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AWSのCloud9での開発とは?利点10個や利用するステップも紹介

AWSエンジニア 更新日:2022.11.11
エンジニア採用
AWSのCloud9での開発とは?利点10個や利用するステップも紹介

AWSについて

AWSとは、Amazon Web Servicesの略で、Amazonが提供しているクラウドプラットフォームのことです。元々はAmazonが自社のコスト削減のために開発したものを、一般に提供してくれています。

AWSの特徴は、導入時にかかる初期投資や容量の使用計画といった面倒な作業が全て不要となり、すぐにプロジェクトに取り掛かれるなど、スピード感のある作業が期待できます。

Cloud9とは何か?

Cloud9とは、アプリケーション開発やデータベースなどを、クラウド環境で利用できるサービスのことです。

AWS Cloud9にはIDEの機能が付いており、アプリケーション開発にとって必要なツールや機能を全て兼ね備えているため、外部からのインストールやツールを購入する必要がありません。

ブラウザ上での操作になるため、端末の環境に左右されることなく使用できます。

IDEとは何か?

IDEは、「統合開発環境」の略で、様々なツールの集合体のことを指します。

本来、必要なアプリケーションをインストールして設定を進めるシステムを、このIDEでは、テキストエディタやデバッガーなどの機能を使って行うことが可能です。

また、様々な言語にも対応しており、アプリケーション開発等にとても役立ちます。先述のCloud9でも、このIDEを利用できます。

構築がクラウド環境のみで環境開発できる

Cloud9はクラウドベースのため、クラウド環境のみで開発環境が作ることができます。

IDEのおかげでアプリケーションの作成や実行、デバックなどに必要な機能を全て兼ね備えており、新たなプロジェクトの開発や外部からのインストールも必要ないため、会社・自宅を問わず、どこからでも作業が行えます。

また、ペアプログラミングも可能なため、チームと開発環境を共有し、プロジェクトを進めていけます。

エンジニアがAWSのCloud9で開発するための利点10個

世界中にシェアされているクラウドプラットフォームであるAWS Cloud9には、利点が多くあります。

例えば、「インターネット環境があればどこででも作業ができる」「ブラウザのみで利用できることから端末を問われにくい」「必要なツールが揃っているためすぐに切り替えが可能」、そして「40カ国語に対応している」などの利点が挙げられます。

他にも利点があるため、ここでは代表的なものを10個紹介していきましょう。

1:AWSのサービスに直接アクセスができる

AWS Cloud9には、AWSコマンドラインインターフェイスとともに開発された自動管理システムに対する、sudo権限を含む端末(ターミナル)が付いています。

この端末によって、コードのコンパイルやサーバーからのコマンド出力の表示などが実行できます。

また、ターミナルには事前認証を受けたAWSコマンドインターフェイスがインストールされているため、AWSのサービスを直接制御したり操作したりできます。

2:使用端末の環境に依存されない

一般的にIDEを使用すると、OSが対応していなかったり、動作が重くなったりする場合がありますが、Cloud9はAmazon側が用意したLinuxサーバー上で動作をするため、こちらの端末状態には左右されません。

もし、自分で持っているものが、タブレットやiPad、iPhoneだったとしても、PCと同じような状態で操作をしながら、アプリケーション開発を進められます。

3:ペアプログラミング作業を円滑にできる

IDEには、ペアプログラミングの機能も付いているため、データや作業の共有が容易です。また、共同作業中には、リアルタイムに相手のタイピングを確認することができるほど、タイムラグもありません。

Cloud9を利用する場合には、あらかじめ機能として組み込まれていたチャット機能を利用することで、IDEから離れずにチームと編集できます。

4:開発時間と場所に左右されない

一般的に、ローカル環境のIDEはそのPCでしか編集や開発はできませんが、Cloud9はブラウザさえ使うことができれば、どんな端末からでも操作が可能となります。

例えば、自宅のPCにプロジェクトを保存している場合でも、データはCloud9で管理されているため、外出先で違う端末になっても、AWSにアクセスして編集等を行えます。

場所も時間も自由に選べるため、効率の良い作業が期待されます。

5:ブラウザ上のみでのコード記述ができる

AWS Cloud9を利用すると、自動管理システム(マネージドAmazon EC2インスタンス)または、情報を暗号化するシステム(SSH)をサポートする既存のサーバーで開発を進められます。

元々持っていた端末での利用が可能なため、ブラウザのみでのアプリケーションの作成、開発も可能となり、新たにプログラム開発を用意したりメンテナンスをしたりする必要がありません。

6:開発目的にあわせて環境を切り替えられる

Cloud9には必要なツールが全てパッケージ化されているため、ローカルとリモートの切り替えが簡単にできます。

また、開発環境は通常ローカルで進められますが、それが上手くいったらリモートへ移し替えて本番環境へと進めていきます。このとき、本来であればインストール等の手間があるところを、Cloud9を利用することで手間が省けます。

7:スペックの適宜変更ができる

従来であれば、ローカルサーバーのスペックが少なく作業にならない場合は、必要な分だけを追加購入していたため、別途の費用がかかることもありました。また、スペックが大きすぎる場合でも減らすことはできなかったため、そのままにしておくという方法がとられていました。

しかし、AWS EC2では、インスタンスタイプというものを変更するだけで、簡単にスペックが変更できます。

今までは叶わなかった、大きすぎたスペックを小さくすることも可能です。

8:オリジナルのカスタマイズができる

AWS Cloud9には、プロジェクトの作成を簡単にするエディタが組み込まれています。

このエディタには、プロジェクトの実行やデバックを容易にする機能とともに、コード補完とコードヒントの候補を表示する機能も含まれ、さらには、ビューをカスタマイズする機能も備わっています。

この機能のおかげで、画像イメージサイズの変更や回転なども、簡単な基本操作だけでオリジナルのカスタマイズができます。

9:Lambdaをローカル環境での利用ができる

Lambdaとはサーバーレスでコードやプログラムを実行できるサービスのことです。

Lambdaにコードをアップロードするだけで、ローカル環境での利用が可能となり、プログラム実行の時間を減らすことができるため、料金等のコスト削減も期待できます。

ただし、大量のリソースが必要な処理や、900秒以上処理時間のかかる処理はLambdaには適さないため注意してください。

10:40以上の言語に対応している

新しくプロジェクトを始める際、自国の言語が対応しておらず、翻訳用のファイルやプログラムのインストールなどの理由で作業が遅れてしまった経験のある方も多いのではないでしょうか。

AWS Cloud9は、40カ国を超える言語とプログラミング言語用のツールが初めから付いているため、すぐにプロジェクトを始められます。

エンジニアがAWSのCloud9で開発するための欠点

使用するサーバーも問わず、機能も充実しているAWS Cloud9ですが、やはり欠点はあります。

それは、インターネット環境が整っていないと利用できないことと、インスタンスの費用がかかってしまうことです。

上記の理由により、初期費用はかからなくても毎月のランニングコストが上がり、オプションを追加すればさらに高くなってしまうという点が、AWS Cloud9のデメリットです。

また、保守や運用面で自由度が低いという場合もあります。

インスタンス利用する場合は費用が発生する

AWS Cloud9自体には費用はかかりませんが、Amazon EC2インスタンスには費用がかかってしまいます。

例えば、月に90時間を利用すると仮定すれば、月々約220円が必要となります。数字を見た限りでは、費用自体はそんなに高額ではありませんが、「完全無料」と捉えていた方にとっては、「思っていたよりも費用がかかってしまった」となりかねません。

そのため、費用がかかる部分の把握はとても重要と言えます。

オンライン環境への接続がないと利用できない

Cloud9は、インターネット環境さえ整っていればどこでも利用できますが、Wi-Fiがなければ場所が良くても意味がありません。

そのため、プロジェクトに修正が必要な箇所がある場合には、Wi-Fiスポットがあるところまで足を運ぶ必要があります。端末には問われなくても、場所を選ぶ必要があるため、Cloud9を使用する場合は注意してください。

AWSのアカウントについて

AWS Cloud9のアカウントには種類があります。

その内訳は、どのようなアクセス方法でも使用可能で、あらゆる権限を持った「ルートアカウント」と、そのルートアカウントを用いて作成される「IAMユーザー」です。

この「IAMユーザー」の特徴は、通常利用で使うセキュリティが強化されていることです。

そのため、通常利用ではセキュリティ面を考慮してIAMユーザーを利用し、プラン変更などの場合のみ、ルートアカウントを使うなどの使い分けが必要となるため、気をつける必要があります。

IAMユーザー

AWSサービスにログインするために使用されるアカウントです。

サービスの認可や設定、AWSの利用者やアクセスを制限できるなど、セキュリティ面が高いアカウントとなっています。そのため、通常で利用する場合にはIAMの使用が推奨されています。

管理者アクセス許可を持つIAMユーザーがアカウントのルートユーザーと間違われることがありますが、全くの別物です。

ルートアカウント

AWSアカウントを作成する際に作る最初のアカウントで、プラン変更など全ての権限を持っています。

ただし、メールアドレスやパスワードからのアクセスも可能なためセキュリティは低く、悪用を防ぐためにも、通常使用を避けることをAmazon側ではすすめています。

このルートアカウントから、IAMユーザーを作ります。

エンジニアがAWSのCloud9を利用する6つのステップ

先述したように、AWS Cloud9を利用するにあたっては、AWSのアカウントを作成する必要があります。

必要な情報としては、ログインに必要なメールアドレスとパスワード、アカウントの種類、基本情報入力、クレジット情報などの支払い方法、セキュリティチェック、そしてサポートプランの選択があります。どれも難しくないため、すぐに始められます。

1:メールアドレスとパスワードの入力をする

まず、Eメールアドレスの欄には、AWSへのログインで使うアドレスを記入してください。

パスワードも同様にAWSへログインするためのものを設定し、確認用にもう一度パスワードを入力します。登録したメールアドレスにAWSから通知がきた後、通知を共有したい場合にはメーリングリスト等を利用して登録するといいでしょう。なお、記入は全て半角英数字です。

2:アカウントの種類を選ぶ

個人で利用するか法人で利用するかを選べます。

個人での利用は「Personal(パーソナル)」、ビジネスでの利用は「Professional(プロフェッショナル)」と呼ばれます。どちらも、機能や内容には違いはありません。

プロフェッショナル

法人で利用する場合のアカウントです。法人としてサービスを受ける場合には、必ずプロフェッショナルを選択してください。

機能や内容はパーソナルと変わりませんが、会社名が表示されるため、アカウント作成時には会社名を記入します。Amazonは日本の会社ではないため、会社名や住所は全てアルファベットで記入する必要があります。

パーソナル

個人でAWSを利用する場合のアカウントです。個人でサービスを受ける場合には、必ずパーソナルを選択します。

プロフェッショナルと機能には差はありませんが、パーソナルにすると、会社名が非表示になりアカウント作成時に会社名を入れる必要が無くなります。そのため、会社を立ち上げて名前を売りたいという人にはおすすめ出来ません。

3:基本情報について入力をする

名前・会社名(あれば)・電話番号・国、住所を記入して、名前はフルネームで記入し、会社名も記入していきます。

電話番号はハイフン無しの半角数字で記入し、国を選択した後、住所・市区町村・都道府県・郵便番号を記入していきますが、この時の郵便番号にはハイフンが必要です。数字は全て半角数字で、文字はアルファベットでの記入となります。

4:支払い方法についての選択する

クレジットカード、もしくはデビットカードの情報を記入してください。Visa、Master Cardなどのカードが利用可能で、カード情報を住所を記入すれば、支払い方法の登録が完了となります。

カードが間違っていないか、期限が切れていないかのチェックのため、一度AWSから請求がきますが、有効であることが認められると請求が取り消されるため安心してください。

5:セキュリティチェックをする

SMS、または電話による本人確認が可能です。国コードで国を選択し、電話番号をハイフン無しで記入します。記入後、SMSか電話でセキュリティチェックの英数字が通知されたら、それを記入してください。

なお、電話での本人確認の場合は、すぐに応答可能な番号を記入し、着信拒否設定を解除しておいてください。もし、電話番号が間違っていた場合、SMSも電話もかかってこないため、間違えないように注意が必要です。

6:サポートプランを選ぶ

AWS Cloud9で提供しているサポートプランは、それぞれのプランによってサービスが異なります。

プランは、料金のかかる「開発者プラン」「ビジネスプラン」に、無料で使える「無料プラン」と全部で3種類あります。

アカウント作成後でも、有料プランから無料プランへの変更は可能なため、もし有料プランを選択した場合でも、有料の必要がなければ無料プランに切り替えることをおすすめします。

開発者プラン

AWSに慣れてきた人におすすめのプランで、早期テストや開発のための機能が充実しています。

月々29USD(約3,500円)での利用が可能で、無料プランの機能はもちろん、クラウドサポートアソシエーツへの問い合わせやシステム障害の対応などのサービスが受けられるようになります。

AWSだけで稼げるようになるためのテストを受けるためのプランでもあります。

出典:AWS サポートのプランの料金|AWS
参照:https://aws.amazon.com/jp/premiumsupport/pricing/

ビジネスプラン

AWSで利益を上げている人におすすめのプランで、仕事のための全ての機能を扱えます。

月々100USD(約11,000円)で利用することができ,サポートエンジニアへの問い合わせやシステムの対応,プログラムによる管理など、プロのためのプランと言えるでしょう。

Amazonではこのプランを推奨しています。

出典:AWS サポートのプランの料金|aws
参照:https://aws.amazon.com/jp/premiumsupport/pricing/

無料プラン

ベーシックサポートとも呼ばれ、AWSを始めたばかりの人におすすめのプランです。

AWSの基本的な機能を扱えて、フォーラムやリソースへの24時間365日対応のセルフアクセスや、セキュリティ向上などの機能が利用できます。

また、各サービスは従量課金制度のため、無料プランでも問題なく扱うことができます。

AWSのCloud9を利用する際の料金3つ

AWS Cloud9自体の利用には料金はかかりませんが、コードの実行と保存に使用されるリソースに対しては料金がかかります。

ただし、かかるのは利用した分のみの費用のため、無駄な出費の削減が期待できるでしょう。

1:基本的にフリーで利用できる

基本的には、追加費用無しでコードの編集やデバッグといった機能を利用することができ、自分が持っているサーバーでの使用も可能です。

なお、AWS Cloud9には費用は発生しませんが、これに合わせて利用するサービスには料金がかかってくるため注意が必要です。

2:AWSのフリー利用枠について

AWSのサービスや製品を無料体験できるサービスのことで、60以上のサービスの中から、一定量を無料で利用できます。

AWS EC2では750時間仮想サーバーの利用が可能となり、LinuxやWindowsなどのOSでt2.microインスタンスの利用が可能となります。

出典:Amazon EC2 の料金|AWS
参照:https://aws.amazon.com/jp/ec2/pricing/

3:AWSのEC2を利用で発生する

AWS EC2を1ヶ月20日、1日4時間利用する場合を考えてみましょう。

例えば、1時間あたり0.0116USDかかるt2.micro Linuxを利用し、1GBあたり0.1USDかかるストレージを10GB使うとします。

その場合の1ヶ月のコンピューティング費用は1.05USD(約120円)で、ストレージ費用は1USD(約110円)となり、合計で2.05USD(約230円)が必要となってきます。

AWSのCloud9を利用できるエンジニアについて知って人材採用に役立てよう

無駄な作業と費用のかからないAWS Cloud9ですが、それを使いこなせる人材がいれば会社にとって大きな利益になるでしょう。

IT人材が不足が予測される中で、クラウドのスキルはIT業界で注目されつつあります。様々なプロジェクトを進める上で、効率が良くコストのかからない術を持っている人材はとても貴重となるため、AWS Cloud9を使った開発を検討してみてはいかがでしょうか。

この記事の監修者・著者

株式会社オープンアップITエンジニア
株式会社オープンアップITエンジニアAWSパートナー/Salesforce認定コンサルティングパートナー 認定企業
ITエンジニア派遣サービス事業を行っています。AWSやSalesforceなど専門領域に特化したITエンジニアが3,000名以上在籍し、常時100名以上のITエンジニアの即日派遣が可能です。

・2021年:AWS Japan Certification Award 2020 ライジングスター of the Year 受賞
・2022年3月:人材サービス型 AWSパートナー認定
・AWS認定資格保有者数1257名(2023年7月3日現在)
・Salesforce認定コンサルティングパートナー
・Salesforce認定資格者295名在籍(2023年7月3日現在)
・LPIC+CCNA 認定資格者:472 名(2022年4月1日時点)
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