ITSSとは?おすすめの資格試験|資格取得のメリットと活かせる職種11選


ITSS(ITスキル基準)とは?
ITSS(ITスキル基準)とは経済産業省が2002年12月に公表した情報サービス産業における人材スキルの指標です。
また2003年7月には独立行政法人情報処理推進機構(IPA)にITスキル標準センターを設立し、ITSSのさらなる普及と活用を目指しました。ITSSは単にITスキルの指標そのものですが、ITSSそれぞれにITSS資格があるため、具体的な目標を持ってスキルを身につけることができます。
出典:ITスキル標準とは?|独立行政法人情報処理推進機構
参照:https://www.ipa.go.jp/jinzai/itss/itss1.html
ITSSの資格ができた背景
ITSSの資格ができた背景にはIT人材の確保が必要だったことがあります。近年のIT技術の発展に伴い日本としてもIT人材の確保が課題となりました。IT人材の確保にあたってITに関してどれだけの知識・能力があるかを測る指標が必要となり、その指標としてITSSは誕生しました。
ITに関してどれだけの知識・能力があるかを経済産業省が指標として示すことで、ITに関して勉強する人のモチベーション増加に繋がり、またIT人材を育てる上での明確な目標となります。
UISS・ETSS・CCSFとの違いとは?
ITスキル基準には、ITSSの他に「UISS(情報システムユーザースキル標準)」、「ETSS(組込みスキル標準)」、「CCSF(共通キャリア・スキルフレームワーク)」があります。
ITSSと比較して、UISSはユーザーを対象としたITスキル、ETSSはSE向け、CCSFは3つのスキル標準を使うことで複数のスキル標準をまとめて比較検討できるといった違いがあります。
ITSSの目的とは
IT人材としての知識やスキルを測ることができるITSSですが、具体的にどのような目的で利用されているのでしょうか。ここではITSSの目的について2つご紹介しますので、参考にしてみてください。
キャリア計画
ITSSは1つの指標や資格ではなく7段階にレベル分けされています。レベルによって評価分けされていることでIT関連知識の習熟度の度合いを可視化することができます。
IT技術者を採用する側の企業としてもITSSのレベル評価によって、どれぐらいの知識があるかを判別することができます。
また、7段階のレベル分けごとに資格があります。例えば「ITパスポート試験」はITSSのレベル1に相当します。レベルごとに資格があることでITスキルを身につけようとする人も「資格」というわかりやすい目標を持ってスキルアップに挑めます。
人材育成などに活用
ITSSの活用方法としてはIT知識を持った人材育成があります。近年では世界的なテクノロジーの発展によってIT技術を持った人材の育成が必要不可欠です。
アプリ開発を行う企業やシステムインフラを支える企業だけでなく、一般的な企業としてもテクノロジーに強い人材の確保・育成が必要になります。
その際に「レベル分けされている」「レベルごとに資格がある」というITSSのわかりやすい指標を用いることで、既存の従業員に対してもITスキルの人材育成をすることができます。
ITSSとは?習得におすすめの資格試験5つ
初心者でも挑戦しやすいおすすめのITSS資格を5つご紹介します。まだITに関しての知識がない方、これからIT関連の勉強をしよう、と考えている方はぜひ参考にしてみてください。
ここでご紹介する5つの資格はいずれも国家資格になります。国家資格ならではの取得のメリットや試験のスケジュール、受験料をきちんと把握しましょう。
1:ITパスポート
初心者でも挑戦しやすいおすすめのITSS資格の1つ目は「ITパスポート」です。ITパスポートは2009年に開始した国家試験です。
ITパスポートはITを利用・活用する社会人やこれから社会人となる学生が学ぶべき基礎的なITに関する知識を網羅しています。IT関連の資格取得を目指した場合、最初に検討する資格でしょう。
ITパスポートは情報処理推進機構によって主催されています。東京では1週間に1度ほど試験が開催されており、予約をして試験を受験します。
出典:ITパスポート試験(IP) ~ あなたのIT力を証明する国家試験 ~|独立行政法人情報処理推進機構
参照:https://www.jitec.ipa.go.jp/1_11seido/ip.html
2:基本情報技術者試験
初心者でも挑戦しやすいおすすめのITSS資格の2つ目は「基本情報技術者試験」です。基本情報技術者試験は1969年に開始した国家試験です。基本情報技術者試験はITの技術の利用・活用に関する本質的な知識を網羅しています。ITSSのレベル2に該当する資格です。
基本情報技術者試験は情報処理推進機構によって主催されています。春季と秋季の年2回試験が開催されており、受験料は7,500円です。※2021年10月1日より5,700円から7,500円へ改正
出典:基本情報技術者試験(FE) ~ ITエンジニアの登竜門 ~|独立行政法人情報処理推進機構
参照:https://www.jitec.ipa.go.jp/1_11seido/fe.html
3:応用情報技術者試験
初心者でも挑戦しやすいおすすめのITSS資格の3つ目は「応用情報技術者試験」です。応用情報技術者試験は2009年に開始した国家試験です。応用情報技術者試験は高度IT人材となるために必要な応用的知識・技能に関しての試験であり、ITSSのレベル3に該当する資格です。
応用情報技術者試験は情報処理推進機構によって主催されています。基本情報技術者試験と同様に春季と秋季の年2回試験が開催されており、受験料は5,700円です。
出典:応用情報技術者試験(AP) ~ ワンランク上のITエンジニア ~|独立行政法人情報処理推進機構
参照:https://www.jitec.ipa.go.jp/1_11seido/ap.html
4:ITストラテジスト試験
初心者でも挑戦しやすいおすすめのITSS資格の4つ目は「ITストラテジスト試験」です。ITストラテジスト試験は2009年に開始した国家試験です。
ITストラテジスト試験は企業の経営戦略において情報技術(IT)を活用し、事業を改革・高度化するための基本戦略を策定できる能力を要し、ITSSのレベル4に該当する資格です。
ITストラテジスト試験は情報処理推進機構によって主催されています。主要都市にて年1回試験が開催されており、受験料は5,700円です。
出典:ITストラテジスト試験(ST) ~ 経営とITを結びつける戦略家 ~|独立行政法人情報処理推進機構
参照:https://www.jitec.ipa.go.jp/1_11seido/st.html
5:プロジェクトマネージャ試験
初心者でも挑戦しやすいおすすめのITSS資格の5つ目は「プロジェクトマネージャ試験(PM)」です。プロジェクトマネージャ試験は1995年に開始した国家試験です。
プロジェクトマネージャ試験は企業の経営戦略における情報技術(IT)分野でもプロジェクトのマネジメントに重きを置いた資格で、ITSSのレベル4に該当する資格です。
プロジェクトマネージャ試験は情報処理推進機構によって主催されています。主要都市にて春季に年1回試験が開催されており、受験料は5,700円です。
出典:プロジェクトマネージャ試験(PM) ~ ITプロジェクトの成功請負人 ~|独立行政法人情報処理推進機構
参照:https://www.jitec.ipa.go.jp/1_11seido/pm.html
ITSSとは?習得におすすめ民間資格4つ
ITSSはITパスポートやPM試験といった国家資格だけでなく民間資格もあります。ここではITSSの民間資格を4つご紹介します。
ITSSの民間資格はIT分野の包括的な知識を要する国家資格と異なり特定の言語や技術に特化した資格が多いです。ITSSの民間資格は特定の言語や技術の習熟度を確認するための資格として最適です。
1:Oracle認定Java資格
ITSSのおすすめ民間資格の1つ目は「Oracle認定Java資格」です。Oracle認定Java資格は2015年に開始した民間資格で日本オラクル社の主催で運営されています。
Oracle認定Java資格はJavaアプリケーション開発に必要とされる基本的なプログラミング知識やアプリ開発能力の知識を認定する資格です。
試験はオンライン上で開催されているため、いつでも受験することが可能です。受験料はレベルによって異なり、Bronzeが13,600円、SilverとGoldは26,600円となっています。
出典:Java SE 11 認定資格|日本オラクル株式会社
参照:https://www.oracle.com/jp/education/certification/jse11-5570635-ja.html
2:PHP技術者認定試験
ITSSのおすすめ民間資格の2つ目は「PHP技術者認定試験」です。PHP技術者認定試験は2011年に開始した民間資格でPHP技術者認定機構の主催で運営されています。
PHP技術者認定試験はPHP技術の習得度合いを認定する資格です。PHP技術者認定試験はレベルが3段階に分かれており、初級・上級・認定ウィザード(最上位)から構成されています。
試験は全国のオデッセイコミュニケーションズCBTテストセンターでほぼ1年中開催されており、受験料は初級12,000円、上級15,000円です。
出典:PHP技術者認定試験|PHP技術者認定機構
参照:https://www.phpexam.jp/summary/
3:LPIC
ITSSのおすすめ民間資格の3つ目は「LPIC」です。LPICは2001年に開始した民間資格でカナダに本部を置くLinux Professional Instituteの主催で運営されています。LPICはWindowsやMacOSと並ぶOS(オペレーティングシステム)であるLinuxの技術力を認定する資格です。
試験は全国のピアソンVUE公認試験会場で1年中開催されており、受験料は1科目15,000円ですが認定を受けるためには最低2科目以上の合格が必要です。
出典:LPI認定資格|Linux Professional Institute
参照:https://www.lpi.org/ja/our-certifications/summary-of-certifications
4:LinuC
ITSSのおすすめ民間資格の4つ目は「LinuC」です。LinuCは2018年に開始した民間資格であり、NPO法人LPI-Japanの主催で運営されています。
LinuCはLinuxシステムの構築・運用だけでなくクラウド技術やシステムアーキテクチャといった最新のIT技術を総合的に認定する資格です。
試験は全国のピアソンVUE公認試験会場で1年中開催されており、受験料は15,000円です。
出典:LinuC|LPI-Japan
参照:https://linuc.org/exam/
ITSSとは?資格取得のメリット3つ
ITSSの資格取得のメリットを3つご紹介します。IT技術に関しての習熟度を示すITSSの資格を取得するとどういったメリットがあるでしょうか。
ここでは「ITスキルを把握できる」「会社での評価の指標になる」「今後どうなりたいかを明確にできる」という3つのメリットをお伝えします。メリットを把握した上で資格取得を目指しましょう。
1:ITスキルを把握できる
ITSS資格取得のメリットの1つ目は「ITスキルを把握できること」です。
ITSSには7段階のレベルが存在し、それぞれのレベルに応じた資格が存在します。自分の持っているスキルを「資格」という形で見える化することで、自分が現在どれぐらいのスキルを持っているかを把握することができます。
2:会社での評価の指標になる
ITSS資格取得のメリットの2つ目は「会社での評価の指標」になることです。
会社でIT技術に関しての知識量評価をする際にITSS資格は習熟度を示す指標として重宝されます。評価を受ける従業員にとってはITSS資格を持っていることで会社での評価がプラスに働くことが多いため、資格を取得して損はありません。
3:今後どうなりたいかを明確にできる
ITSS資格取得のメリットの3つ目は「今後どうなりたいかを明確にできること」です。ITSS資格は11の対象職種に細かく分類されているため実務での活躍領域を具体的にイメージすることができます。
例えばプロジェクトマネージャ試験(PM)はマネジメントに比重を置いた資格であり、将来的にマネジメントのキャリアをイメージする技術者が受験をすることが多いです。このように資格取得を通じて自分がどのようなキャリアに進んで行きたいのかを明確にすることができます。
ITSSとは?活かせる職種11選
ここまでITSSの資格取得のメリットなどをご紹介しましたが、それではITSSとはどのような職種に役立つものなのでしょうか。ここではITSSを活かせる職種11選をご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
1:マーケティング
ITSSはマーケティングの仕事に活かせます。マーケティングでは商品や製品による利益を伸ばすために、市場調査を行ってターゲットとする顧客が求めているものを分析し、製造や販売、宣伝などすべての工程を行います。
2:コンサルタント
ITSSはコンサルタントの仕事に活かせます。コンサルタントとは、ビジネス上の課題を抱えている企業の課題解決のために、ITを活用したビジネス戦略やソリューションについてのアドバイスを行います。
3:プロジェクトマネジメント
ITSSはプロジェクトマネジメントの仕事に活かせます。プロジェクトマネジメントは専門としている分野のシステム開発などを行う職種で、プロジェクトの立案や立ち上げ、納期やスケジュール、人員確保などすべてに関しての責任を持ちます。
4:アプリケーションスペシャリスト
ITSSはアプリケーションスペシャリストの仕事に活かせます。アプリケーションスペシャリストはIT企業において最適なシステムの企画や立案を行ったり、システム開発の共通仕様や仕組み、保守についての提示を行います。
5:ソフトウェアデベロプメント
ITSSはソフトウェアデベロプメントの仕事に活かせます。ソフトウェアデベロプメントは、一般的なソフトウェアやミドルソフト、応用ソフトといった製品の仕様決定、設計、プログラミング、テストなどを行います。
6:ITスペシャリスト
ITSSはITスペシャリストの仕事に活かせます。ITスペシャリストとは、ITスキル標準におけるシステム管理、セキュリティ、データベース、アプリケーション共通基盤、ネットワーク、プラットフォームのいずれかでレベル3以上のスキルを持ったエンジニアを指します。
7:セールス
ITSSはセールスの仕事に活かせます。この場合のセールスとは、顧客が抱えている課題を解決するためのITサービスや商品をセットで提案し、顧客と自社を繋ぐ窓口となる職種です。
8:カスタマーサービス
ITSSはカスタマーサービスの仕事に活かせます。カスタマーサービスはIT企業で自社のサービスや商品を購入した顧客の疑問などを解決するためのサポートを行う職種です。また、機器の点検、修理なども行います。
9:ITアーキテクト
ITSSはITアーキテクトの仕事に活かせます。ITアーキテクトはITSSの中でもレベル4~7と高い水準のスキルを持ち、最適なシステムの企画や立案などを行うことができる人材です。
10:ITサービスマネジメント
ITSSはITサービスマネジメントの仕事に活かせます。ITサービスマネジメントはITサービス全体の管理を行うことで、システムが安定的に運用できるように管理するものです。
11:エデュケーション
ITSSはエデュケーションの仕事に活かせます。エデュケーションはIT知識や技術を持った人材を育成するために、受講生のレベルに合わせたカリキュラムの設定やコースの企画などを行う職種です。
研修企画
研修企画はエデュケーションの専門分野の1つです。エデュケーションは研修などを行いながら必要な知識を習得し、クライアントである企業の組織としての方向性を意識した研修コースの企画や開発を行います。
インストラクション
インストラクションとは研修実施のことで、エデュケーションのもう1つの専門分野です。入社3年目あたりまではインストラクションの基本を習得し、その後はエデュケーションとして自らインストラクションを行うことになります。
ITSSの資格に挑戦しよう!
ITSS資格には「ITパスポート」などITに関して初めて学習する人でも理解できる資格が多数あります。また、レベルに応じた資格があるため、具体的な指標を持ってステップアップすることができます。
IT業界で働かない人にとっても現代を生きる上でIT知識を持っていることは大きな強みになります。何を勉強しようか迷っている人はぜひITSS資格に挑戦してみてはいかがでしょうか。
この記事の監修者・著者

- AWSパートナー/Salesforce認定コンサルティングパートナー 認定企業
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ITエンジニア派遣サービス事業を行っています。AWSやSalesforceなど専門領域に特化したITエンジニアが4,715名在籍し、常時100名以上のITエンジニアの即日派遣が可能です。
・2021年:AWS Japan Certification Award 2020 ライジングスター of the Year 受賞
・2022年3月:人材サービス型 AWSパートナー認定
・AWS認定資格保有者数1,154名(2024年6月現在)
・Salesforce認定コンサルティングパートナー
・Salesforce認定資格者276名在籍(2024年5月現在)
・LPIC+CCNA 認定資格者:472 名(2024年6月時点)
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