Amazon RDS for Oracleとは?データベースの作成方法や料金について解説
Amazon RDS for Oracleとは?
AWSでOracleデータベースを構築する場合、考えられる手段は二つあります。
一つは、AWSの仮想サーバであるEC2インスタンス上にOracleデータベースをインストールするパターンです。このパターンでは、オンプレミスでのデータベース構築に比べて自前サーバの導入・運用コストを削減できますが、セットアップや管理に手間がかかります。
もう一つが、Amazon RDS for Oracleを利用するパターンです。Amazon RDS for Oracleとは、AWSが提供するフルマネージド型データベース管理サービスです。
こちらはAWSによるフルマネージドサービスの為、非常に簡単なステップでOracleデータベースを導入、運用することができます。
この記事では、まずAmazon RDS for Oracleについて、その特徴やメリットをご紹介します。続いて、実際にAmazon RDS for Oracleを使ってAWSにOracleデータベースを構築して、EC2インスタンスからOracleに接続するまでの手順を解説していきます。
Oracleのセットアップには手間がかかる
EC2インスタンスにOracleデータベースをインストールする場合は、OSの設定に始まり、データベースのインストール・設定、Oracle Data Guardのセットアップと、非常に多大な時間を要します。利用開始までには、数日程度見込まなくてはなりません。
また、パッチ適用をユーザの責任で行う必要がある等、運用面での負荷も大きくなります。
Amazon RDS for Oracleなら10分程度
Amazon RDS for Oracleは、選択したエディションとインスタンス仕様により、Oracleデータベースが適切なパラメータで設定された状態でセットアップされます。これによって、数ステップの手順(時間にして10分程度)でOracleデータベースを構築できてしまいます。
また、導入までの時間が短いということは、同時にデータベースの再構築や破棄へのハードルが低いということも意味します。
運用コストも削減できる
Amazon RDS for OracleはAWSによるフルマネージド型サービスなので、導入後の運用コストを大幅に削減できます。
例えばパッチ適用一つ取っても、Amazon RDS for Oracleであれば適切なタイミングで適用してくれます。また、スケーリングやリカバリなどもサービスに含まれているため、ユーザはこれらの運用負荷を気にすることなく、アプリケーション開発に集中できます。
Amazon RDS for Oracleでデータベースを作る
ここからは、実際にAmazon RDS for Oracleを使ってOracleデータベースをセットアップする手順を見ていきましょう。
Oracle DB インスタンスの作成
Amazon RDS コンソールを開き、左メニューバーより[データベース]を選択し、[データベースの作成]をクリックします。
[データベース作成方法を選択]で「標準作成」を選択、[エンジン]は「Oracle」、[エディション]は今回の場合は「Oracle Standard Edition Two」を選択します。
[ライセンスモデル]は、「ライセンス込み」か「BYOL(自分のライセンスを使用)」か選べます。両者のサービスモデルの料金の違いについては後述しますが、今回は「ライセンス込み」を選択します。
[バージョン]は慣れているものか、最新のものを選択しましょう。なお、バージョン11gについては、2020年いっぱいでサポートが終了しているのでご注意ください。
[DB インスタンス識別子]、[マスターユーザの名前]、[マスターパスワード]は任意のものを設定します。
[詳細設定]は特に何も変更する必要が無いのでそのままで、セクションの最下部にある[データベースの作成]をクリックします。作成画面に[認証情報の詳細]ボタンが表示されるのでクリックして、ユーザ名やパスワードを忘れずに控えておきましょう。
Oracle DBインスタンスへの接続
Oracleデータベースが構築できたので、EC2インスタンスから接続してみましょう。
セキュリティグループの作成
同じVPC内にあるEC2インスタンスから接続できるように、セキュリティグループを設定します。
Amazon RDS コンソールを開き、左メニューバーより[データベース]を選択します。一覧画面より対象のDBインスタンスを選択し、詳細画面のVPCセキュリティグループのリンクをクリックして、セキュリティグループ詳細画面に遷移します。
[インバウンドルールを編集]をクリックして、[Add rule]で行を追加、[タイプ]で「Oracle-RDS」を選択し、[ソース]に接続するEC2インスタンスのセキュリティグループIDを設定して、[ルールの保存]をクリックします。
SQL*Plusで接続する
Oracle DBインスタンスには、エンドポイントと呼ばれる専用のDNS名で接続します。
まずはエンドポイントを調べるため、DBインスタンス一覧画面から対象のインスタンスを選択し、[接続とセキュリティ]タブに表示されている[エンドポイント]と[ポート番号]をメモします。
コマンドプロンプトで、sqlplusを使ってDBインスタンスに接続します。
sqlplus '{ユーザ名}/{パスワード}@(DESCRIPTION=(ADDRESS=(PROTOCOL=TCP)(HOST={エンドポイント})(PORT={ポート番号}))(CONNECT_DATA=(SID={DB インスタンスのデータベース名})))'
以上で、Oracle DBインスタンスへの接続は完了です。
Amazon RDS for Oracleの料金
先ほどサービスモデルには「ライセンス込み」と「BYOL」があるとお伝えしました。また、AWSに対する料金発生体系によって、Amazon RDS for Oracleの利用料金が変動しますので、ここで大まかにご紹介します。
RDSやEC2など、AWSのインスタンス利用料金体系にはオンデマンドとリザーブドがあります。
オンデマンドは初期費用無しの時間課金制で、通常はこちらが選択されます。リザーブドは予約金を支払うことで時間単価が割り引かれる購入方法で、1年もしくは3年契約が可能です。
リザーブドは、契約年数や前払い方法などによって非常に細分化されているので、ここではオンデマンドの料金体系についてご説明します。リザーブドの料金体系については、こちらをご覧ください。
ライセンス込みのオンデマンドDBインスタンスは、Oracleのライセンスを別途購入する必要が無く、AWSによってライセンス化されたOracle DBソフトウェアやAmazon RDSマネジメント機能などがサービスに含まれます。
「東京」リージョンで、今回作成した「Standard Edition Two」エディション(シングルAZ)、「スタンダードインスタンス」というケースで見ると、最小容量の「db.t3.micro」が時間単価0.044USD、最大容量の「db.m5.4xlarge」が時間単価4.112USDとなっています。
続いてBYOLですが、こちらは自分で購入したOracleライセンスを持ち込む代わりに、利用料金は割安になっています。また、BYOLはエディションによる料金の違いはありません。
同じケースに当てはめた場合、最小容量の「db.t3.micro」が時間単価0.026USD、ライセンス込みの最大容量である「db.m5.4xlarge」が時間単価1.88USD、BYOLの最大容量である「db.m5.24xlarge」が時間単価11.28USDとなっています。
AWSにOracleデータベースを作ってみよう
この記事では、AWSでOracleデータベースを構築する手段として、Amazon RDS for Oracleを利用する方法についてお伝えしました。
通常であれば数日間要するOracleデータベースのセットアップを、非常に短いステップで完了させることができました。
Amazon RDS for Oracleは、EC2上にOracleデータベースをインストールする方法に比べて、「設定の自由度が低い」「利用できる機能に制限がある」などのデメリットがあります。
しかし、導入のハードルの低さに加え、自動バックアップやパッチ適用、スナップショットなど、AWSが提供するフルマネージドサービスによる運用コストの削減は、非常に大きなメリットと言えます。
AWSでOracleデータベースを構築する場合は、まずAmazon RDS for Oracleの導入から検討してみてはいかがでしょうか。
この記事の監修者・著者
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ITエンジニア派遣サービス事業を行っています。AWSやSalesforceなど専門領域に特化したITエンジニアが4,715名在籍し、常時100名以上のITエンジニアの即日派遣が可能です。
・2021年:AWS Japan Certification Award 2020 ライジングスター of the Year 受賞
・2022年3月:人材サービス型 AWSパートナー認定
・AWS認定資格保有者数1,154名(2024年6月現在)
・Salesforce認定コンサルティングパートナー
・Salesforce認定資格者276名在籍(2024年5月現在)
・LPIC+CCNA 認定資格者:472 名(2024年6月時点)
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