AWS Device Farmとは?利点と利用方法も紹介します!


「AWS Device Farm」とは?
「AWS Device Farm」とは、モバイルアプリを実機でテストできるAWSサービスです。 仮想的なエミュレータを用いるのではなく、実際のモバイル端末で物理的にテストできます。またモバイルアプリに加えて、Webアプリも様々なブラウザ上でのテストも可能です。 「AWS Device Farm」サービスの概要や特徴について解説していきます。
「AWS Device Farm」の特徴
「AWS Device Farm」の特徴は、開発したモバイルアプリケーションをAWS上にアップロードするだけで、リモートで用意されているモバイル端末の実機でテストを実行できる点です。
そのためモバイルテスト実施のために、様々な種類のモバイル端末を手配する必要がありません。またテスト環境の構築やモバイル端末にアプリケーションをデプロイする作業も不要です。
テスト結果のエビデンスとして、テスト操作の動画や操作結果のスクリーンショット等を取得することも可能です。
またWebブラウザ上でのモバイル端末のタッチ操作(スワイプ、ジェスチャー等)することで、実際のモバイル端末を操作するのと同様のテストが可能です。
「AWS Device Farm」を利用する理由とは?
「AWS Device Farm」を利用する理由は、複数キャリアごとのモバイル端末のモデル数の増加やOSのバージョン違い等によるテストケース複雑化に対応し、アプリケーションの品質を担保するためです。
複数のモバイル端末が増加しても、「AWS Device Farm」が端末の違いに影響しない共通のテストプラットフォームとなるため、コスト削減も実現できます。
またテストツール用のテストスクリプトを活用してテストを自動化することで、テスト工程を迅速化することができます。
その他にも、アプリケーションの不具合の再現、開発者だけではなく品質管理者やサービスサポート担当者による新機能の動作検証やトレーニングにも利用できます。
「AWS Device Farm」で利用できるデバイスの種類
「AWS Device Farm」で利用できるデバイス(モバイル端末、タブレット等)は、「iOS」、「Android」、「Fire OS」等の数多くのOSがあります。
対応するデバイスは順次増加しており、特に人気がある新デバイスがリリースされると、速やかにサポート対応されています。 iPhone等で新規OSのバージョンがリリースされるタイミングでも、同様に速やかに対応されています。
「AWS Device Farm」の利点
「AWS Device Farm」の利点は、顧客と同モデルのデバイスで動作検証できる点や、実際の端末での挙動を確認できる点等、多岐に渡ります。 これらの利点について、モバイル端末でテストする場合とWebブラウザでテストする場合に分けて解説していきます。
「AWS Device Farm」でのモバイルテストの利点1:ユーザのデバイスでのテスト
「AWS Device Farm」でのモバイルテストの利点の1つめは、ユーザと同一機種でのデバイスを使用してテストが可能な点です。
開発時に使用するエミュレータとは異なり、実機デバイスでのテストは、CPU使用率、メモリ、位置情報といった端末固有の情報や物理デバイスの多種多様な選択肢を利用しながらテストが可能です。
またデバイスメーカーや通信キャリアが、OSやファームウェアをアップデートした際の変更内容まで確認できるため、ユーザによる実際のアプリケーション操作を正確に再現してテストすることが可能です。
「AWS Device Farm」でのモバイルテストの利点2:修正サイクル高速化
「AWS Device Farm」でのモバイルテストの利点の2つめは、アプリケーションの不具合の再現、その修正のサイクルを高速化できる点です。 アプリケーションの不具合を手動操作で再現させた後に、自動テストを実施することで高速化します。
「AWS Device Farm」の機能により、操作画面の動画、実行ログ、性能値の情報等のテストの結果が提供されます。これらのテスト結果を分析することで、不具合問題を検証し、解決へと速やかに導くことが可能です。
このテスト自動化の際には、「AWS Device Farm」が発生したエラーの識別及びグルーピングしてくれるため、重大な問題のみを抽出しやすくなっています。
「AWS Device Farm」でのモバイルテストの利点3:ユーザ環境での試行
「AWS Device Farm」でのモバイルテストの利点の3つめは、ユーザが実際に使用しているものと同様の環境にて、各種テストを試行できる点です。
例えば、ユーザのアプリケーションデータ、ネットワーク接続状況、ユーザの位置情報等のテスト環境の情報を詳細に調整し、ユーザの操作している状況でアプリケーションの検証が可能です。
「AWS Device Farm」でのモバイルテストの利点4:最適なテストタイプ
「AWS Device Farm」でのモバイルテストの利点の4つめは、複数のテストタイプの中から最適なものを選択可能な点です。
例えば、「AWS Device Farm」で用意されているテストツール一式を活用してテストを実行したり、オープンソースのテストフレームワーク(「Appium」、「Calabash」、「Espresso」等)を利用してテスト内容をカスタマイズしたりすることが可能です。
またWebブラウザ上での操作情報をリモート先のデバイス実機に送信し、手動によるテストも可能となっています。
「AWS Device Farm」でのモバイルテストの利点5:ワークフローとの統合
「AWS Device Farm」でのモバイルテストの利点の5つめは、開発工程のワークフローと統合してテストを実行できる点です。
例えば、「AWS Device Farm」のプラグインとAPIを活用することで、「Jenkins」や「Android Studio」等のIDE(統合開発環境)及びCI(継続的インテグレーション)環境にて、コーディングからテストの自動実行までを一連のワークフローとして実行可能です。
「AWS Device Farm」でのWebブラウザテストの利点1
「AWS Device Farm」でのWebブラウザテストの利点の1つめは、複数のブラウザでテストを同時実行できる点です。 つまり複数のブラウザでのテストであっても、「AWS Device Farm」が適切にスケールアウトしてくれるため、並行実施による処理の遅延が発生せず、高速なテスト実行が可能となっています。
またスケールアウトによる特別な料金は発生しないため、実行時間の合計に応じた分だけ従量課金されます。
「AWS Device Farm」でのWebブラウザテストの利点2
「AWS Device Farm」でのWebブラウザテストの利点の2つめは、複数種類のブラウザとそのバージョンにてテストを実行できる点です。 具体的には、「Internet Explorer」、「Chrome」、「Firefox」等の複数種類のブラウザと、これらのブラウザの様々なバージョンにてテストを実行することが可能です。
「AWS Device Farm」の利用方法
「AWS Device Farm」の利用方法については、「コンソールへのサインイン」、「プロジェクトの作成」、「プロジェクト実行設定と開始」、「実行結果の表示」の順で実施していきます。
これらの利用方法の詳細について、順番に解説していきます。
手順1: コンソールへのサインイン
手順1として、最初に「Device Farm」コンソールへサインインします。 このコンソール画面では、テスト用のプロジェクト作成、プロジェクト実行や管理が可能です。
手順2: プロジェクトの作成
手順2として、テスト用のプロジェクトを作成します。 具体的には、先ほどのコンソール画面でプロジェクトを作成するよう求められるので、「Device Farm(Mobile Device Project)」を選択し、プロジェクト名を入力して、「Create project (プロジェクトの作成)」をクリックして作成します。
手順3:プロジェクト実行設定と開始
手順3として、プロジェクトの実行に関する設定を行った後に、プロジェクトを開始します。 テスト用のデバイスが利用可能になると、おおよそ数分以内に、「AWS Device Farm」はプロジェクトの実行を開始します。
手順4:実行結果の表示
手順4として、プロジェクトの実行結果をコンソール画面で表示させます。 「進行状況アイコン」が「結果アイコン」に変化したら、プロジェクトの実行は完了となります。 実行結果としては、テストの合計数、失敗したテストのアラート情報等があります。
「AWS Device Farm」の料金
「AWS Device Farm」の料金は、基本的には従量課金ですが、特にテスト対象となった「デバイス分」に基づいて算出されます。 この「デバイス分」というのは、テスト対象として選択されたデバイスごとのテスト実行時間になります。
また無料トライアル期間(1000デバイス分)が提供されているので、こちらを活用して効率的なモバイルテスト環境を構築してコスト削減を目指してみてはいかがでしょうか。]]>
この記事の監修者・著者

- AWSパートナー/Salesforce認定コンサルティングパートナー 認定企業
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ITエンジニア派遣サービス事業を行っています。AWSやSalesforceなど専門領域に特化したITエンジニアが4,715名在籍し、常時100名以上のITエンジニアの即日派遣が可能です。
・2021年:AWS Japan Certification Award 2020 ライジングスター of the Year 受賞
・2022年3月:人材サービス型 AWSパートナー認定
・AWS認定資格保有者数1,154名(2024年6月現在)
・Salesforce認定コンサルティングパートナー
・Salesforce認定資格者276名在籍(2024年5月現在)
・LPIC+CCNA 認定資格者:472 名(2024年6月時点)
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