有給休暇の買取が許されるケース3選|企業側のメリットについても紹介


有給休暇とは?
有給休暇とは有給と休暇が合わさってできている言葉です。有給とは給料が発生することです。休暇は労働者が本来は労働をすべき日に、その労働を免除される日のことを指します。そのため、もともと労働の必要がない休日とは意味が異なります。
有給休暇はその有給と休暇が合わさっているので、労働は免除されているが給料は発生する日という意味になります。
有給休暇という制度の目的について
有給休暇は大きく分けると、労働者と雇用主の間で契約によって定まっているものと、法律によって定められているものの2種類があります。労働者と雇用主の間での契約では、就業規則によって有給病気休暇が定められていたりします。
法律によって定められているものは年次有給休暇と呼ばれ、年休と略されているものです。年休は労働者が効率的で、創造的な働きをするためには、休暇によって体を休めたり、プライベートと仕事のバランスを取るために定められています。
しかし、実情としては日本の有給休暇の取得率は低いです。そのため、有給休暇を取得させるために、2019年からは年に5日間の有給休暇の取得義務化が法律で定められました。
エンジニアでも有給休暇の買取は可能?
有給休暇を取得することは義務化されました。しかし、仕事をしていれば有給休暇であっても、簡単に仕事を休むことはできないと考える人は多くいます。
そのため、有給休暇を取得せずに、有給休暇が消化できないという人も多くいます。特に、エンジニアのように仕事が過酷と言われるような職種では有給休暇は消化しにくいこともあります。
また、有給休暇の買取は違法となっているので、有給休暇が消化できないからといって、その有給休暇を雇用主に買取をしてもらうこともできません。ただし、いくつかの例外はあります。
有給休暇の買取が許されるケース3選
有給休暇の買取は違法となります。ただし、有給休暇の買取は全くできないというわけではなく、いくつか例外となるケースもあります。
有給休暇が消化できないという人は多いので、その例外となるケースについては把握しておくようにしましょう。
有給休暇の買取が許されるケース1:退職時に消化しきれない場合
有給休暇は労働者が休むための制度です。そのため、退職すれば労働者としての権利がなくなるので、消化しなかった有給休暇の権利も消失してしまいます。
有給休暇の買取は違法になりますが、すでに権利として効力を持たなくなった有給休暇であれば買取をすることはできます。
しかし、雇用主側には退職時に消化しなかった有給休暇を買取る義務はありません。そのため、退職時に有給休暇を買取ってもらうためには両者の同意が必要になります。また、有給休暇の買取は原則認めらていないということも忘れないようにしましょう。
有給休暇の買取が許されるケース2:休暇日数の規定が10日以上の場合
労働者に有給休暇を付与することは法律によって定められています。年次有給休暇の付与日数は勤続年数によって法律で決まっており、年10日間は6か月勤務した場合の最低限の付与日数です(1年半で11日、2年半で12日と勤続年数が増えるほど付与日数が増えます)。
6か月勤務した場合、企業によっては就業規則で有給休暇を10日以上で設定している場合もあります。
もし、有給休暇が消化できずに10日以上溜まっている場合は、その10日を超えた日数分は法律の範囲外の有給休暇となります。そのため、10日を超えた日数分に関しては有給休暇の買取をすることができます。
有給休暇の買取が許されるケース3:取得の期限が切れた場合
有給休暇は付与されて2年も経つと、その有給休暇は取得の期限が切れてしまい、使えなくなってしまいます。退職時の場合と同様に、すでに権利を失った有給休暇となるので、この場合の有給休暇も買取することができます。
有給休暇の買取による企業側のメリット
有給休暇は原則として買取をしてもらうことはできません。しかし、例外となるケースはあり、有給休暇の買取をしてもらえることもあります。有給休暇の買取をしてもらえれば、労働者は消化し切れなかった有給休暇が無駄になりません。
また、有給休暇の買取は労働者側にだけメリットがあるわけでなく、企業側もいくつかのメリットを得ることができます。
従業員が退職する際のトラブルを避けることができる
有給休暇を全て消化してから退職するという場合があります。このような場合は出社することなく、ほぼ退職した状態となりますが、有給休暇を取得している状態であり、まだその企業に在籍している状態です。
企業に在籍している状態なので、労働者としての権利が残ったままとなっています。その労働者の権利があることがトラブルの原因となってしまうことがあります。
また、有給休暇の消化中にその労働者がトラブルを起こせば、まだ企業に在籍していることから、そのトラブルに企業が対処しなければいけなくなる可能性もあります。
そのため、有給休暇を買取って、早く完全な退職状態にすることで、このようなトラブルを避けることができます。
社会保険料の負担を減らすことができる
有給休暇を消化してから退職する場合、有給休暇の消化中はまだ企業に在籍している状態となります。労働者が企業に在籍しているということは、有給休暇を消化して退職するまでは社会保険料の負担をしなければいけないことになります。
そのため、有給休暇の買取をして、早くに退職してもらうことで、企業はその社会保険料の負担を減らすことができます。
有給休暇の買取による企業側の注意点
有給休暇の買取は原則として禁止されています。そのため、企業が有給休暇の買取をする際には、どのような場合が例外のケースとなるのか、しっかりと把握しておく必要があります。
また、有給休暇の買取をする際に、企業側はいくつかの点に注意が必要となります。
買取した有給は賞与として扱う
有給休暇では、給料は発生しながらも労働は免除される日となります。そのため、有給休暇を取得しても、その日に発生した給料は普段通りの給料として扱うことができます。
しかし、有給休暇を買い取った場合は、その買取によって支払ったお金は給料として扱うことができません。有給休暇の買取は賞与として扱う必要があり、賞与として扱うので支払いから5日以内に賞与支払届の提出も行わなければなりません。
有給取得日の賃金は普段と同等に扱う
有給休暇を買取する際には企業はその買取方に注意が必要になります。また、労働者が有給休暇を取得する際にも、いくつか注意すべき点があります。
有給休暇は労働することを免除される日となります。しかし、労働していなくても有給休暇中の給料を不利な条件で扱うようなことは禁止されています。そのため、有給休暇を取得したとしても、その日の給料は普段と同等の扱いをする必要があります。
有給休暇の買取額の決め方3つ
有給休暇の買取は原則として禁止です。しかし、例外のケースはいくつかあり、全く買取ができないというわけではありません。
もし、有給休暇の買取をする場合はその買取額を決めなければなりません。有給休暇の買取額の決め方にはいくつかの方法があります。
有給休暇の買取額の決め方1:通常賃金で計算する
通常賃金で有給休暇の買取額を決める場合には、その労働者の通常の賃金に合わせた計算をします。
もし、時給制であれば時給額に所定労働時間数をかけて計算します。月給制であれば月給額を月の所定労働日数で割って計算し、日給制であれば日給額をそのまま買取額とします。
有給休暇の買取額の決め方2:平均賃金で計算する
平均賃金で計算する場合は、まず過去3ヶ月間の給料の平均額を計算します。そして、その3ヶ月の給料の平均額を日数で割って、1日の平均給料額を有給休暇の買取額とします。
通常賃金で計算するのか、平均賃金で計算するのかによって、有給休暇の買取額は異なるので、どちらで計算されるのか事前に確認しておく必要があります。
有給休暇の買取額の決め方3:標準報酬月額の日割額で計算する
標準報酬月額は健康保険や厚生年金の保険料額を決める際に用いられる数字のことです。この数字は1年は変わらないので、退職するタイミングによって有給休暇の買取額が変わることはありません。
その標準報酬月額を日割りにして、買取額を計算します。
有給休暇の買取は慎重に行おう
有給休暇の買取を行うことはできます。しかし、買取ができるのは例外のケースであり、原則は禁止されています。
そのため、買取をする場合には、どのようなケースであれば買取ができ、どのような対処が必要であるか事前によく把握しておくようにしましょう。
この記事の監修者・著者

- AWSパートナー/Salesforce認定コンサルティングパートナー 認定企業
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ITエンジニア派遣サービス事業を行っています。AWSやSalesforceなど専門領域に特化したITエンジニアが4,715名在籍し、常時100名以上のITエンジニアの即日派遣が可能です。
・2021年:AWS Japan Certification Award 2020 ライジングスター of the Year 受賞
・2022年3月:人材サービス型 AWSパートナー認定
・AWS認定資格保有者数1,154名(2024年6月現在)
・Salesforce認定コンサルティングパートナー
・Salesforce認定資格者276名在籍(2024年5月現在)
・LPIC+CCNA 認定資格者:472 名(2024年6月時点)
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