AWSのKibanaとは?その利点と設定方法を解説します


AWSの「Kibana」とは?
AWSの「Kibana」とは、 「Amazon Elasticsearch Service」のデータを可視化及び分析するためのツールです。この「Amazon Elasticsearch Service」とは、「Elasticsearch」をAWS上でマネージドサービス化して提供しているサービスです。
アプリケーション実行時に生成されるログの分析機能、リアルタイムでの実行時モニタリング機能、「クリックストリーム分析機能」といった機能があります。
なお「Elasticsearch」とは、「Apacheプロジェクト」で開発されている「Lucene」という全文検索エンジンをベースとしたオープンソースの検索・分析エンジンのことです。
AWSが提供する「Kibana」の利点について
AWSが提供する「Kibana」の利点は、本来の「Kibana」の利点に加えてAWS上ならではの利点があります。
例えば、分析及び検索エンジンである「Amazon Elasticsearch Service」で「Kibana」を実行する場合は、完全マネージド型のサービスとして提供されています。そのため、デプロイ作業は自動的に行われ、クラスター増減管理等のサーバー関連作業はAWS側で実施してくれます。
その他の利点についても解説していきます。
「Kibana」の利点1:インタラクティブチャート
「Kibana」の利点1として、「インタラクティブチャート」があります。
「インタラクティブチャート」とは、インタラクティブで直感的な操作によって、大量のログデータが可視化されたチャート図やレポートのことです。
「インタラクティブチャート」では、マウスのみの操作でチャート図の時間軸を自由に変更可能です。
また特定のデータセットを対象としてデータの粒度を拡大や縮小したり、BIツールのようにレポートを「ドリルダウン(データの詳細化)」したりすることで、データの分析に役立てることが可能です。
「Kibana」の利点2:「地理空間情報」への対応
「Kibana」の利点2として、数値やテキスト情報の他に「地理空間情報」にも対応しており、地図データへの「マッピング」をサポートしています。
例えば、「特定の建造物(例:東京タワー)」といった情報を地図データの上に「地理空間情報」として重ねる(マッピングする)ことが可能です。
加えて、クエリ(例:東京タワー周辺1km以内のエリア)を発行し、その結果の「地理空間情報」を地図データ上にマッピングして可視化することも可能です。
「Kibana」の利点3:使いやすいダッシュボード
「Kibana」の利点3として、使いやすい「ダッシュボード」機能があります。
「ダッシュボード」には、データを集計して視覚化したグラフや図、クエリの実行結果といった検索情報といったコンテンツが表示されます。これらのコンテンツはカスタマイズすることができ、業務内容に応じて必要なグラフやクエリを設定することが可能です。
これらのコンテンツは、ダッシュボード内での配置やサイズ変更も容易に行なえます。またダッシュボードの設定情報を保存したり、レポートを作成したり、その設定情報を他のユーザーと共有することも可能です。
ダッシュボードの設定方法については、この後で解説します。
「Kibana」の利点4:集計とフィルターのメニュー
「Kibana」の利点4として、データの集計とフィルターのメニューが、Kibanaのダッシュボード画面に予め用意されています。
この集計メニューの具体例としては、「日付別ヒストグラム(柱状図)」、「一般データ用ヒストグラム」、「範囲指定集計」、「日付範囲指定集計」、「IPv4範囲指定集計」等があります。
またフィルターメニューの具体例としては、「amazon.com」を含むURLデータのみをフィルターする、また複数のフィルターを設定する、といったことが可能です。
「Kibana」ダッシュボードの設定方法について
AWSにおける「Kibana」ダッシュボードの設定方法について解説します。
具体的には、「Amazon Elasticsearch Service」に保存されたAWSのデータベースサービスである「Amazon Aurora PostgreSQL」と「Amazon Relational Database Service (RDS)」のデータを活用して、「Kibana」のダッシュボードに「視覚化」表示させます。
以下に、ダッシュボードの設定について詳細な手順を解説してきます。
ダッシュボード設定方法1:インデックスパターンを作成する
ダッシュボード設定方法1として、Kibanaでデータを検索しやすくするために「インデックスパターン」を最初に作成します。
「インデックスパターン」とは、検索するデータを絞り込むための指定方法です。例えば、2021年2月のデータベース上のデータを検索するためには、以下のようなインデックスパターンを作成します。
cwl--2021.02 *
具体的なインデックスパターンの作成方法は、最初にAWSのKibanaのナビゲーションパネルから、設定アイコンをクリックして「Management」画面を開きます。
次に、[Index Patterns] 、[Create index pattern] と順に選択していき、「*」のワイルドカードを付加した「cwl-*」をデフォルト・インデックスパターンとして入力します。
最後に、[Create index pattern] をクリックして、インデックスパターンを作成します。
ダッシュボード設定方法2:テキストフィールドを集計する
ダッシュボード設定方法2として、「テキストフィールド」を集計します。
この集計はデフォルト設定ではないため、集計を許可する設定変更が必要になります。
最初に、ナビゲーション画面で[Dev Tools] をクリックし、以下のコマンドを入力します。
PUT cwl-*/_mapping/?include_type_name=false { "properties": { "message": { "type": "text", "fielddata": true } } }
次に「シャード値」を設定します。インデックスごとに1個のシャードを許可するには、以下のように記述します。
PUT /_template/shards_per_index { "template": "cwl-*", "settings": { "index" : { "number_of_shards": 1, "number_of_replicas": 1 } } }
ダッシュボード設定方法3:データ検出機能で探索する
ダッシュボード設定方法3として、「データ検出機能」を利用してデータを探索可能です。
すべてのデータベースにアクセス可能となっており、インデックスパターンは「cwl-*」を使用します。また複数のデータベースから表示するには、インデックスパターンは「cwl- *」を設定します。
ダッシュボード設定方法4:ダッシュボードの作成
ダッシュボード設定方法4として、ダッシュボードを作成します。
ダッシュボードには、視覚化と検索に関する複数のコンテンツが表示されます。各コンテンツは、配置やサイズ変更等のカスタマイズが可能です。
ダッシュボードを設定するには、サービス画面の左側にある「ナビゲーションペイン」から[Dashboard] をクリックします。追加アイコンと各視覚エフェクトをクリックし、ダッシュボードパネルに追加していきます。
検出検索より保存した「視覚エフェクト」は、「Saved Search タブ」を使用して追加します。
AWS「Kibana」の利用料金
AWS上の「Kibana」の利用料金は、オープンソースのため「無料」です。
一方、Elastic社は、ElasticとKibanaのライセンスを変更するという発表がありました(Apache License 2.0から、商用利用を制限する「Server Side Public License」(SSPL)と「Elastic License」に変更)
この変更を受けて、AWS社はElasticsearchとKibanaをマネージドサービスとして提供するために、AWS自らがオープンソースのディストリビューションを作成する対応を取り始めました。
いづれにしても、AWS上で「Kibana」は引き続き無料で利用できるので、自社のデータ分析力の向上に活かしてみてはいかがでしょうか?
この記事の監修者・著者

- AWSパートナー/Salesforce認定コンサルティングパートナー 認定企業
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ITエンジニア派遣サービス事業を行っています。AWSやSalesforceなど専門領域に特化したITエンジニアが4,715名在籍し、常時100名以上のITエンジニアの即日派遣が可能です。
・2021年:AWS Japan Certification Award 2020 ライジングスター of the Year 受賞
・2022年3月:人材サービス型 AWSパートナー認定
・AWS認定資格保有者数1,154名(2024年6月現在)
・Salesforce認定コンサルティングパートナー
・Salesforce認定資格者276名在籍(2024年5月現在)
・LPIC+CCNA 認定資格者:472 名(2024年6月時点)
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