AWS Direct Connectでかかる料金3つと注意点3つを紹介


AWSって何?
AWSとはAmazon Web Servicesの略で、Amazonが提供しているクラウドコンピューティングサービスの総称です。クラウドコンピューティングとは、インターネットを介してさまざまなサービスを利用することを指します。
代表的なサービスに、仮想サーバーを構築できるAmazon EC2やコンテンツ配信ができるAmazon S3などがあります。
AWS Direct Connectとは
AWS Direct Connectは、AWSとユーザーとの間に専用のネットワークを提供するサービスのことです。インターネットを経由しないため、より安全なだけでなく回線状況の影響を受けずに、安定した通信を実現します。
セキュリティや安定性、パフォーマンスの面からもビジネスでの利用に適しているでしょう。またAWS Direct Connectでは、Amazon EC2やAmazon VPCなどのサービスを利用できます。
AWS環境を繋ぐその他の方法2つ
AWS環境と接続するその他の方法には、インターネット回線を利用した「HTTPS/SSH」と「VPN接続」の2つがあります。AWS Direct Connectは専用線接続となるので、この点が一番の違いです。
ここから「HTTPS/SSH」と「VPN接続」のそれぞれの特徴についてご紹介します。
AWS環境を繋ぐ方法1:HTTPS/SSH
HTTPS/SSHは、インターネット回線を使いブラウザでアクセスする際に、HTTPSを利用したり、SSHクライアントツールを利用したりしてアクセスすることで、通信を暗号化しセキュリティを確保する接続方法です。
例えば、AWSを社内向けのシステムではなく、一般向けWebサービスのインフラとして利用している場合、HTTPS/SSH接続はメンテナンス作業の接続方法として適しています。
AWS環境を繋ぐ方法2:VPN
社内に設置したVPNルーターとAWS環境(Amazon VPC)を、IPsec VPNで接続する方法です。ネットワーク機器の設定のみですぐに利用でき、既存のインターネット接続を活用できるメリットがあります。
しかし、インターネット回線を利用する接続方法のため、外部要因で通信が不安定になったり、回線混雑の影響を受けて、AWSとの通信に遅延が発生したりする可能性があるでしょう。
AWS Direct Connectを利用するメリット2つ
VPNでもAWS環境と接続が可能ですが、AWS Direct Connectを利用するメリットを「安全」と「通信速度」の観点からご紹介します。
また、データ量にもよりますが、VPNを利用したときよりもデータ転送料金が安くなる場合があり、AWS Direct Connectを利用するメリットと言えるでしょう。
AWS Direct Connectのデータ転送料金については、のちほどご紹介します。
AWS Direct Connectを利用するメリット1:安全
AWS上に機密性の高い社内システムを構築する場合、社内からのアクセスのみ許可する要件を求められることがあります。
AWS Direct Connectは専用線なので、インターネット回線とは分離されており外部からの盗聴や改ざん、また、なりすましなどの危険性は少ないと言えるでしょう。
IPsec VPNでも暗号化通信は可能ですが、AWS Direct Connectはインターネット回線を利用せず、AWSへの接続を実現します。
AWS Direct Connectを利用するメリット2:通信速度が早い
インターネット回線を利用したVPN接続の場合、速度はベストエフォートのため、回線状況の影響を受けます。また、インターネット回線が混雑している場合、AWS上の社内システムへのアクセススピードは低下する可能性があるでしょう。
しかし、AWS Direct Connectは専用線なので、ネットワークのパフォーマンスは高く、遅延もほとんどありません。そのため、安定した高速通信でAWSに接続できます。
AWS Direct Connectでかかる料金3つ
AWS Direct Connectの料金体系は、実際に使用した分だけを支払う従量制です。データ転送料金とポート時間料金の2種類で計算され、契約するAPNパートナーによっては、初期費用などがかかります。
ここからは3つの料金について、詳しくご紹介します。また紹介している金額は2020年8月の情報です。最新の料金についてはAWSの公式サイトでご確認ください。
AWS Direct Connectの料金1:初期費用
AWS Direct Connectには、初期費用はありません。しかし、APNパートナーとの契約でセットアップ料金や月額料金、最低利用期間が決まっていることがあるので、確認が必要です。
また、APNパートナーを経由しない場合は、ユーザー自身でデータセンターまで専用線を引き込む必要がありますが、費用や手間などから考えて現実的ではありません。一般的にはAPNパートナーのサービスを利用します。
AWS Direct Connectの料金2:データ転送料金
データ転送に応じて課金される料金で、AWSへの受信データには課金されません。AWSからの送信データの転送量に応じて、GB単位で料金がかかります。
データ送信の料金は、送信元のAWSのリージョンとAWS Direct Connectのロケーションによって異なっています。AWSのリージョンとAWS Direct Connectのロケーションが日本国内の場合、0.0410 USD/GBの料金がかかります。
AWS Direct Connectの料金3:ポート時間料金
ポート時間料金は、接続タイプ(専用接続、またはホスト型接続)と接続容量によって決まります。専用接続の場合、日本でのポート時間料金は接続容量が1Gであれば、0.285 USD/時間、10Gであれば、2.142 USD/時間です。
ホスト型接続の場合、ポート時間料金は接続容量が50Mから10Gまで細かく料金が分かれていますが、APNパートナーにより取り扱いが異なります。
APNパートナーによっても料金が変わる
AWS Direct Connectは、ユーザー企業とAWSが直接契約せず、APNパートナー企業を経由して契約します。APNパートナーによっては、AWS Direct Connectの相互接続センターまでの回線を専用線だけでなく、さまざまな方法を選択することができます。
APNパートナーごとに接続方法や帯域の違い、拠点ルーターのマネージドサービスの有無なども異なるため、料金も変わります。
AWS Direct Connectの注意点3つ
AWS Direct ConnectはAWSが提供している専用線接続サービスですが、ユーザーのオフィスやデータセンターまでのネットワークすべてを提供しているわけではありません。
これから、AWS Direct Connectを使用するときの注意点を3つご紹介します。
AWS Direct Connectの注意点1:セキュリティ保証範囲
AWS Direct ConnectではAWSのデータセンターと、接続するロケーションとの間で専用線の利用ができます。AWS Direct Connectがセキュリティを保証するのは、ロケーションであるエクイニクス社の相互接続データセンターのポートまでです。
相互接続センターのポートから自社オフィスまでの接続については、ユーザー側でセキュリティを確保する必要があります。
AWS Direct Connectの注意点2:回線の準備が必要
セキュリティの保証範囲と同様に、AWS Direct Connectでは、ロケーションから自社のオフィスやデータセンターまでの接続回線を、ユーザー側が用意しなければなりません。
この回線には、AWS Direct Connectの料金とは別に費用がかかります。
AWS Direct Connectの注意点3:回線速度の種類
AWSが提供している接続ポートは、10Gbspと1Gbpsの2種類です。APNパートナーは保有する帯域幅を複数のユーザーに分けて提供し、さまざまな速度と料金のメニューを展開しています。
自社の利用するAWSのサービスにあったプランを提案できるAPNパートナーを探すことが重要でしょう。
AWS Direct Connectを利用してリモートワーク を安全に行おう
社内システムとAWSのVDI「Amazon WorkSpaces」をAWS Direct Connectで接続することで、自宅や外出先からでも情報漏洩リスクを低減し、社内システムを利用できます。
AWS Direct Connectは安全で安定した通信を実現できます。安全なリモートワークのためにAWS Direct Connectの利用を検討してみてはいかがでしょうか。
この記事の監修者・著者

- AWSパートナー/Salesforce認定コンサルティングパートナー 認定企業
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ITエンジニア派遣サービス事業を行っています。AWSやSalesforceなど専門領域に特化したITエンジニアが4,715名在籍し、常時100名以上のITエンジニアの即日派遣が可能です。
・2021年:AWS Japan Certification Award 2020 ライジングスター of the Year 受賞
・2022年3月:人材サービス型 AWSパートナー認定
・AWS認定資格保有者数1,154名(2024年6月現在)
・Salesforce認定コンサルティングパートナー
・Salesforce認定資格者276名在籍(2024年5月現在)
・LPIC+CCNA 認定資格者:472 名(2024年6月時点)
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