AWSの基礎知識を学習する方法|人事で導入するメリットや基礎用語
AWSとは?
AWSとは、Amazon Web Servicesの略称で、インターネット通販のAmzonの子会社が提供するクラウドコンピューティングサービスです。
2006年に公開し、サーバーやデータベースなどのサービスをインターネット経由で提供しています。2020年6月末時点でAWS導入社数が800社を突破し世界的にシェアされています。
今AWSが選ばれる4つの理由
近年ではさまざまなクラウドコンピューティングサービスが登場していますが、その中でもAWSの知名度は高く、世界的なシェアを獲得しています。それではAWSが選ばれる理由には具体的にどのようなものがあるのでしょうか。
ここでは今AWSが選ばれる4つの理由について解説していきますので、参考にしてみてください。
1:サービスを選択する自由
AWSは現在約200種類を超える豊富な数のサービスを提供しています。また、これらの機能のほとんどが世界中のユーザーからのリクエストをもとに実装されたものとなっており、AWSの機能はリリース時点で全てのユーザーが自由に選んで利用することができます。
提供されているサービスの数が多いほど、ユーザーはAWSのみで多くのコンポーネントを構築することができるようになり、結果的にビジネスをスピーディーに進めることが可能になります。
2:高セキュリティ
AWSはサービス開始当初からセキュリティを最優先事項として考え、セキュリティ機能を実装したクラウド基盤を構築してきました。
また、AWSのセキュリティはコンプライアンス要件に対応しており、第三者機関によって検証が行われていることから、非常に高いセキュリティを確保しています。
そのため、AWSを利用することにより、オンプレミスでITインフラを構築するよりも高いセキュリティが実現できます。
3:使った分だけお金を支払う制度
AWSは機能を利用した分だけ費用を支払う従量課金制の料金システムとなっています。また、AWSを導入するための初期費用も無料となっているため、必要な機能だけを必要に応じて低価格で利用できるようになっています。
従来のようにオンプレミスでインフラを構築する場合、高額な初期費用と長い時間が必要でした。しかしAWSであれば無料で導入することができ、固定費不要でビジネスに合わせて柔軟にリソースを確保することができます。
4:ハイパフォーマンス
AWSはユーザーのニーズに合わせて柔軟にスケーラブルするハイパフォーマンスなクラウドインフラストラクチャーです。
従来であればサーバーの取り付けやネットワーク設定など長い時間をかけて行っていたインフラ構築作業も、AWSであればワンクリックだけで新しいデプロイ環境やテスト環境を構築し、数分でインフラ環境を用意することができます。
AWSの豊富なサービス例7つ
AWSには約200種類を超える非常に膨大な数のサービスが提供されているため、どのようなサービスがあるのかわからないという場合も多いでしょう。AWSは提供しているサービスは多いですが、その中でも特に多くのユーザーに利用されている代表的なサービスがあります。
ここではAWSの豊富なサービス例を紹介していきますので、ぜひ参考にしてみてはいかがでしょうか。
1:Amazon EC2
Amazon EC2は仮想サーバーを構築するサービスです。Amazon EC2を利用することで、LinuxやWindowsなどのOSを乗せた仮想環境をクラウド上に構築することができます。
また、Amazon EC2ではインスタンスという単位で仮想環境を構築することができ、インスタンスの組み合わせによって自由度の高いインフラ構築が可能です。
2:Amazon Personalize
Amazon Personalizeは開発者向けのフルマネージド型機械学習サービスです。
アプリケーション開発者向けのサービスとなっており、Amazon Personalizeを利用することによって機械学習に関する専門的な知識が無くても機械学習モデルのトレーニングや調整、デプロイが可能になります。
3:Amazon Relational Database Service(RDS)
Amazon Relational Database Service(RDS)はリレーショナルデータベースサービスです。クラウド上で簡単にデータベースのセットアップやオペレーション、スケールが行えるようになります。
また、RDSによってデータベースに関わるタスクを自動化することで、ユーザーはアプリケーションの開発に集中できるようになります。
4:Amazon CodeStar
Amazon CodeStarはアプリケーションを迅速に開発、構築、デプロイすることができる開発環境の構築・提供サービスです。
Amazon CodeStarは統合されたユーザーインターフェイスを備えており、コーディングからビルド、テスト、デプロイで必要なツール全てを簡単に設定できます。
5:Amazon CloudFront
Amazon CloudFrontはコンテンツ配信ネットワークを構築するサービスです。Amazon CloudFrontを使用することで、データや動画、アプリケーション、APIを低レイテンシーの高速転送によって安全に世界中の視聴者に配信することができます。
6:Amazon S3
Amazon S3はデータを格納、管理することができるオブジェクトストレージサービスです。AWSのサービスと連携することで、他のサービスで使用するデータのストレージとして使用することができます。
また、Amazon S3では高い耐久性を実現するように設計されているため、大切なデータを安全に保存することができます。
7:Amazon FreeRTOS
Amazon FreeRTOSはマイクロコントローラー向けのリアルタイムオペレーティングシステムです。マイクロコントローラーとは電気制御のための半導体チップのことです。
Amazon FreeRTOSを利用することで、低電力小型エッジデバイスのプログラミングやデプロイ、管理や接続などが簡単に行えるようになります。
AWSの基礎知識を学習する方法4つ
AWSにはサービスが100種類以上あり、今後更に増加の可能性があるため、サービスの選択とその組み合わせにも基礎知識が必要です。
加えて管理はユーザーが行うため、問題が発生した場合の対処などに技術も要します。まずはAWSの基礎を学ぶ必要があるでしょう。
ここからは、AWSの基礎を学習する方法を4つ紹介していきます。
1:本で勉強する
AWSの基礎を学習する方法1つ目は、本で勉強することです。
AWSに関する入門書から学習することで、用語から学ぶことができ、書籍の流れに沿って読んでいけば、理解も一層深まってくるでしょう。
また、入門書から学んでいけば応用力もついてきますので、システムを構築する際にも役にたってきます。まずは簡単で分かりやすく解説されている入門書から始めて見ると良いでしょう。
2:入門サイトを利用する
AWSの基礎を学習する方法2つ目は、入門サイトを利用することです。
Amazonが出している学習動画があります。こちらのコースはサインインすれば、基本的に無料で利用できるため学習しやすくなっています。基礎を学ぶ初級、アバンスト、エキスパートの3コースがあります。
CTC教育サービス(研修・教育)を利用したり、「AWS認定」の資格があるので基礎認定取得者を目指すのも良いでしょう。
Amazon Web Service-無料オンライン動画とラボ-
3:スクールに通う
AWSの基礎を学習する方法3つ目は、スクールに通うことです。プロに教わることで効率的に学習が出来ます。
スクールのメリットは、無駄なく基礎からしっかり現場で求められている技術を教えてくれること、不可解な事例が生じてもひとりで煮詰まることなく先生に質問ができ、同じ勉強をする仲間との情報交換もでき、相談できる環境の存在により挫折を防げることです。
4:オンライン学習で学ぶ
AWSの基礎を学習する方法4つ目は、オンライン学習で学ぶことです。
気軽に学べるのがメリットで、自分の家で講習を受けることができるため、移動の時間も勉強やその他の時間に回せますし、自分の都合の良い時間を選択することができます。
Amazonが提供している無料の「デジタル学習」(基礎コース、中級コース、上級コース)有料の「オンラインクラスルーム」、毎月開催している「オンラインセミナー」があり、両者とも無料です。
AWSを人事で導入するメリット7つ
AWSを人事で導入するメリットは、「効率化」「データのバックアップ」「Webサイトの構築」「IDEの構築」「Webサービスの運営」「ビッグデータの分析」と、多岐にわたります。
セキュリティにおいても新たな標準「AWS Foundational Security Best Practices v1.0.0 」を立ち上げました。セキュリティ状況をすべての AWS アカウントで包括的に確認できます。
1:運用管理の効率化
導入事例からメリットを検証しましょう。管理者が募集画面を作成する際に参加者の要望やスキルを設定でき、現場で必要な経験やスキルをマッチングすることで、適材適所の配置が可能です。
運営者の業務の効率化を実現し、一連の運営業務が1つのシステム上で完結します。システム面でもオンプレミスと比較して大幅に短縮しています。
スタッフの募集から選考、運営までを支援する
「ボランティア支援サービス」を AWS 上に構築
安価な SaaS として提供し、社会価値の創造に貢献
https://aws.amazon.com/jp/solutions/case-studies/nec/
2:データをバックアップする
データのバックアップはAWS「S3」の基本的な機能の1つです。バージョニング機能が用意されているので、ファイルのバックアップや加工前・加工後などのバージョン管理も可能です。バックアップすることで、消去してしまった場合にすぐに復元できるので安心です。
シンプルなバックアップ管理で、AWSのサービス全体のアプリケーションデータを簡単に、しかも確実にバックアップし保護します。
3:Webサイトを構築する
Webサイトを構築するために必要なWebサーバーやアプリケーションサーバーが多数あり、それらを自由にインストールして構築できます。「EC2」 はWebサイト運用の基本となるサーバー機能を提供します。
EC2ではLinuxやWindowsなどのメジャーなOSがパッケージとして提供されており、簡単にサーバーを設定することができます。Amazonに操作ガイドもあるので、併せてご覧ください。
プロジェクトガイドを参照して構築する
4:IDEを構築する
「AWS Cloud9」はブラウザのみでコードを記述、実行、修正できるクラウドベースの統合開発環境(IDE)です。
開発環境を整える作業を一からやるのは大変な工数がかかります。「AWS Cloud9」を使えば、クラウドなのでどこからでも利用でき、複数で同じ環境を共有できます。
5:Webサービスを運用する
Webサービスを簡単に運用するためには、「サーバー機能」「保管機能」「ネットワーク管理機能」「権限&セキュリティ管理機能」「システム管理機能」といった、必要なサービスを利用します
おすすめのサービスとしては、「 S3(データ管理を目的としたストレージ)」「EC2(仮想コンピュータ提供)」「RDS(データベース)」「DynamoDB(ドキュメントデータベース)」「CloudFront(データや動画、配信ネットワーク構築)」ElasticBeanstalk(配置)」などが挙げられます。
6:ビッグデータを分析する
社会のデジタル化に比例してデータの量も増加します。大規模なデータの分析には、強力な性能が要求されます。需要に応じてアプリケーションを容易に調整できる従量課金制のクラウドが最適です。
AWSが提供するマネージド型サービスの広範なプラットフォームでは、ビッグデータアプリケーションの構築、セキュリティ保護、継続した規模が簡単に実現できます。そのため、ビッグデータの収集、保存、処理、分析のみに集中することができます。
7:システム管理者の負担が軽減される
AWSを導入することでハードウェアの管理などが不要になることから、システム管理者の負担の軽減に繋がります。
また、AWSであればオンプレミスのようにシステムの構成を変更したり何度も修正したりすることによって、特定の技術者しか扱えなくなるといった属人化も回避することができます。
AWSを人事で導入するデメリット
AWSを人事に導入することにはさまざまなメリットがありますが、一方でデメリットも存在します。AWSを人事で導入するデメリットとしては、「システムを活用できるエンジニアが必要になる」「従量課金制で料金がわかりづらい」などが挙げられるでしょう。
そのため、人事にAWSの導入を検討する場合、メリットだけでなくデメリットについてもよく把握しておくことが大切です。
システムを活用できるエンジニアが必要になる
AWSを導入することで、自社で一からシステム構築を行う必要はなくなります。しかしAWSを扱う場合には、専門的なAWSの知識を持ったシステム活用ができるエンジニアが必要になります。
高いスキルを持ったエンジニアであっても、一般的なIT知識があまり活かせない点はデメリットだと言えるでしょう。
従量課金制で料金がわかりづらい
AWSはオンプレミスでインフラから構築したり、固定で月額がかかるサービスを利用したりするよりも低コストです。しかし使った分だけ料金を請求される従量課金制であるため、実際にどのくらいの費用がかかるのかわかりにくいというデメリットもあります。
そのため、最初から使える予算が決まっている場合は使いにくい可能性があるでしょう。
AWSの基礎用語5つ
AWSを利用する場合、一般的なIT用語だけでなくAWSで使用されている専門用語についても意味を理解する必要があります。ここではAWSの基礎用語について解説していきますので、参考にしてみてください。
1:Region
Region(リージョン)とは、AWSがサービスを提供するために世界中に配置しているデータセンター群のことです。AWSを利用する場合、使用するリージョンを選択する必要があります。
日本の場合は東京リージョンが配置されており、世界中にある地理的に離れたリージョンからそれぞれサービスが提供されています。
2:AZ
AZ(アベイラビリティゾーン)とは、リージョン内にデータセンターのことです。リージョンにはそれぞれ独立した複数のAZが配置されているため、AWSでは1つのデータセンターでは実現不可能な高い可用性や耐障害性などを実現しています。
東京リージョンの場合は4つのAZが配置されています。
3:サブネット
サブネットとは、大きなネットワークを分割した小規模ネットワークのことです。サブネットはAWS VPCの上限を超えない限りはいくらでも作成することができます。
また、サブネットはサブネットマスクによって分割、範囲指定を行うことができ、IPアドレスとサブネットマスクの組み合わせによってサブネットを指定することができます。
4:インスタンス
インスタンスとは、AWSクラウド上に構築された仮想サーバーのことです。インスタンスは仮想サーバーの数を数える際の単位として用いられるもので、1つのAWSアカウントで稼働できるインスタンスの数には制限があります。
Amazon EC2などを利用する場合には、まずはインスタンスを起動する必要があります。
5:ファイアウォール
ファイアウォールとは、内部ネットワークへの不正アクセスを防止する仕組みです。AWSにはAWS WAFと呼ばれるファイアウォール機能があり、CDNソリューションの1つとしてAmazon CloudFrontにデプロイできます。
AWS WAFを利用することで、Webの脆弱性を利用したサイバー攻撃からWebアプリケーションやAPIなどを守ることができます。
AWSの導入を検討しよう
リモートが日常化した現代において、クラウドの導入が急激に加速しています。
クラウドの中でも有数のシェアを誇るサービスがAWSです。AWSはクラウド上でサーバーやデータベースなどのインフラはもとより、Amazonの持つ最先端のサービスも利用できるため、さまざまなメリットがあると言えます。
AWSを基礎から学んで見てはいかがでしょうか。
この記事の監修者・著者
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ITエンジニア派遣サービス事業を行っています。AWSやSalesforceなど専門領域に特化したITエンジニアが3,000名以上在籍し、常時100名以上のITエンジニアの即日派遣が可能です。
・2021年:AWS Japan Certification Award 2020 ライジングスター of the Year 受賞
・2022年3月:人材サービス型 AWSパートナー認定
・AWS認定資格保有者数1257名(2023年7月3日現在)
・Salesforce認定コンサルティングパートナー
・Salesforce認定資格者295名在籍(2023年7月3日現在)
・LPIC+CCNA 認定資格者:472 名(2022年4月1日時点)
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