AWS Amplifyとは?|構成する3つのサービスやAmplifyの料金設定を紹介
AWS Amplifyとは
AWSは料金設定が複雑なものが多く、また理解不足のまま構築をすると、設定の間違い等で高額請求が発生することもあります。Amplifyに関しても、料金が不透明なので利用をためらうこともあるでしょう。AmplifyはNetlifyなどに比べれば料金設定は複雑ですが、正しく理解すればそこまで難しくはありません。今回、Amplifyの料金設定について説明します。
Amplifyが気になっている方や、Webアプリケーションの選定をしている方はぜひ参考にしてみてください。
AWS Amplifyを構成する3つのサービス
そもそも、Amplifyとはなんでしょうか。Amplifyは、簡単に言うとフロントエンドアプリケーションを簡単に構築するための便利なツール・ユーティリティです。いま、AWS公式でも漫画記事を出すなどかなりプッシュされているサービスです。Amplifyはそれぞれ下記3つのサービスが用意されています。
・Amplify CLI
Amplifyサービスと、ほかのAWSサービスをCLIで接続することが可能です。各種設定や機能追加がCLIを利用して簡単に使用するため、AWSを利用したWebサービス一群を作るときに非常に便利です。
・Amplify Framework
Amplifyには独自の様々なUIライブラリや機能が用意されています。ReactやVueなどを利用するときに、Amplifyサービスを簡単に利用できるためのライブラリが用意されており、それがAmplify Frameworkです。とくにログイン周りの実装を簡単に行いたいときに便利です。
・Amplify Console
Amplifyのホスティングサービスです。GitHub 等のソースリポジトリと連携してデプロイまで簡単に実施可能です。最近は、NetlifyやVercelなど、デプロイまで行ってくれるホスティングサービスが多いですが、AWSが出しているその手のサービスです。
AWS Amplifyの料金設定について
AWS Amplifyは、無料使用枠も多く、また試用枠を超えたあとの料金も非常に安いです。
まず、AmplifyはAmplify FrameworkとAmplify Consoleがありますが、Amplify Frameworkに関しては無料となっています。なので、例えばAmplifyのライブラリやUIフレームワークを使いたいだけであれば、料金設定は一切気にする必要がありません。
Amplify Consoleに関しては料金が発生しますが、テスト環境・ビルド・お試しなどの用途に使う場合はほぼ無料です。ただ、チームで運用する場合や、実運用に載せた場合は無料利用枠では足りない可能性もあるので、実運用に載せるサービスをAmplify Consoleにアップしようと考える場合は料金設定も把握する必要があります。
また、Amplify CLIも利用料金はかかりません。こちらはオープンソースになっており、GitHubからダウンロード、インストール可能になっています。
ですので、料金設定について意識しなければいけないのはAmplify Consoleのみになります。
Amplify Frameworkについて
AWS Amplifyは名前だけではわかりづらいのですが、Amplify ConsoleとAmplify Frameworkに分かれています。Netlifyのような一般的なホスティングサービスのイメージをもたれている場合が多いため、そこで混乱する可能性が高いでしょう。Amplifyには、ホスティングサービスの他、CLIで動かすことができるフレームワークが用意されており、これは無料で使うことが可能です。
たとえば、NetlifyやVercelにホスティングしたいが、AWS Appsyncなどと連携して開発したいといった用途で使うことが可能です。その場合は無料でAmplifyのフレームワークが使えます。AWS S3やDynamoDBとの繋ぎこみが簡単にできるため、これも一考に値します。
Amplify Consoleの無料利用枠について
Amplifyのホスティングサービスを使いたい場合、Amplify Consoleを使うことになります。こちらは料金が発生しますが、無料利用枠があります。
ビルド&デプロイは1,000ビルド/月、ホスティングは5GBのストレージおよび15GBのホスティングサービスまでは無料となっています。ただし、この無料利用枠は1年間のみとなっています。1,000ビルドはかなり多く、一人で使う場合には激しくビルドしても尽きることはありません。
サービス開発時にはこれを超えることはほとんどないでしょう。ただし、非常に重い画像や動画をデプロイすれば、すぐに無料利用枠を超えるため、そこは注意が必要です。
Amplify Consoleの無料利用枠を超えた場合の料金について
Amplify Consoleにて無料利用枠を超えた場合の従量料金は、2021年1月の時点で下記の通りとなっています。
・ビルド&デプロイ
0.01USD/ビルド分
・ホスティング
ストレージ1GBあたり0.023USD/月
ホスティングサービス1GBあたり0.15USD
ビルド料金について
ビルドは分単位での計算になっており、日本円に直すと1分あたりだいたい1円です。ビルドがだいたい何分くらいで終わるかはサービスの大きさによりますが、一般的な検証用・ミニマムサイズのサービスのビルドだとだいたい2~3分くらいになります。
ホスティング料金について
ホスティング料金は、ストレージおよびホスティングサービスに分かれています。
このうち、ストレージは一般的に言うストレージと同様ですが、ホスティングサービスとは、一般的なサービスでいう帯域幅のことになります。(NetlifyでのBandWidthです。)
つまり、サービスに画像・動画などが多数含まれているときはこのデータストレージ料金がふえ、アクティブユーザーが多くて帯域幅が多数必要な場合はホスティングサービス料金が加算になります。
料金の目安
公式サイトには簡単な目安料金も書いています。例えば、開発者5人で構成されるスタートアップが、1日あたりに300のアクティブユーザーを持つアプリケーションを取り扱っていて、チームはコードを1日あたり2回コミットする場合には、下記のようになっています。
・ビルド料金
1か月あたりのビルド&デプロイ料金=600×0.01=6USD
(5人でビルドを回した場合、だいたい600ビルド分になると想定)
・ホスティング料金
(ストレージが4.88GB、ホスティングが13.18GBになると想定)
・合計月額料金
料金合計=ビルド&デプロイ料金+ホスティング料金 =6USD+2.08USD=8.08USD/月
つまり、5人チームで運用したとしても、毎月1,000円を超えることはないので、この料金が問題になることは少ないでしょう。
これが、例えば10,000ユーザーを持つ場合は、これも公式に事例が載っていますが、だいたい毎月7,000円ぐらいになります。
実運用時の料金はお得かどうか
スタートアップチームとしてサービスを回す場合、Amplifyが価格としてボトルネックになることは少ないです。
同じAWSサービスでも、S3やDynamoDBなどのデータベースサービスのほうが価格料金の振れ幅が大きいためです。ただし、Amplifyには競合するサービスとしてNetlifyやVercel等がありますので、そちらと比較して割安かどうかは、チームの開発体制やサービスの内容にもよります。
Amplifyは、NetlifyにあるA/Bテストやprerenderなどの便利なサービスがないため、機能面も比較する必要があります。また、速度なども勘案する必要があるでしょう。ただ、Amplify Consoleは東京リージョンがあるため、そこは安心材料の一つです。
料金設定を知って、安心してAmplifyを使おう
AWS Amplifyは、Amazonが使っているホスティングサービスであるため、安心して利用することが可能です。
また、料金も割安であるため、サービス開発者にとっておススメしやすいホスティングサービスであると言えます。価格設定を知り、まずは無料でサービスを試してみてください。
この記事の監修者・著者
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ITエンジニア派遣サービス事業を行っています。AWSやSalesforceなど専門領域に特化したITエンジニアが4,715名在籍し、常時100名以上のITエンジニアの即日派遣が可能です。
・2021年:AWS Japan Certification Award 2020 ライジングスター of the Year 受賞
・2022年3月:人材サービス型 AWSパートナー認定
・AWS認定資格保有者数1,154名(2024年6月現在)
・Salesforce認定コンサルティングパートナー
・Salesforce認定資格者276名在籍(2024年5月現在)
・LPIC+CCNA 認定資格者:472 名(2024年6月時点)
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