LPICとはどんな資格?3つのレベル別難易度やLinuCとの違いを紹介
[add_dialog_balloon ‘SE’ ‘left’ ‘LPICとはなんですか?’]
[add_dialog_balloon ‘PM’ ‘right’ ‘LPICとはLinuxの技術力を認定する世界基準の資格です。’]
LPICとは?
「LPIC」とは、非営利組織であるLPI(Linux Professional Institute)が実施する、Linuxの技術力を認定する世界基準の資格です。スキルにあわせてレベル1からレベル3までが用意されています。Linuxの試験には、NPO法人「LPI-Japan」が独自に実施する日本向けの「LinuC」もあります。LPICとLinuCの関係性なども含めて、難易度や受験方法などをご紹介します。
Linux技術者認定試験
世界中で大きなシェアを持つLinuxの技術認定試験がLPICです。Linuxは1991年に当時、大学生だったリーナス・トーバルズによって公開されたオープンソースのOSです。以降、世界中の有志が開発や修正を進めています。大きな特徴は、無償配布され自由に改変ができることでしょう。ライセンス料がないためサーバーによく使われており、スマホからスーパーコンピュータなど幅広く利用されています。
世界共通基準で認定されている資格
LPICは180ヵ国、9言語で展開されている、グローバルスタンダードの資格です。LPIが実施する認定試験全体で60万人が受験し、17万5千人以上が資格を取得しています。LPI(Linux Professional Institute)は、オープンソースのソフトウェアや知識を無償で提供し、技術力を認定することで、経済状況に関係なくすべての人に機会を拓く(ひらく)ことを理想としています。日本の運営はLPI日本支部が担っているため、日本人による対応もあります。
LPICの取得難易度は?
LPICには、Linux初心者向けの「Essentials」と「Professionals」があります。オープンソースの基礎知識など、基本から学びたい場合には、「Essentials」の試験勉強はとても役に立つでしょう。また、「Essentials」は生涯有効な資格です。ここでは一般的な「professionals」のレベル1から3について、ご紹介します。こちらの有効期限は5年間です。
LPICの難易度1:LPIC level1
「LPIC-1」はLinuxの「管理者」としての資格です。コマンドラインでメンテナンスタスクを実行したり、Linuxをインストールおよび設定し、基本的なネットワークを構成したりできるレベルです。合格には5年以内に「101」と「102」という二つの試験の両方に受かることが必要です。普段Linuxを使っていても、勉強なしで受かることは難しいレベルです。
LPICの難易度2:LPIC level2
「LPIC2」は、Linuxの「エンジニア」としての資格です。Linuxを中心にWebサーバーや電子メールソフト、またファイアウォールやVPNなどの認証やセキュリティシステムを取り入れた、高度なシステムやネットワークを構築し管理できるレベルを求められます。試験は「201」と「202」です。LPIC-2の資格取得にはLPIC-1を取得していることが必要ですが、LPIC-1とLPIC-2は、どちらから受験してもかまいません。
LPICの難易度3:LPIC level3
LPIC-3は、Linuxの企業内プロフェッショナルとしての資格です。3つの分野があり、ひとつでも合格すれば認定されます。また、5年以内に取得したLPIC-2の資格も必要です。LPIC-3 300(混在環境)企業全体のLinuxサービスを統合する能力LPIC-3 303(セキュリティ)企業全体のサーバー、サービス、ネットワークを保護し、強化する能力LPIC-3 304(仮想化とハイアベイラビリティ)企業全体の仮想化と高可用性のセットアップを計画し実装する能力
LinuCとは?
「LinuC(リナック)」は非営利団体であるLPI-Japanによって提供されている、日本向けのLinuxの認定試験です。日本では、長らくLPI-Japanが「LPIC」を提供していましたが、2018年3月から独自のLinux技術者認定資格としてLinuCをスタートさせました。
LPICとLinuCの違い
LPICは2001年にスタートしました。ベンダーによらない初のオープンソースの認定資格で知名度は抜群です。対するLinuCは、最初の2年間は混乱を招かないようにとLPICと同じ出題範囲で問題が出されていましたが、2020年3月からは、ITを取り巻く環境の変化や求められる人材に合わせた新しい試験へと改訂されました。
LinuCの取得難易度は?
LinuCは新しい試験ですが、「学習の手引」としてLPI-Japanのホームページでセミナー情報や学習ツールが詳しく案内されています。サンプル例題や解説もあるので難易度を確認しましょう。またそれらは無料のメールマガジンでも配信されています。教材の紹介や、Linuxについて解説したコラムなども豊富です。
LinuCの難易度1:LinuC level1
仮想環境を含むLinuxシステムの基本操作と管理ができる技術者を認定します。すべてのIT技術者の基礎となります。Linuxディストリビューションを利用するための知識も必要です。クラウド環境もオンプレミス環境にも対応でき、ネットワークやセキュリティの基本設定ができるレベルが求められます。オープンソースの文化の理解も必要です。LPI-Japanによれば、平均的な勉強時間は1カ月から3カ月です。
LinuCの難易度2:LinuC level2
仮想環境を含むLinuxの応用的なシステム設計やネットワーク構築をし、アーキテクチャに基づく設計、導入、保守、問題解決が可能な技術者を認定します。レベル2もすべてのIT技術者の基礎となる知識が必要です。仮想マシンやコンテナの仕組みの理解も必要です。LANサーバやインターネットゲートウェイ、Webサーバなどの幅広い知識も問われます。LPI-Japanによれば、平均勉強時間は3カ月から半年程度です。
LinuCの難易度3:LinuC level3
Linuxを使用した企業レベルでの仕事ができる最高レベルの技術者であることを認定します。レベル3も改訂される予定ですが、2020年3月ではLPICと出題範囲は同じです。「300 Mixed Environment」「303 Security」「304 Virtualization & High Availability」のどれか一つの合格でレベル3と認められます。LPI-Japanによる平均勉強時間は半年から1年です。
LPIC・LinuCの取得方法は?
LPICとLinuCは両方ともコンピュータベーストテスト(CBT)での試験となります。ほとんどが選択方式ですが、入力問題も多少出題されます。CBTを請け負う試験配信会社「ピアソンVUE」は、イギリスの運転免許試験、アメリカの医療従事者向けの試験なども扱っている会社です。
LPICの取得方法
LPICの受験のためには、LPIとピアゾンVUEでのアカウント登録が必要です。まずは受験チケット(バウチャー)を購入します。その後、ピアゾンVUEのサイトから都合のいい日にちと会場を予約して受験、という流れになります。バウチャーは「学易」などのパートナー企業から安く買うことも可能です。PDF版の認定証は合格から2~3日でマイページよりダウンロード可能で、紙の認定証とカードは1カ月ほどで郵送されます。
LinuCの取得方法
LinuCの受験では、EDUCO-IDとピアゾンVUEでのアカウント登録が必要です。まずは受験チケット(バウチャー)を購入し、その後、ピアゾンVUEのサイトから、都合のいい日にちと会場を予約して受験、という流れもLPIと同じです。合格すると、LPI-Japanより認定証と認定カードが届きます。また証明としての認定ロゴの使用許可が与えられるため、名刺に印刷することが可能です。
LPIC・LinuC取得のメリット
Linuxの安全性には定評があり、Linuxを対象としたウイルスもほとんどありません。そのため、日本でも官公庁や企業などの組織内のシステムは、かなりの割合でLinuxを採用しています。大規模なサーバー構築はもちろん、スーパーコンピュータの「京」や、これから広がっていくIoTにも選ばれています。オープンソースOSであるLinuxのスキルを認定するLPICやLinuCの価値はますます高まっていくでしょう。
体系的な知識を得ることができる
資格試験の勉強をするメリットは、体系的な知識を得られることです。LPICやLinuCの試験では、Linuxそのものやシステム構築はもちろん、ネットワークやセキュリティーまで幅広い知識も問われます。クラウド時代に求められるIT技術者に必要な知識を効率的に身に付けられるでしょう。
転職・キャリアアップに有利
オープンソースの利用はますます広がっており、利用が進んでいるクラウドにもLinuxが採用されていることが多く、需要はますます増えています。LPICの有効期間は5年間であり、Linuxだけでなく常に最新のオープンソースの世界基準の知識を身に付けていることの証明となります。LinuCは、日本でより求められている知識を身に付けられます。資格を取得することは、転職・キャリアアップに有利となるでしょう。
[add_dialog_balloon ‘SE’ ‘left’ ‘LPICを習得すると転職が有利になるのですね。’]
[add_dialog_balloon ‘PM’ ‘right’ ‘そうですね。Linuxは様々なシステムに採用されているため、LPICの資格を持つ技術者は重宝されるでしょう。’]
LPICを取得してキャリアアップを目指しましょう!
オープンソースのOSであるLinuxの認定試験、LPICについてご紹介をしました。自動車産業から宇宙開発などにもオープンソース技術を採用される時代、Linuxはますます広まってきています。これから広まるIoTでの採用も増えていくでしょう。単に操作をするだけではなく、本質を分かった上で開発、構築などができる人材がますます求められています。LPICを取得して、キャリアアップを目指していきましょう。
この記事の監修者・著者
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ITエンジニア派遣サービス事業を行っています。AWSやSalesforceなど専門領域に特化したITエンジニアが4,715名在籍し、常時100名以上のITエンジニアの即日派遣が可能です。
・2021年:AWS Japan Certification Award 2020 ライジングスター of the Year 受賞
・2022年3月:人材サービス型 AWSパートナー認定
・AWS認定資格保有者数1,154名(2024年6月現在)
・Salesforce認定コンサルティングパートナー
・Salesforce認定資格者276名在籍(2024年5月現在)
・LPIC+CCNA 認定資格者:472 名(2024年6月時点)
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