「価値の源泉は人」──社員同士をつなぐ場づくりで育む、コミュニケーション文化
<インタビュー概要>
株式会社オープンアップITエンジニア(以下、OPE)は、ITエンジニアを志す方々に「就業とまなびの機会」を提供し、ITエンジニアを必要とする全ての企業様へ適切なマッチングを行うIT人材派遣会社です。当社では、ITエンジニアとして働く技術社員やエンジニアを支える内勤社員のコミュニケーションやつながりを大切にしながら、働きやすい環境づくりに取り組んできました。
その取り組みの中核を担っているのが、イベントやメディア、研修を通じて社員同士の交流やコミュニケーションを育むCommunication Engineering推進部(以下、CE推進部)です。
本記事では、CE推進部イベントプロモートセクションでセクションマネージャーを務める森さんに、社員交流イベントを通じて育んできた文化や、その背景にある想いを伺いました。
<プロフィール>
森 悠子
株式会社オープンアップITエンジニア
経営企画本部 Communication Engineering推進部 イベントプロモートセクション
Section Manager
※登壇者のプロフィールは取材当時のものです。
<インタビュー目次>
- 社員同士をつなぐ「場づくり」が、私の仕事です
- なぜ私たちは、「集まる意味」を問い続けるのか
- 「神は細部に宿る」──心地よさを生む運営のこだわり
- 参加者の声が、次の挑戦への原動力になる
- 「うちの会社、楽しいですよ」──人と人がつながるから、仕事はもっと楽しくなる
社員同士をつなぐ「場づくり」が、私の仕事です

―現在はどのような業務を行っているのでしょうか。
森:普段の仕事は、主に社内の場づくりです。対内勤社員であれば、社員総会やしゃべり亭※1といった社員同士がコミュニケーションを図るためのイベントを企画しています。また、人材育成にも力を入れています。自分が企画することはもちろんですが、チームメンバーの考えた企画を支援して形にするという仕事をしています。
※1しゃべり亭:OPEの理念や価値観について社員同士で語り合う社内対話イベント
―具体的なイベント・場づくりの内容を教えてください。
森:イベントには、単なる情報共有といった側面だけでなく、表彰式など社員のモチベーション向上のための側面もあります。社員総会は、主に内勤社員を集めた場ではありますが、エンジニアの方も呼んで称賛文化を築くための演出を考えたりもしています。他にも、組織長会議であれば、情報共有を通じて、経営参画の意識を醸成することを目的として、イベント構成を工夫しています。また、先日初開催したモルック大会のように、関係の質を上げることが目的のイベント、しゃべり亭という当社の理念・Vision・Mission、OPE-Wayに共感してもらえる人を増やすことが目的のイベントも企画しています。
なぜ私たちは、「集まる意味」を問い続けるのか

―どのような想いを込めてイベントを企画していますか?
森:これまでやったことのない新しいイベントに挑戦をすることが多いので、「そんなのやる意味あるの?」「そんなのお金かける意味あるの?」といった反対意見をいただくこともあります。そういった際に、イベントの意味自体を考えるのではなく、このイベントがなくなることで、どのような会社になってしまうのかということをよく考えます。
例えば、社員総会一つとっても、対面での開催がなくなってしまうと、年に一回も全社で顔を合わせる機会がなくなってしまうことになります。やはり、そのような場がなくなると、自組織の数字や自組織のMissionといった自分の組織本位で物事を捉えるようになってしまうと思うんです。だからこそ、様々な部署の人と顔を合わせたり、視野を広げたり、全社という目線を持つことが必要だと感じています。
先日開催した、モルック大会※2も単なる交流会に見えるかもしれませんが、このような場があるほうがきっと社員同士、心が豊かになると確信して開催しています。私がエンジニアだとしたら、どのような会社に入社したいかを考えたとき、社員同士の関係の質が良好で、きちんとした情報共有ができていて、肩を組んで支えあっている社員が働いている会社に入りたいと思います。そのような会社であるためにも、関係の質が上がるようなイベントを、今後も継続していくことが必要だと考えています。
※2モルック大会:部署対抗で行われた社内交流を深めるためのレクリエーションイベント
「神は細部に宿る」──心地よさを生む運営のこだわり

―実際に運営をするにあたって、意識していることはありますか?
森:例えば、OPeN CUP※3のようなeスポーツイベントであれば、「とにかく楽しさマックス!運営も楽しくやる!」をモットーに進めています。全てのイベントに共通して言えるのは、「神を細部に宿す」ということを意識して、来場者が心地よく過ごせる空間を演出できるように、尽力しているということです。よりホスピタリティを感じられる場づくりができていれば、来てよかったと思ってくれる人が増えると思っています。様々なイベントにおいて、「なぜこのイベントを開催するのか」といった目的意識を運営には、繰り返し伝えるようにしています。現在は、徐々にそういった目的意識が根付いてきており、私からではなく、チームメンバーからそういった話が出るようになってきたのは、継続してきた芽が出ている証かなと思っています。
※3OPeN CUP:OPEエンジニアに向けた、eスポーツを通じて社員同士の交流を深める社内イベント
―イベント企画や運営における課題・障壁はありましたか?
森:社員総会に関しては、そもそも「開催する」という文化自体がなかったところからのスタートでした。当時は周囲の納得を得るのが難しく、「これだけのリソースを割く必要があるのか」など、厳しい意見がありました。リアル開催そのものに対するハードルは非常に高かったと記憶しています。
「集まる意味はあるのか」という問いは、今でもゼロではありません。ただ、回を重ねるごとに社員総会が「あることが当たり前」という認識に変わってきたのは、大きな前進だと感じています。開催の是非そのものが最大の障壁だったという点では、社員総会が一番大変でしたね。
―そういった課題・障壁は、どのように乗り越えたのですか?
森:最終的には、やはり「パッション」です!「こういう場をつくりたい」「やらなければ何も始まらない」という気持ちを、正面から伝え続けました。イベントは一朝一夕で成果が出るものではありません。だからこそ、「文化をつくりにいくこと自体が私たちの仕事なのではないか」「会社としてどうありたいのか」という意思の部分を、強い気持ちで伝えてきました。プレゼンというより、覚悟を共有するような感覚だったかもしれません。
参加者の声が、次の挑戦への原動力になる

―参加者からの反応で、印象に残っているものはありますか?
森:OPeN CUPについては、アンケートの結果が非常に良く、「本当に楽しかった」「来てよかった」という声が多かったのが素直に嬉しかったです。特に第2回では、「運営に関わってみたい」「手伝えることがあれば参加したい」といった声がエンジニアの方からも挙がったのが印象的でした。
これまでそうした声がほとんどなかった中で、熱量を持ってくれる人が少しずつ増えていることは、とても意味のある変化だと思っています。モルック大会も同様で、普段イベントに参加しないような人や、入社間もない方が来てくれたことが印象に残っています。内輪だけで完結せず、新しい層に届いているという実感があり、「やりたかったことが確実に前に進んでいる」と感じられた瞬間でした。
―内勤とエンジニアの垣根を越える、今後の取り組みについて教えてください。
森:具体的な企画内容はまだお伝えできないのですが、今後やってみたいイベントはたくさんあります!最終的には、特定の誰かが引っ張るのではなく、内勤やエンジニアといった垣根を越えて、各部署から「こんなことをやりたい」という声が自然に上がり、それが形になっていく状態を目指しています。「当たり前の土台」を少しずつ底上げしていくことが、今の目標かもしれません。
「うちの会社、楽しいですよ」──人と人がつながるから、仕事はもっと楽しくなる

―最後に、OPEに対する熱い想いを聞かせてください!
森:大前提として、私はこの会社が好きです。だからこそ、みんなにももっと好きになってもらいたいと思っています。会社にはさまざまな課題がありますが、突き詰めると多くは「コミュニケーション不足」に行き着くと感じています。
情報が共有され、関係の質が保たれ、お互いを認め合うことができれば、会社はもっと良くなるはずです。そこから逃げずに向き合うことが、今の私の責任だと思っています。もちろん日々大変なこともありますが、前向きに取り組んでいます。
一緒に働いている社員の皆さんには、少しでも「この会社で働いてよかった」と思う人が増えてほしいです。また、求職者の方には「うちの会社、楽しいですよ」と自信を持って伝えたいですね。きちんと関係の質が良好で、しっかりとした情報共有ができている、そんな内勤社員がエンジニアをサポートする体制が整っています。業務や制度といった仕組みにおけるサポートだけでなく、人とのつながりや心理的な安心感といった環境・風土でのサポートにも力を入れています。私たちは人対人のビジネスを進めているからこそ、心の豊かさを大切にする会社であり続けたいと思っています。
社員同士が自然につながる場をつくり続けてきた、CE推進部。交流イベントを通じて、部署や職種を越えたコミュニケーションを育んできました。こうした積み重ねが、エンジニアを支える文化と働きやすい環境の土台となっています。