AWS SQLServerライセンスとは?その内容と活用方法を探る
まずSQLServerとは
SQLを操作できるサーバーソフトウェアは数多く存在しますが、「SQLServer」というと、一般的にはMicrosoft社が提供しているリレーショナルデータベースサービスを指します。
Microsoft SQL Server(マイクロソフト エスキューエル サーバ)とは、マイクロソフトが開発している関係データベース管理システム (RDBMS) です。略称は「SQL Server」または「MS SQL」などと呼ばれています。
SQLServerのサービスとして、オンプレミスからMicrosoft Azureで提供しているサービスまで幅広く提供しています。
SQLServerを活用するためには
SQLServerを活用するためにはライセンスを購入し、割り当てをする必要があります。「ライセンスの割り当て」とは、そのライセンスを 1つのデバイス、またはユーザーに指定することです。
たとえば、1つのソフトウェアライセンスを1台のサーバーに割り当てると、そのサーバーでのソフトウェアの実行が許可されます。
ライセンスの割り当ての詳細についてはリンクの公式ドキュメントに記載されています。
※注 リンクをクリックするとSQLServerに限らないMicrosoft社のコアライセンスの概要資料がダウンロードされます。
https://download.microsoft.com/download/2/E/4/2E41D2F2-7862-424F-AEC0-47C136100CF3/PerCoreLicensing_Definitions_VLBrief-JP.pdf
AWSでSQLServerのライセンスを使用するには
先述の通り、「SQLServer」はMicrosoft者が提供するデータベースですが、このライセンスをAWSで使用することも可能です。
AWSでAQLServerのライセンスを使用するためには2通りの方法があります。
1つ目はライセンスをAWSから購入する方法、2つ目は保持しているSQLServerのライセンスをAWSに持ち込む方法です。
以下で、それぞれについて詳しく見て行きましょう。
ライセンスを AWS から購入する
AWSでのSQLServerの活用は、SQLServerのライセンスが含まれるEC2インスタンスを使用することで可能になります。
AWSのコンピューティングサービスであるAmazon EC2インスタンス、またはAWSのデータベースサービスであるAmazon RDSインスタンスで、SQLServerソフトウェアがバンドルされたサービスを活用します。
なお、ライセンス料の支払いは使用量に応じた形で行えます。
Microsoft SQLServer が事前インストールされたAMIか、Amazon RDS for SQLServerを購入すれば、SQLServerデータベースを利用できるようになります。
この時、AWSによってライセンスに準拠するように管理されると同時に、最新バージョンおよび多くの従来バージョンの Microsoft ソフトウェアがサポートされます。
SQL ServerのライセンスをAWSに持ち込む方法
既にSQLServerのライセンスを購入済の場合は、Microsoft の規約に従い、AWSに対してライセンスの持ち込み (BYOL) を行うことができます。
このライセンスの持ち込みには、2つのオプションがありますが、Microsoftが提供している「ソフトウェア アシュアランス」というサービスの有無によってそれぞれの内容が変わります。
ソフトウェアアシュアランスとは、Microsoftがライセンス購入者向けに展開している様々なツールやサポートが活用可能となるサービスです。
それでは、次項でそれぞれのオプションの違いについて見て行きましょう。
Amazon EC2 Dedicated Hostsによるライセンスの持ち込み
1つめのオプションは、Amazon EC2 Dedicated Hostsサービスを活用することです。
Amazon EC2 Dedicated Hostsは、専用物理サーバーとしてサービスを提供しており、かつAWS License Managerと統合されています。
この環境下でSQLServerのセットアップが完了すると、特にライセンス管理を気にすることなくSQLServerを活用できるようになります。
なお、このオプションはMicrosoftのソフトウェアアシュアランスのサービスを保持していない場合の方法になります。
ライセンスモビリティによるライセンスの持ち込み
2つ目のオプションは、ライセンスモビリティを使用してEC2インスタンスにSQLServerを移行する方法です。
このオプションは、Microsoftのソフトウェアアシュアランスのサービスを保持している場合の方法になります。
「Microsoft ボリュームライセンス」を持っているユーザは、Microsoftソフトウェアライセンスの追加料金を支払う必要なく、既存のライセンスを使用して対象となるMicrosoft サーバーアプリケーションをAWSにデプロイできます。
上記の内容を「ライセンスモビリティ」と呼びます。
ライセンスモビリティの検証
ライセンスモビリティを使用しているユーザはライセンス検証プロセスを完了している必要があり、検証するためのWebフォームがあります。
Webフォームの中に認定モビリティパートナーに関する情報を入力する項目があり、AWSへのデプロイで活用を検討する場合は、Microsoft の「ライセンスモビリティ検証ガイド」に基いて、AWSに関する情報を入力する必要があります。
なお、ライセンスモビリティ検証ガイドは英語で記載されているため、対応する機会がある場合はよく内容を理解した上で行いましょう。
SQLライセンスモビリティ
ライセンスモビリティを活用することで、SQLServerをAWSにデプロイもしくは移行することが可能です。
必要なライセンス数は、インスタンスタイプ、SQLServerのバージョン、Microsoft ライセンスモデルの選択によって異なります。
必要なライセンス数については、仮想OSE内の仮想コアの数になります。
仮想コア数について
ただし、Microsoftの公式ドキュメントには、「各仮想(OSE仮想オペレーティングシステム環境)につき、最低4つのライセンスが必要です」と記載されています。
つまり、4つ以上の仮想コアを搭載したシステムを持つ環境でSQLServerが活用できることを説明しています。
Microsoft社の公式ドキュメントは、この記事で紹介しているMicrosoft社のコアライセンスの概要資料になります。
また、ライセンスモビリティの対象となるSQLServerとしては、以下の種類がありますので押さえておきましょう。
・SQL Server Standard Edition
・SQL Server Enterprise Edition
・SQL Server Business Intelligence Edition
デプロイするEC2のインスタンスタイプと割り当て可能なSQLServerのライセンスについて
EC2は、SQLServerとデプロイするAWSのコンピューティングサービスですが、インスタンスタイプに正しくライセンスを適用し、デプロイするためにはSQLServerの「仮想コア」を把握する必要があります。
「仮想コア」とは「仮想ハードウェアシステムの処理能力」の単位を意味し、「1つまたは複数のハードウェアスレッドを仮想的に表したもの」と定義されています。
参考URLには、EC2のインスタンスタイプとインスタンスタイプに備わっているハードウェアスレッド数が記載されています。
SQLServerでは最低4つの仮想コアが必要とも記載されているため、最低4つのハードウェアスレッド数が備わっているインスタンスタイプが紹介されています。
出典:SQLライセンスモビリティ
参照:https://aws.amazon.com/jp/windows/resources/licensemobility/sql
AWSでのSQLServerライセンスを把握し、活用を検討しよう!
AWSでSQLServerライセンスを活用できる方法は複数あります。
例えば、手早くSQLServerを活用したい場合には、SQLServerが搭載されているEC2もしくはRDSを活用することで可能となります。
また、SQLServerライセンスを保持していて、ライセンス管理を含めて総合的にAWSに移行することを検討する際には、「ライセンスモビリティ」を考慮した上でサービス移行が可能か検討することになります。
本記事を参考に、AWSにおけるSQLServerライセンスについて検討し、SQL Serverを活用できる方法を考えてみましょう。
この記事の監修者・著者
-
ITエンジニア派遣サービス事業を行っています。AWSやSalesforceなど専門領域に特化したITエンジニアが4,715名在籍し、常時100名以上のITエンジニアの即日派遣が可能です。
・2021年:AWS Japan Certification Award 2020 ライジングスター of the Year 受賞
・2022年3月:人材サービス型 AWSパートナー認定
・AWS認定資格保有者数1,154名(2024年6月現在)
・Salesforce認定コンサルティングパートナー
・Salesforce認定資格者276名在籍(2024年5月現在)
・LPIC+CCNA 認定資格者:472 名(2024年6月時点)
最新の投稿
- 2024-07-01営業インタビュー最短で当日にご提案可能。 OPE営業の対応が早い3つの理由
- 2024-07-01営業インタビュー研修見学ツアーが高評価!「お客様のOPEに対する期待を高め、継続に貢献できればと思います。」
- 2024-07-01営業インタビュー信頼関係を構築し、エンジニアの長期就業へ
- 2024-06-30キャリアインフラエンジニアはやめとけって本当?きつい理由を口コミを交えて解説
- 求人・転職サイトや自社採用サイトを使っているが、自社に合ったITエンジニアが応募してこない…
- すぐに採用したいが、応募がぜんぜん集まらない
オープンアップITエンジニアをご検討ください!
当社のITエンジニア派遣サービスは
- 派遣スピードが速い!(最短即日)
- 4,500名のエンジニアから貴社にマッチした人材を派遣
- 正社員雇用も可能
こんな特長があり、貴社の事業やプロジェクトに合った最適なITエンジニアを派遣可能です。
まずは下記ボタンから無料でご相談ください。