AWSのネットワークインターフェースとは?ENIによって出来る事3点を紹介!
AWSとは?
今やIT界ではクラウドの導入は当然の選択肢となりつつあります。そして、数あるクラウドの中でも特に人気を集めているのがAWSというサービスです。 AWSとは、Amazon社の提供するクラウドコンピューティングサービスの総称を示す言葉です。正式名称はAmazon Web Servicesといいます。 クラウドコンピューティングとは、インターネットを通じて、サーバーやストレージといったコンピューターサービスを利用する事です。 AWSでは、クラウド上におけるインフラ環境の構築を始め、画像認識や機械学習などといった最先端技術を利用することが出来ます。
AWSのネットワークインターフェース
AWSを活用するには、ネットワーク回線の準備をした上で、必要なネットワークの設計をする必要があります。 AWSは、Amazon VPC(Virtual Private Cloud)、AWS DX(Direct Connect)、Amazon Route 53などといった、ネットワーク設計をするためのサービスを提供しています。 しかし、それだけでは不足となる場面もあります。複数のIPアドレスをAWSに設定時や、固定IPアドレスを付けたい時などは、柔軟にネットワークインターフェースを設定しなければいけません。 この記事では、AWSのネットワークインターフェースの設定をするためのサービスである、ENI(Elastic Network Interface)について説明していきます。
ENIとは?
VPCを使用すれば、仮想的なプライベート環境へとEC2でサーバーを立ち上げる事が出来ます。このような環境において、ネットワークインターフェースをVPCに対して追加する役割を持つのがENIです。 ENIとは、物理的環境におけるNIC(Network Interface Card)の事を指します。NICの場合、複数枚サーバーに挿すことで、サーバーの持つ役割それぞれにIPアドレスを持たせたり、異なるセグメントの間で1台のサーバーを稼働させたりすることが出来ました。 ENIを使えば、NICと同じ様なネットワーク設定が仮想的環境で出来るようになるという訳です。昨今では、場所を問わず仕事の出来る環境を提供する「テレワーク」が普及している事から、ネットワークへの要求レベルは上昇しています。 ユーザーの需要に答えるためにも、NICを用いたネットワーク設定をする必要があると考えられます。
インスタンスを選ぶ時の注意点
仮想環境にあるといっても、EC2上にて構築される仮想インスタンスは物理的サーバーです。そのため、選択するインスタンスによって設定の出来るIPアドレスの数に制限が生じるので注意が必要になります。 仮想インスタンスに設定するネットワークインターフェースの数や、IPアドレスの数も考慮して、インスタンスタイプの選定をすると良いでしょう。
AWSでENIを利用して出来る事3点
AWSでENIを利用して出来るようになる事3点を紹介します。「ネットワークインターフェースを増加」「管理用ネットワークの作成」「ネットワークインターフェースの冗長化」です。 サービスを使いこなすためには、正しい知識を身につけて理解を深めることが大切です。それでは1つずつ説明していきます。
出来る事1:ネットワークインターフェースの増加
物理的環境でネットワークインターフェースを増加させたい時には、NICをサーバーに挿す必要がありました。 しかしAWSならば、ENIに対してIPアドレスやMACアドレスの登録などの設定を行うことでネットワークインターフェースの作成をし、それを仮想インスタンスに付けたり外したりする事を全てWebブラウザ上で実行出来ます。 ただし仮想インスタンスには「eth0」というネットワークインターフェースがデフォルトで設置されています。このネットワークインターフェースは、取り外しが出来ないので注意が必要です。 仮想インスタンスに対してのネットワーク設定は、まずデフォルトのネットワークインターフェースに対して実行し、ネットワークインターフェースを追加したい場合に、ENIを追加すれば良いでしょう。
出来る事2:管理用ネットワークの作成
ENIの追加をして使う必要がある物として、管理用ネットワークの作成があります。 ユーザーのアクセスについては、デフォルトのネットワークインターフェースによって受け付け、メンテナンスなどの管理を目的としたアクセスは、ENIによって追加したネットワークインターフェースを用いて、管理者用のパソコンからのアクセスだけを受け付けます。 このようにユーザーのアクセスと管理者のアクセスを区別することで、セキュリティを強化することが可能となります。
出来る事3:ネットワークインターフェースの冗長化
ENIでネットワークインターフェースを追加する事で、ネットワークインターフェースの冗長化が出来ます。 稼働系ネットワークインターフェースに障害が生じた場合、待機系インターフェースへと切り替わるプログラムコードを稼働させておくことも出来ます。 このようなシステムを実現する事で、障害が生じた際に、プライベートIPアドレスやElastic IPアドレス、そしてMACアドレスを待機系ネットワークインターフェースへと引き継ぎ、ダウンタイムを抑えながらサービスの継続が出来るのです。
ENIの利用とAWS料金の関係
AWSの場合、ENIを利用する事によって必要となる直接的な費用はありません。 インスタンスモデルによってネットワークインターフェースの数に限りはありますが、制限の範囲内であれば追加費用の負担をすることなくENIを使うことが出来ます。 しかし、ENIの追加をする事に関連した費用の負担について必要となる場合があるので注意が必要です。まず考えるべき事は、ネットワークトラフィックの増加についてです。 ENIの追加をすると、ネットワークインターフェースも追加される事になるため、必然的にネットワークトラフィックは増加します。従って、ENIの追加をする事により、AWSの利用料金が増加する可能性が高いと言えるのです。
料金に関する注意点
「Elastic IP」という固定グローバルIPアドレスを、追加したネットワークインターフェースへと割り当てる際に追加費用が生じる事があります。 仮想インスタンスに1つの「Elastic IP」を割り当てるなら無料ですが、複数を割り当てる場合に追加費用が生じるので注意して下さい。 また、ネットワークインターフェースを複数追加するため、数多くのネットワークインターフェースを追加する事の出来るインスタンスモデルを選んだ場合、AWSの利用料金が上がる事も覚えておかなければいけません。 まとめると、ENIを利用する場合、直接的に料金が増加する事はありませんが、トラフィックの増加や「Elastic IP」の追加などを介して、間接的に料金が増加する可能性があるという事です。
ネットワークインターフェースを柔軟に設定しよう
従来の物理的なオンプレミス環境においては、ネットワークの構成が複雑になるほど物理的配線も複雑となる点が、これまで多くの人の頭を悩ませてきました。 このようなネットワーク構成に対してのニーズは、サーバーをAWSの仮想的環境に移行させた場合も変わりません。しかし、AWSの仮想的環境ならば、多くのネットワーク機器や配線から開放され、クリック一つで設定を行うことが出来ます。 そしてそのネットワーク設定の重要な柱となるのがENIです。ENIを使いこなす事で、ネットワークインターフェースを柔軟に設定する事が出来るようになります。 AWSの運用をする際には、仮想的NICであるENIを上手く活用し、ユーザーの複雑化するニーズに答えるネットワーク環境を実現して下さい。
この記事の監修者・著者
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ITエンジニア派遣サービス事業を行っています。AWSやSalesforceなど専門領域に特化したITエンジニアが4,715名在籍し、常時100名以上のITエンジニアの即日派遣が可能です。
・2021年:AWS Japan Certification Award 2020 ライジングスター of the Year 受賞
・2022年3月:人材サービス型 AWSパートナー認定
・AWS認定資格保有者数1,154名(2024年6月現在)
・Salesforce認定コンサルティングパートナー
・Salesforce認定資格者276名在籍(2024年5月現在)
・LPIC+CCNA 認定資格者:472 名(2024年6月時点)
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