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AzureとAWSを7つのポイントから比較|両者のメリットも解説

Azureエンジニア 更新日:2022.11.14
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AzureとAWSを7つのポイントから比較|両者のメリットも解説

AzureとAWSとは

Azure(Microsoft Azure)とAWS(Amazon Web Service)とは、それぞれMicrosoft社、Amazonが提供するクラウドコンピューティングサービスのことです。

クラウドコンピューティングサービスとは、インターネット経由で各種サービスを利用することを意味します。

IT化が進む現代社会において、クラウドコンピューティングを導入する企業は、小企業から大企業、政府機関にまで及びます。新型コロナウイルス感染症によりその動きは加速していると言えるでしょう。

クラウドを提供する企業は数多く存在しますが、Flexeraの「State of the Cloud2020」によると3大クラウドサービスのAzure、AWS、GCP(Google)が普及率を伸ばしています。

ここでは特に比較されることが多いAzureとAWSについてまとめましたので、ぜひ参考にしてください。

Azureの5つのメリットとは?

Azureは2010年2月にサービスとしてリリースされました。

ITインフラ(データベース、OSなどのソフトウェア)をクラウド上で提供するのみならず、人工知能の機械学習、データ分析、ブロックチェーンなど開発業務をクラウド上で行うためのプラットフォームも提供しています。

そんなAzureは現在、コカ・コーラやBMW、富士通、トヨタ自動車などの一流企業にも利用されており、SB(ソフトバンク)もAzureを推奨しています。

なぜAzureが多くの企業から選ばれるのでしょうか。Azureならではのメリットを5つご紹介していきます。

Azureのメリット1:オンプレサーバーと親和性が高い

Azureのメリット1つ目のメリットはオンプレサーバーとの親和性が高いことです。

ご存知かもしれませんが、オンプレサーバーとは 「on premises」 と 「サーバー」 を合わせた言葉で、クラウドが浸透する前までほとんどの企業は自社オフィスで構築したネットワークやアプリケーションを運用していました。そのような自社運用をオンプレと呼んでいます。

Microsoft社の製品はIT業界にとても強く、90%以上の人がWindows OSを使用しています。市販のコンピュータは大概Windowsがあらかじめインストールされているので、Windows OSを標準としたハードウェアが多いと言えます。

Azureのメリット2:多様な選択肢がある

2つ目のメリットは多様な選択肢があることです。Azureはユーザー独自の創造を可能とするサービスを提供しています。

例えば、時間の経過によるデータの変動、季節や昼夜によって異なる処理量の変動など柔軟なキャパシティとスケーラビリティをAzureは実現します。

また、仮想デスクトップとアプリケーションを迅速にデプロイすることで、どこからでも安全なリモートワークができます。

好きなときに、好きな方法で、好きなところにデプロイ可能なので、可用性向上の選択肢が増えます。

Azureのメリット3:システム提供開始までの時間を短縮

3つ目のメリットはシステム提供開始までの時間短縮です。Azureはデプロイ指示から数分で仮想マシン(VM)を使用可能にします。

これは仮想マシン(VM)に限ったことではなく、その他のサービスも同様にシステム提供開始までの時間を短縮できます。例えば、Web Appではコンテンツさえあれば数分でWebサイトを公開することができます。

初心者の方でも手軽に利用できるだけではなく、この時間短縮はサービス開始後も利用者からのフィードバックへ迅速に対応できるので、サービスの品質向上と市場での顧客満足度向上につながると言えます。

Azureのメリット4:業界に強い

4つ目のメリットは特定の業界に強いところです。金融業界、航空業界、電力業界、政府機関など特定の業界の課題解決に貢献しています。

これは、
1.Azureで提供される高度なセキュリティーと多数のデータガバナンスおよび保護機能
2.AzureがISO(国際標準化機構)など準拠している数多くのグローバル規制標準
3.サブスクリプション内のコンプライアンスとセキュリティーに対する卓越した統制
により可能としています。

外に漏れないセキュリティー面を前提とした情報管理で特定の業界からも選ばれています。

Azureのメリット5:マイクロソフト製品との連携がスムーズ

5つ目のメリットはマイクロソフト製品との連携がスムーズなことです。

LinuxやOSS(オープンソースソフトウェア)への対応にも積極的ですが、Office365(クラウド上でWord、ExcelなどOfficeの全機能を利用できるサービス)といった同じ会社のマイクロソフト社の製品との連携は圧倒的で、Azureだからこそのメリットでしょう。

Azureはネットワーク疎通がMicrosoftのバックボーンネットワークを通じて行われるので、ほかのクラウドサービスとは大きく異なりVDI環境で効果を発揮します。

AWSの5つのメリットとは?

AWSは2006年7月にリリースされて以来、全世界で圧倒的なシェアを誇るクラウドサービスです。AWSが提供する最先端技術やサービスを国や地域を問わず利用されています。

クラウドサービスを提供する企業は数多く存在しますが、他企業に猛追されながらも業界上位を維持し続けるAWSの魅力とはなんでしょうか。AWSのメリットを5つご紹介していきます。

AWSのメリット1:柔軟性がある

1つ目は柔軟性です。AWSは1単位からグローバル規模の大企業にまでサービスを可能にします。利用したいサービスのみを選び利用することができるので、少ない資金から独自構成をつくることができます。

また、あらかじめ定めた闘値を超えた場合、何らかの理由で突発的なピークを迎えたときに自動でサーバーリソースが増強されるので、ビジネスの機会損失を防げます。利用されていないITリソースの維持コストは発生しないので、利用料削減にもつながります。

AWSのメリット2:DR構成を考慮した設計

2つ目のメリットはDR構成を考慮した設計であることです。DR(Disaster Recovery)とは災害対策を意味します。

AWSは異なるリージョンをDRサイトとして利用できるので、復元する操作を予め自動化することで、障害時における復旧操作の確実性を高められます。

日本は台風や地震、豪雨等さまざまな自然災害にみまわれますが、早期災害復旧を目的とする多くのユーザーにAWSが選ばれています。

AWSのメリット3:利用できる国が多い

3つ目のメリットは利用できる国が多いことです。AWSは世界中に55か所ものデータセンターを持ち、190カ国で利用可能です。

最速で世界中の情報とグローバルに接しているので、より多くの国で利用したいのであればAWSが良いでしょう。

AWSのメリット4:安定した稼働実績

4つ目のメリットは安定した稼働実績です。ITを導入する際に「安定性」を求める企業は少なくありません。

AWSはクラウドサービス初期から現在までの10年以上、安定したサービスを提供し続けています。

日本の国立研究機関やアメリカ中央情報局(CIA)にも利用されており、AWSの信頼度の高さがうかがえます。

AWSのメリット5:使いたいシステムだけに課金できる

5つ目のメリットは使いたいシステムだけに課金できる従量課金型であることです。必要な部分だけ必要な時に課金できる柔軟性が、コスト削減にもつながります。

利用しているシステムは秒単位または時間単位で計算され、必要がなくなればサーバーを停止してデータを削除することで課金が停止する仕組みになっています。また、AWSは定期的な値下げを自動で実施し、ITコストの低下を利用者に還元してくれます。

AzureとAWSを6つのポイントから比較

AzureとAWSそれぞれのメリットをご紹介しましたが、ここではさらに6つのポイントから両者を徹底比較していきます。違いを把握してAzureとAWSの理解を深めましょう。

AzureとAWSの比較1:サービスについて

1つ目はサービスの比較です。AzureとAWSの代表的なサービスをいくつかあげます。

【Azure 】

・Azure Strage/低頻度アクセスと長期保存を想定したアーカイブ用ストレージです。

・App Service/WebアプリやAPIを迅速に構築、デプロイ、スケーリングためのプラットフォームです。オープンソース対応しています。

・Azure Functions/サーバレスでプログラムを実行できるサービスです。ソリューション開発を迅速化します。

・Azure DevOps/開発と運用を効率的に行うためのプラットフォーム。99.9%のSLAと365日24時間体制のサポートを提供します。

・Azure Backup/オンプレミスとIaaSに対応したクラウドベースのバックアップサービスで、データの復元を簡素化します。コスト効率に優れています。

【AWS】

・Amazon EC2/コンピューティング性能をクラウド内で提供するウェブサービス。高いパフォーマンスとセキュリティを実行するように設計されています。

・Amazon S3/業界トップのスケーラビリティ、データ可用性、セキュリティを提供するオブジェクトストレージサービスです。広範にわたるデータを容量関係なく保存できます。

・AWS Lambda/サーバーのプロビジョニングや管理をせずにコード実行ができるコンピューティングサービスです。

・Amazon VPC/クラウドのプライベートネットワーク設定できます。安全かつ簡単にアクセスできるようにIPv4、IPv6の両方を使用できます。

・Amazon Aurora/クラウド向けに構築されたMySQLとPostgreSQLの互換性のあるリレーショナルデータベースです。商用データベースと同等のセキュリティ、可用性、信頼性を実現します。

AzureとAWSの比較2:性能について

ストレージ性能に関してはAzureの方が強いと言えますが、ファイルの容量が大きい場合にはAWSもAzureと競り合います。

どちらもクラウドサービス業界の代表的な存在であり、高性能を提供しています。コスト効率も含めた検討をしてみましょう。ストレージ性能に関してはAzureの方が強いと言えますが、ファイルの容量が大きい場合にはAWSもAzureと競り合います。

AzureとAWSの比較3:コンプライアンスについて

3つ目はコンプライアンスについて比較をしていきます。サービスを利用するにあたり、データセキュリティー、プライバシー管理はとても重要になります。

これらの法規制に関して、どちらも主要なコンプライアンス基準を満たしています。

例えば国際基準ですと、ISO 27001、ISO 27018、GDPR、HIPPA、Feb RAMP、FISMA、PCI DSS、SOC 1、SOC 2、SOC 3など、GDPR(欧州一般データ保護規制)を遵守しています。

また日本のコンプライアンス基準に関しても、Azureは日本マイナンバー法、CS(クラウドセキュリティゴールドマーク)、金融業界向けFISC、一方AWSは日本マイナンバー法、FISCへ対応を進めています。

AzureとAWSの比較4:障害への対応について

4つ目は障害への対応を比較していきます。データ保護の観点ではどちらも標準でデータを冗長化して保護します。

仮想サーバーが何らかの障害によって利用不可能になった場合、あらかじめ設定しておけば自動復旧してくれます。

AWSではEC2の「Auto Recovery」の標準機能が有名です。物理ホスト側の問題を検知して、EC2インスタンスを自動復旧します。但し、アプリケーションまでの障害は検知しないのでZabbixなどの監視ツールと併せて運用する企業もあります。

AzureとAWSの比較5:SLAについて

5つ目はSLAの比較です。SLA(Service Level Agreement)は提供サービスの品質を保証するもで、どちらも主要サービスの稼働率は高い傾向にあります。

この稼働率はSLAの基準が高いほど安定した稼働が期待できるものなので、サービスの質の良さが数値からも容易にうかがえます。

AzureとAWSの比較6:市場シェアについて

6つ目は市場シェアについて比較をします。場調査会社Canalysが発表した2018年度のクラウドサービスにおけるシェアは、国内市場ですとAWSが全体の約31%、次いでAzureが約18%となりました。

国際市場で見ると、AWSが約52%、Azureが約18%で10年以上の歴史を持つAWSがトップを走っています。

しかし、同調査の売り上げ増加率を比較すると、AWSは48%、Azureは89%です。

Azureの市場評価の理由のひとつは、アメリカの大手調査会社であるガートナー社がIaaS、PaaS、クラウドストレージを自在に組み合わせたハイブリッドクラウドサービスによる幅広い戦略を評価したことが挙げられます。

Azureはシェア逆転に向け「リーディングシェア獲得を目指す」と公言しています。

AWSとAzureを併用する前に抑えておくこと4つ

近年は複数のクラウドサービスを併用する企業が増えてきています。例えば、プラットフォームに関してはMicrosoft社の製品に強いAzure、フロントエンドではAWSを使うといったように併用します。これをマルチクラウドと呼びます。

マルチクラウドを推進する企業が増えてきている理由は何でしょうか。マルチクラウド戦略を導入する前に抑えておくべきことを4つご紹介します。

AWSとAzureを併用する前に抑えておくこと1:両者の強みが活かせる

1つ目は、それぞれの強みを活かしたシステムを作成できることです。

マルチクラウドの場合においても、独自に機能を付け加えられるので各サービスの強みを活かした運用が可能になります。

AWSとAzureを併用する前に抑えておくこと2:管理する人材の必要性について

2つ目は管理する人材の確保です。

マルチクラウドの場合でなくとも社内ネットワークの管理者は必要ですが、複数のクラウドサービスを利用するということは登録や契約の手間もその分増えます。

大容量のデータを扱えるメリットがある一方で、その分管理も複雑化して業務効率の悪化に繋がりかねないので注意が必要です。

AWSとAzureを併用する前に抑えておくこと3:サービスの移行がスムーズに行える

3つ目はサービスの移行がスムーズに行えることです。

AWS、Azureも含めクラウドサービスは新たなサービスが次々と生まれるので、フットワークを軽くすることが可能です。

基本的には連携に優れたサービスが多いですが、組み合わせによっては逆に異なるクラウドサービスを利用することで連携がうまくいかない場合もあるので覚えておきましょう。

AWSとAzureを併用する前に抑えておくこと4:リスクを分散できる

4つ目はリスク分散ができることです。

リスクになり得る原因はさまざまですが、マルチクラウドはBCP(事業継続計画)対策の強化につながります。

例えば台風や地震などの自然災害によりサービスが停止してしまっても、別のクラウドサービスを利用して事業を継続することができます。

また別の例では、ひとつのクラウドサービスでの運用だと管理の手間を軽減させる半面、依存率が高くなります。そうなるとサービスの値上がりや変更があったとき、他のサービスへの移行が困難になります。

このような状況をベンダーロックインと言いますが、マルチクラウドの場合はこれを避けることができます。

AWSとAzureを比較して両者の強みを知ろう

AWSとAzureはどちらも世界的に最高の評価を得ているクラウドサービスです。それぞれの特徴とメリットを比較して、自社に合ったスタイルを構築していきましょう。

豊富にあるサービスの中から選択するのは難しいことですが、どちらの企業もサポート提供をしているので問い合わせることも可能です。

また、日本最大のプログラマーコミュニティーであるqiitaではエンジニアリングに関する記録や知識を共有できるので、活用してみるのも良いかもしれません。

この記事の監修者・著者

株式会社オープンアップITエンジニア
株式会社オープンアップITエンジニアAWSパートナー/Salesforce認定コンサルティングパートナー 認定企業
ITエンジニア派遣サービス事業を行っています。AWSやSalesforceなど専門領域に特化したITエンジニアが3,000名以上在籍し、常時100名以上のITエンジニアの即日派遣が可能です。

・2021年:AWS Japan Certification Award 2020 ライジングスター of the Year 受賞
・2022年3月:人材サービス型 AWSパートナー認定
・AWS認定資格保有者数1257名(2023年7月3日現在)
・Salesforce認定コンサルティングパートナー
・Salesforce認定資格者295名在籍(2023年7月3日現在)
・LPIC+CCNA 認定資格者:472 名(2022年4月1日時点)
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