインスタンスが割引されるのではなく、インスタンスのスペック等を選ぶことで、その選択に合致したインスタンスの割引が自動で行われます。
1年もしくは3年の契約となっていて、契約した年数によって割引率が決まるというシステムです。ちなみに割引率は、インスタンスの支払い形態や種類によって変わります。
対象となるサービス
割引の対象となるサービスは6種類となっており、サービスによって使用や名称が変わります。
「Amazon EC2」「Amazon RDS」「Amazon ElasticSearch Service」の場合はリザーブドインスタンスとなります。
「Amazon ElastiCache」の場合はリザーブドキャッシュノード、「AmazonDynamoDB」の場合はリザーブドキャパシティ、「Amazon Redshift」の場合はリザーブドノートです。
この記事では主に「Amazon EC2」のリザーブドインスタンスに関する解説をしていきます。
リザーブドインスタンスの種類
「Amazon EC2」のリザーブドインスタンスには、スタンダードとコンバーティブルの2種類があります。
スタンダードの場合、割引率が高い代わりに、他のインスタンスファミリーへの変更ができません。
コンバーティブルの場合、作成した時の価格以上の物ならば、インスタンスを変更することができます。スタンダードと比べて割引率は低くなります。
それぞれの特徴に鑑みて、自分に合った種類を選んで下さい。
リザーブドインスタンスのリスク
AWSリザーブドインスタンスは料金が割安となる実にお得なサービスです。しかし契約期間が長いため、使用していないインスタンスの料金も発生してしまうというリスクも考えられます。
そういったリスクをできるだけ減らすためには、常に稼働しているインスタンスのみリザーブドインスタンスとして、アクセス数によって増減するインスタンスをオンデマンドインスタンスとすると良いでしょう。
AWSリザーブドインスタンスの特徴
AWSリザーブドインスタンスを使用する上で、覚えておきたい特徴が3つあります。
契約期間が1年間か3年間の2種類となっていること、オンデマンドと比べて割引率が高いということ、支払いのパターンに種類が3つあることです。
サービスを使いこなすためには、正しい知識を身につけて理解を深めることが大切です。それでは1つ1つ説明していきます。
契約期間
AWSリザーブドインスタンスの契約期間は、1年か3年の2種類となっています。3年間の契約をすれば、1年間の契約をした場合より多くの割引を受けることができます。
ただし、購入した後のキャンセルは不可能なため、長期的な計画を立てておく必要があります。初めての利用の場合は1年間の契約での利用がおすすめです。
割引率
AWSリザーブドインスタンスを使用すると、オンデマンドインスタンスと比べて、72%までの割引が可能となります。
割引率の一番低いコースでも、オンデマンドと比べて37%もの料金が割引されます。このように、リザーブドインスタンスを使うことにより、低リスクで大幅なコスト削減が可能です。
支払いパターンの種類
AWSリザーブドインスタンスの料金を支払うパターンには3つの種類があります。「全てを前払い」「一部を前払い」「前払い無し」の3種類となっています。
割引率は「全てを前払い」の場合が一番高く、次が「一部を前払い」で、最後が「前払い無し」となります。3つの種類の支払いパターンから、自分に適したパターンを選択することができます。
AWSリザーブドインスタンスを契約する際の注意点
AWSリザーブドインスタンスの契約をする際の、注意するべきことについて説明します。
1つは、契約することで課金の体系が変わることです。サービスが稼働していない時でも契約期間内は料金が発生してしまうので注意が必要となります。
もう1つは、柔軟性が無くなってしまうことです。インスタンスタイプの指定をして購入するので、指定した範囲外のタイプに、スペックなどを変更することができなくなります。
なお、ここでいう指定には、インスタンスタイプ、インスタンスファミリー、リージョン、OS、テナンシー、アベイラビリティーゾーンなどが含まれます。
これらの指定をして購入するので、他のリージョンやインスタンスに対しAWSリザーブドインスタンスの適用をしたい場合、新しく購入しなければいけません。
Savings Plansとリザーブドインスタンス
Savings Plansというのは、2019年の11月に生まれた割引料金モデルのことです。リザーブドインスタンスと同じく、1年間または3年間の利用契約によって割引を受けることができます。
ただしリザーブドインスタンスと、利用できるサービスが異なります。Savings Plansの対象となっているのは「Amazon EC2」と「Fargate」そして「AWS Lambda」の3種類です。
また、Savings Plansのプランには「Compute Savings Plans」と「EC2 Instance Savings Plans」の2種類があります。どちらのプランでもSavings Plansならば、インスタンスタイプの指定やアベイラビリティーゾーンの指定をする必要が無くなります。
さらに、Compute Savings Plansの場合はインスタンスファミリーやリージョンを指定する必要もありません。リザーブドインスタンスと比べてSavings Plansは柔軟性に富んでいると言えます。
また、Savings Plansならば、稼働しているインスタンスに対してのみ料金が発生する仕組みです。
以上のことから、Savings Plansは使用するリスクが少ないため、初心者の方におすすめのサービスとなります。
また、Savings Plansとリザーブドインスタンスを併用した場合、割引が適用される範囲の狭いリザーブドインスタンスが優先されるので、無駄が出ないようになっています。
まとめ
この記事では、AWSリザーブドインスタンスの概要について説明しました。リザーブドインスタンスは、長期契約によって料金の削減ができるというサービスです。きちんと管理すれば、大幅なコストの節約が実現可能となります。
興味を持たれた方は、是非ともリザーブドインスタンスを実際に活用してみて下さい。
この記事の監修者・著者

- AWSパートナー/Salesforce認定コンサルティングパートナー 認定企業
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ITエンジニア派遣サービス事業を行っています。AWSやSalesforceなど専門領域に特化したITエンジニアが4,715名在籍し、常時100名以上のITエンジニアの即日派遣が可能です。
・2021年:AWS Japan Certification Award 2020 ライジングスター of the Year 受賞
・2022年3月:人材サービス型 AWSパートナー認定
・AWS認定資格保有者数1,154名(2024年6月現在)
・Salesforce認定コンサルティングパートナー
・Salesforce認定資格者276名在籍(2024年5月現在)
・LPIC+CCNA 認定資格者:472 名(2024年6月時点)
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