インフラエンジニアにAWSの知識が必要な理由|必要なスキルも紹介
インフラエンジニアにAWSの知識が必要な理由
クラウドの登場により、インフラエンジニアの業務内容は大きく変化したといわれています。
クラウド登場以前は、自社内にインフラを設置する「オンプレミス方式」が一般的でした。サーバーやネットワークの構築・運用・保守の知識だけでなく、物理的な機器を扱う知識も必要とされていました。
また物理的な機器にトラブルが起こった際には、その原因を素早く見つけることも仕事のひとつだったのです。
クラウド登場以降は、自社に物理的な機器を設置しなくても、インターネット上でサービスが使えるようになりました。
そのためインターネット上でインフラの構築や運用などが可能となったのです。
クラウドは物理的機器を設置するコストや時間がかからないなどさまざまなメリットがあることから、クラウド環境に移行する企業も増えてきました。このことからインフラエンジニアにもAWSなどクラウドの知識が求められるようになったのです。
AWSとはどのようなサービスか
AWS(Amazon Web Services)はAmazonが提供するクラウドコンピューティングサービスの総称です。非常に多くの種類があり、現在175種類程度のサービスが提供されています。
AWSはクラウド上で提供されるため、インストールする必要がありません。インターネット環境とパソコンさえあれば必要な分だけ必要なサービスを利用することができます。
これまでのサーバーサービスとの違い
これまでにもレンタルサーバーなどのサーバーサービスはありましたが、サーバーサービスは導入時に導入費用が掛かります。
サーバーサービスの場合、複数ユーザーで同じ回線を利用する為、他のユーザーの影響を受けます。
しかし、AWSは導入費用は不要で、他のユーザーと共有する部分も少ないため負荷の影響を受けにくいといった点が違いです。
AWSで可能になること
AWSであれば、豊富な種類のクラウドサービスの中から必要なものだけを利用することができます。
また、費用も使った分だけ請求される従量課金制となっているため、定額制のように無駄なコストが発生しません。
AWSを導入するメリット
前述のとおり、AWSは使った分だけ請求されるためコストを抑えた運用がしやすいです。
また、AWSは非常に柔軟性が高いため、事業の拡大に合わせてスペックを変更できる点もメリットだと言えるでしょう。
AWSの7つのサービス例
AWSでは非常に多くのサービスを提供しているため、どのようなサービスがあるのかよくわからないというケースも多いでしょう。
ここではAWSの代表的な7つのサービス例を紹介していきますので、参考にしてみてください。
1:Amazon CloudWatch
AWSのリソースと実行されているアプリケーションをリアルタイムでモニタリングする監視ツールです。
システム全体のパフォーマンスを監視し、変化に応じてリソース使用率の最適化などを行います。
2:AWS Lambda
AWSのサーバーレスコンピューティングサービスです。
AWS Lambdaを利用すればどのようなタイプのサービスやアプリケーションでも管理せずに実行できるため、ユーザーはサーバーについて意識することなくコードの実行ができます。
3:Amazon EC2
クラウド上にセキュアでサイズ変更が可能な仮想サーバー環境を構築するサービスです。
必要に応じてストレージ容量やスペックなどを調整することができます。
Amazon EC2でサーバーを仮想化することにより、システムを早く構築することができるようになります。
4:Amazon S3
AWSのストレージサービスで、1ファイルで多くのデータを保存することができます。
さらに、高い耐久性が実現できるように設計されているため、データ損失のリスクはゼロに近いと言われています。
保存容量やファイル数は実質無制限となっており、大容量データの保存や活用に適しているでしょう。
5:Amazon Relational Database Service (RDS)
AWSが提供するマネージド型リレーショナルデータベースシステムです。
データベースの運用に必要な機能がすべて提供されているため、セットアップやオペレーション、スケールなども簡単に行えます。
また、データベースエンジンはPostgreSQLやMySQL、Amazon Auroraなどの6種類から選べます。
6:AWSグローバルインフラストラクチャ
AWSが提供するクラウドプラットフォームで、世界中のデータセンターから200以上の機能が提供されています。
AWSグローバルインフラストラクチャを利用することで、ワンクリックで世界中のアプリケーションにアクセスできるようになります。
サービスの場合
サービスには「AWS Local Zones」「AWS Wavelength Zone」「Amazon CloudFront」などがあります。
AWS Local Zonesはエンドユーザーに近い場所からサービスをデプロイするもので、AWS Wavelength Zoneの場合はクラウド上で構築しアプリケーションをすべてのAWSリージョンに繋げます。
また、Amazon CloudFrontはデータや動画などを世界中に高速転送するCDNです。
物理的場所の場合
AWSの物理的な場所にはリージョンとAZがあります。
リージョンとはデータセンターが集められた場所のことで、世界中に存在しており、AZはリージョン内にある複数のデータセンターのことを指します。
7:AWSクラウドセキュリティ
AWSを外部からの不正な侵入から守るセキュリティの仕組みです。
AWSクラウドセキュリティではアクセスログやオペレーションログを監視し、システムやデータの保護、リスクの検出、修復プロセスのトリガーの設定、修復というサイクルを回しています。
インフラエンジニアがAWSを利用する際に必要なスキル5つ
AWSを利用したサービス提供を行う場合、インフラエンジニアにはどのようなスキルが必要とされるのでしょうか。
ここではインフラエンジニアがAWSを利用する際に必要なスキルについて解説していきます。
1:クラウドに関する基礎的な知識
AWSは代表的なクラウドコンピューティングサービスとなっているため、インフラエンジニアにはクラウドに関する基本的な知識が求められます。
近年ではクラウドを利用することは当たり前になってきているため、クラウドの知識はインフラエンジニアの必須スキルだと言えるでしょう。
2:AWSのサーバー設計と構築を行うスキル
AWS上でサービスを構築する場合、AWSでサーバー設計や構築を行うことになります。そのため、インフラエンジニアにはOSのインストールやオンプレミスからのサーバーの移行、AWS上でのサーバー設計や設定などのスキルが必要になります。
3:AWSのサービスを運用するスキル
AWS上でサービスを運用するには、AWSインフラの監視や処理の自動化などが必要です。
特にインスタンス上にあるサービスに関しては監視や自動化がなされていないため、インフラエンジニア自身による監視や復旧作業を含めて運用する必要があります。
4:構築したいインフラを保守するスキル
AWS上でサービスを提供する場合、インフラの保守スキルも必要になります。
たとえばOSやソフトウェアは定期的に更新されるため、インフラエンジニアによるアップデート作業などが必要になるでしょう。
5:オンプレからクラウドへ移行するスキル
近年ではオンプレミスで構築していた既存の環境をAWSなどのクラウド環境に移行するケースが多くなってきています。
そのため、インフラエンジニアにはオンプレミスからAWSへサーバーを移行設計するスキルが求められています。
インフラエンジニアがAWSスキルを習得するメリット
近年ではAWSを利用する企業も多くなってきていますが、インフラエンジニアがAWSに関するスキルを身につけることには具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか。
ここではインフラエンジニアがAWSスキルを習得するメリットを紹介します。
需要が高まっているクラウドの知識が増える
ビジネスでのクラウドの普及に伴い、インフラエンジニアにもクラウドの知識を求められるシーンも増えてきました。
AWSを扱えるようになればクラウドに関する知識やスキルを身につけることができるため、インフラエンジニアとしての市場価値を向上することができるでしょう。
企業からオファーが来るようになる
クラウドを扱えるインフラエンジニアは非常に需要が高いです。
そのため、AWSスキルを身につけることで、企業ニーズの高いインフラエンジニアとして企業からオファーを受けられる可能性もあるでしょう。
インフラエンジニア採用の判断基準になる資格10選
インフラエンジニアには幅広い知識やスキルが求められるため、どのような資格を有しているのかがインフラエンジニアとしての素質を見るポイントの1つになります。
ここではインフラエンジニア採用の判断基準になる資格を紹介していきますので、インフラエンジニアの採用を行う際にはこれらの資格を持っているかどうかに注目してみてください。
1:情報処理安全確保支援士(SC)
情報処理安全確保支援士(SC)はサイバーセキュリティに関する専門的な知識や技能を認定する国家試験です。
情報セキュリティスペシャリスト試験の後継という位置づけになっており、経済産業省が認定している情報処理技術者試験制度とは独立しています。
そのため、高度情報処理技術者試験には含まれませんが、スキルレベル4相当の非常にレベルの高い資格試験です。
情報処理安全確保支援士の資格を持っているインフラエンジニアであれば、サイバーセキュリティのスペシャリストであると判断することができます。
出典:情報処理安全確保支援士試験(SC)|独立行政法人 情報処理推進機構(IPA|
参照:https://www.jitec.ipa.go.jp/1_11seido/sc.html
2:応用情報技術者試験(AP)
応用情報技術者試験(AP)は、基本情報技術者よりもワンランク上のITエンジニアとしての知識やスキルを認定する国家資格です。
情報処理技術者資格のスキルレベル2相当である基本情報技術者試験よりも難易度の高いスキルレベル3に相当します。
応用情報技術者の資格を持っているインフラエンジニアであれば、エンジニアに必要な幅広い知識と応用力を持っていると判断することができるでしょう。
出典:応用情報技術者試験(AP)|独立行政法人 情報処理推進機構(IPA|
参照:https://www.jitec.ipa.go.jp/1_11seido/ap.html
3:ネットワークスペシャリスト試験
ネットワークスペシャリスト試験は、ネットワークに関係した専門的な知識やスキルを認定する国家資格です。
情報処理技術者試験制度の中でも難易度のもっとも高いスキルレベル4に相当するため、高度情報処理技術者試験に含まれます。
ネットワークの構築や管理運用、保守を主導することができ、他の人に指導できるレベルであることを認定する資格となっているため、ネットワークスペシャリストの資格を持つインフラエンジニアであれば非常に高いスキルを持っていることがわかります。
出典:ネットワークスペシャリスト試験(NW)|独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)
参照:https://www.jitec.ipa.go.jp/1_11seido/nw.html
4:PMP
PMPはプロジェクトマネジメントに関するスキルを認定する国際資格です。
アメリカの非営利団体PMIが認定している資格で、PMIが策定したPMBOKという知識体系に基づいた問題が出題されます。
高いプロジェクトマネジメントスキルを有していることの証明になるため、マネジメントスキルを重視してインフラエンジニアの採用を行いたい場合の判断基準となるでしょう。
5:CompTIA Cloud +
CompTIA Cloud +は、クラウドコンピューティング環境で働くインフラエンジニアに必要な知識やスキルを認定する国際的な資格です。
企業や組織にクラウドを導入する際に必要となるクラウドテクノロジーの組み込みや管理、運用スキルに重点を置いた資格となっています。
CompTIA Cloud +を取得しているインフラエンジニアであれば、クラウドコンピューティングに関するスキルを持っていると言えるでしょう。
6:AWS認定
AWS認定はAWS上でアプリケーション開発などを行うための専門知識やスキルを認定する資格です。
クラウドコンピューティングサービスとして代表的なAWSが認定している資格で、基礎コースのクラウドプラクティショナー、アソシエイト、プロフェッショナル、専門知識などのさまざまな種類にわかれています。
業務でAWSを扱う場合には、AWS認定を取得しているインフラエンジニアを採用するのが重要になります。
7: Python3 エンジニア認定基礎試験
Python3 エンジニア認定基礎試験は、プログラミング言語のPythonの文法に関する基礎的な知識を認定する資格です。
Pythonエンジニア認定試験には「Python3 エンジニア認定基礎試験」と「Python3 エンジニア認定データ分析試験」の2種類があり、こちらは文法を中心にスキルを問う内容となっています。
これまでのインフラエンジニアはコードを書く機会は少なかったですが、近年ではインフラのクラウド化などを行う際にPythonを使用するケースも多いため、Pythonが扱えるかどうかもインフラエンジニア採用時の重要なポイントになります。
出典:試験|一般社団法人Pythonエンジニア育成推進協会
参照:https://www.pythonic-exam.com/exam/basic
8:Linux技術者認定資格 LinuC
Linux技術者認定資格 LinuCは、Linuxが実施している日本独自のLinux技術者の認定資格です。
LinuCには3つのレベルがあり、レベル1やレベル2はLinuxサーバーの構築と運用に関する知識、レベル3はLinuxの各分野に関する最高レベルの知識を保有していることの証明になります。
また、クラウドやオープンソースのリテラシー、システムアーキテクチャなど、Linuxを利用するインフラエンジニアに必要なスキルを持っていることの判断基準になる資格です。
出典:資格・試験概要|一般社団法人エデュ
参照:https://linuc.org/linuc/levels.html
9: VMware 認定資格
VMware 認定資格は、VMwareソリューションに関する技術を持っていることを認定する世界共通の資格です。
VMwareソリューションとはインフラの仮想化に用いられる製品です。
試験には、3つのレベルがあります。
基礎的な技術知識について問われる「VMware Certified Technical Associate(VCTA)」、VMwareソリューションの導入や展開について問われる「VMware Certified Professional (VCP)」、VCP合格者でさらに上級の技術知識を持っていることを証明できる「VMware Certified Advanced Professional (VCAP)」です。
出典:レベル|VMware
参照:https://www.vmware.com/jp/education-services/certification.html
10:Oracle認定資格
Oracle認定資格は、日本オラクル社が実施しているOracleの管理スキルを認定する資格です。
主にオラクルデータベースの管理や運用、SQLに関する問題などが出題されます。
試験はBronze、Silver、Gold、Platinumという4つのグレードにわかれており、Bronzeから順番に挑戦していく必要があります。
Oracle認定資格はSilver以上であれば国際的にも通用する資格となっているため、Silverを取得しているかどうかを見ると良いでしょう。
出典:認定資格一覧(日本語資格)|日本オラクル株式会社
参照:https://www.oracle.com/jp/education/certification/allcertification-172551-ja.html
インフラエンジニアを採用してAWSの導入を進めよう
近年AWSスキルの需要は高まってきています。
ぜひ本記事で紹介したインフラエンジニアがAWSを利用する際に必要なスキルや判断基準になる資格などを参考に、需要の高いAWSスキルを持ったインフラエンジニアを採用してみてはいかがでしょうか。
この記事の監修者・著者
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ITエンジニア派遣サービス事業を行っています。AWSやSalesforceなど専門領域に特化したITエンジニアが3,000名以上在籍し、常時100名以上のITエンジニアの即日派遣が可能です。
・2021年:AWS Japan Certification Award 2020 ライジングスター of the Year 受賞
・2022年3月:人材サービス型 AWSパートナー認定
・AWS認定資格保有者数1257名(2023年7月3日現在)
・Salesforce認定コンサルティングパートナー
・Salesforce認定資格者295名在籍(2023年7月3日現在)
・LPIC+CCNA 認定資格者:472 名(2022年4月1日時点)
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