CTCテクノロジー株式会社様
派遣エンジニアの受け入れで、保守と運用サービス、2つの業務間での人材の循環が可能に【CTCテクノロジー株式会社様インタビュー】
率先して行動を起こす派遣エンジニアたちの姿勢がプロパー社員にも好影響
伊藤忠テクノソリューションズのグループ会社であるCTCテクノロジー株式会社。全国各地にある拠点の中の1つである大阪では、主にハードウェアの構築と保守、ネットワーク運用サービスである「マネージドサービス」の提供が主な業務です。
CTCテクノロジーにはプロパーと派遣に垣根がないという文化があるほか、大阪ではエンジニアたちに深い愛情を注いでおり、「働きやすい」「成長できる」という声が多数届いています。
そのようなCTCテクノロジー株式会社の本町オフィスにて、関西サービス第1部の部長を務める田村氏、関西アカウントサービス第1課の課長を務める小田氏、関西サービス第3課の課長を務める八木氏の3名にお話を伺いました。
プロフィール
田村 康貴
CTCテクノロジー株式会社
西日本サービス本部
関西サービス第1部
部長
小田 祐司
CTCテクノロジー株式会社
関西サービス第2部
関西アカウントサービス第1課
課長
八木 裕彰
CTCテクノロジー株式会社
関西サービス第1部
関西サービス第3課
課長
保守と構築、ネットワーク運用の「マネージドサービス」が主業務
お客様との距離が近いのが関西圏の特色
――普段はどのような業務をされているのでしょうか。皆さまの役割も交えて、教えてください。
田村氏(以下、敬称略):私が部長を務めている関西サービス第1部では、ハードウェア保守とシステム環境構築、2つのサービスを関西圏に対して提供しています。部内には4つの課があり、いずれも保守と構築を行っていますが、担当するお客様の業種に応じて課を分けています。
4つの課のメンバーの育成、夜間の体制や研修を組む上での東京との連携、会社の方針を部内に展開するなど、全体をコントロールする立場で仕事を進めるのが私の役割です。
小田氏(以下、敬称略):関西サービス第2部では、「マネージドサービス」の提供がメイン業務となっています。マネージドサービスは、お客様ごとにカスタマイズされたメニューをご提供する、一連のシステム運用支援サービスです。
製品の保守のみならず、システム全体をサービスの対象として、お客様が定期的に行っている役務の代行や情報提供、定期報告・定例会などを組み合わせて提供します。
部内は2つの課で構成されており、課ごとに業種が分かれています。私が在籍している関西アカウントサービス第1課では電力や文教、製造や製薬などの企業様に対してマネージドサービスを提供しており、私は課長を務めています。
主にサービス提供に対する統括、お客様へのセールス、人材の育成などを担当しています。
八木氏(以下、敬称略):私は田村が所属している部の中で、関西サービス第3課の課長を務めています。関西サービス第3課の主要顧客は通信系のお客様が占めており、その中で保守や構築を担当しています。その中で、メンバーをマネジメントすることが私の役割です。
――当社は御社の他拠点ともお付き合いがあり、過去にインタビューもさせていただきました(※)。御社の中でも、大阪や関西ならではの特色はございますか。
田村:関西圏は東京から見れば地方ですが、関東にも引けを取らない規模の案件があります。その規模を生かして、CTCと密に連携しながら、大きなビジネスに貢献できるのが強みです。大企業はもちろん、大阪・京都・兵庫と、それぞれに地場のお客様も多くいらっしゃいます。
さまざまな角度から、いろいろなお客様にサービスを提供できるという点で、関西圏は東京とも他の地方とも少し異なる、取り組みがいのある地域だと感じています。
小田:東京の部署は、取引先が特定の大企業毎であったり、業種別に担当していますが、関西圏では、多岐にわたるお客様に一様に応対しています。お客様先に赴いて直接お話しすることも多く、距離感が近いのも特色です。
※CTCテクノロジー株式会社様の顧客事例は以下
・構築から保守運用管理までをトータル支援
・保守~設計・構築人材までを迅速に獲得 SIerの戦略を支えるエンジニア派遣サービス
・地方の人材不足はエンジニア派遣で乗り越える。広島・岡山出身で長く働ける人材を1週間未満でご提案
ビジネス拡大にあたり、リソースの増強が不可欠に
派遣エンジニアの受け入れと育成の取り組みを開始
――今回、エンジニアが必要になった背景について教えてください。
田村:弊社では数年ほど前から、ITライフサイクルの全てに関与していくという方針のもと、システム構築のみならず、設計にもより注力するようになってきています。そのため、設計の部門に人材を充てていかなければなりません。
保守については約30年にわたり人材の育成を進めてきており、素晴らしいエンジニアが多数在籍しています。そのエンジニアにSIのスキルをつけてもらい、SIの業務をしてもらうというスキームでここ数年来ています。
保守担当だったエンジニアをSIに移すにあたり、保守の人員を新たに補充する必要がありますが、弊社の新人だけではリソースが足りないところが課題でした。その中で、御社のようなパートナー様にご支援いただき、都度人材のアサインをお願いしている形です。
小田:弊社は元々、保守の部隊から分かれてマネージドサービスを行うようになった経緯があります。ベテランのエンジニアを集めた組織で、プロパーの比率が高く、年齢層も高めでした。
今後のビジネス拡大のために、リソース増強を図るにあたって、都度現場からベテランエンジニアを引き抜いていたのでは両方とも立ち行かなくなってしまいます。
そうした背景があり、昨年度から派遣エンジニアを受け入れて育成する取り組みを始めました。
八木:プロパーエンジニアであれ派遣エンジニアの方であれ、製品の仕様や、OSなどの知識を持っている人材にSI業務にあたっていただいた方が立ち上がりは早くなります。即戦力と考えると、派遣の方が適しているという判断でご協力いただいております。
希少なインフラエンジニアを多数ご提案いただけました
エンジニアからの研修内容や資格のアピールも契約の決め手に
――即戦力という言葉をいただきましたが、当社では若手の人材が多くなっています。当社のエンジニアを受け入れていただいた理由について教えてください。
田村:御社とは数年来のお付き合いがあり、最初に受け入れたエンジニアが信頼の置ける方でした。私の部署にいた方々もある程度仕事をこなせるようになったので、小田の部署に異動してもらったりしています。
御社とは、保守ができ、マネージドサービスの業務にも対応していただける人材をご支援いただくという関係性でご依頼を繰り返すようになりました。
他にも、営業の方がこまめに訪問して、弊社のマネジメント層とコミュニケーションを取っていただいたり、エンジニアへのフォローもしていただいたりしています。
そうした関係が信頼につながり、選択した1つの理由になっています。
小田:インフラエンジニアは数が少なく、各社パートナー様にお願いしてもなかなかご提案いただける機会はありません。
私は過去に東京の拠点にも在籍していたことがあり、いろいろな派遣会社様とお付き合いがありますが、その中でも貴社は特にフットワーク軽く、いろいろな人材をご提案いただけるパートナー様だと感じています。
また、貴社で研修を受講された方が、どのようなことに取り組んできたかプレゼンしてくれるのも、他社にはない取り組みです。
私たちの業務では、経験者を確保するのが難しいので、自社での研修受講や資格の取得など、少しでもITリテラシーのある方を受け入れたいと思っています。IT用語が通じないと、立ち上がりも遅くなってしまいます。
研修を活かしてITを理解している点と、積極的に資格を取得して、それをアピールの材料にしていただいている点が、貴社のエンジニアを受け入れた決め手です。
――当社のエンジニアにどのような印象をお持ちですか。
田村:コミュニケーションをしっかり取っていただける方が多いという印象です。一人ひとりが現在取り組んでいることや、困っていることをしっかり話してくれるので、こちらとしてもフォローがしやすく助かっています。
過去に仕事をしていただいていた貴社のエンジニアの中には、弊社の新人を育成してくれた方もいました。弊社の新人に対しても、隔てなく接して育成しようとする姿勢から、組織自体に貢献しようとしてくれている印象を持ちました。
そのような姿勢が非常に見て取れるので、信頼できると感じています。
八木:貴社のエンジニアに対しては、自ら率先して行動を起こすという印象を持っています。
弊課には朝礼があり、毎朝当番を決めて司会を務めてもらっているのですが、貴社のエンジニアは率先して司会の役を買って出てくださいます。理由を聞くと「私たちはまだ技術や知識が不足しているので、せめて他の部分で自分たちにできることはやりたい」と言っていました。
そのように意欲がある点でも、非常に良い印象を持っています。
――当社のエンジニアを派遣して、貴社やチームに変化はありましたか。
小田:私の部署ではベテランと若手に層が分かれており、世代間のギャップがあるという状況でした。昨年度から新入社員や派遣エンジニアの方を受け入れ始め、ベテランエンジニアが若手を育成する時間が増えました。
その中で、ベテランエンジニアが自身の業務を振り返りながら、個々の作業が効率的であるかを意識できるようになりました。教え方にしても、どのように教えれば効率的か、何を教えればよいかということを考えるようになったのは組織として大きな変化だと思います。
また、弊社の新入社員が、ベテランエンジニアの中に混じり込んでしまって、なかなかフォローができないことがあります。その点、現在は同世代の派遣エンジニアの方に来ていただいているので、お互いに教え合ったり、ディスカッションできたりする部分があるので、そうしたところも大きなメリットだと感じています。
八木:先ほどもお話ししたとおり、派遣エンジニアの方が率先して進めていただけるので、周囲のプロパーエンジニアにとっても刺激になっている部分が多分にあると思っています。また、私たちの課ではOJTトレーナー・トレーニー制度を採っており、もちろん派遣エンジニアの方も対象です。
トレーナー・トレーニー制度を設けることで知識のトランスファー(※)が可能になり、教える側も知識がより定着するほか、人にものを教えるという新しい経験ができるので、良い効果が出ていると思っています。
田村:先ほどお話ししたITライフサイクルの面でいうと、弊社で保守をしていた貴社のエンジニア2名の方に、現在はマネージドサービスの業務に移っていただいています。そうした循環ができていて、マネージドサービスの業務をしている2名の方も、すでにハードウェア保守について知っていただいている状態です。
このような人の移動に柔軟に対応していただけて、かつそれに対応できる能力もお持ちなので助かっています。
関西圏内では、今後も人材の移動をしていく必要があり、SIの部門を拡大していく中で、パートナー様のご協力も必要です。SIの部門に新しく派遣エンジニアを受け入れても、人数が多ければ、育成と実務を両立していくことは困難です。
そのため、保守の部門やマネージドサービスの部門で経験を積んだ人材が循環していく足がかりができたという面でも、非常に助かっています。
※トランスファー…蓄積してきた知識や技術を後輩や部下などに引き継ぐこと
激動のIT時代の中でエンジニアを育成することは私たちの義務
ITエンジニアが気持ちよく仕事できる環境を関西に作りたい
――当社の中で、貴社は非常に働きやすく、成長できる会社だという声をいただいています。他の拠点でも、プロパーと派遣に境がないという印象がありますが、そうした文化はどのようなところから来ているのでしょうか。
田村:私は2000年に新入社員としてCTCテクノロジーに入社しましたが、その際に派遣の方々と同じ新入社員研修を受け、そのまま一緒に同期として仕事をするような環境でした。
名刺交換から合宿の研修まで一緒に受講し、配属時にも派遣の方が一緒に新人として入り、同期という感覚でずっと接してきた文化が当時からありました。
そのため、「派遣だから」という感覚を最初から持ち合わせていません。
小田:メンバーに指示を出す際も、その方がどこの会社の人かというのは全く意識していません。プロパーエンジニア・派遣エンジニア問わず同じ指示を出し、クオリティも同じものを求めます。
もちろん、個々の実力に応じた指示を出しますが、プロパーだから、派遣だからという区分はありません。
八木:プロパーか派遣の方かというのは、本来であれば意識しなければならない面もあると思います。ただ、昔からどちらも同じ仕事をしているという点で、垣根なく業務にあたっていただいていますので、区別という感覚はありませんでした。
――外部のパートナーをスポットで活用する企業が多い中で、なぜそこまでエンジニアに愛情を注げるのでしょうか。
田村:私たちは3人とも元エンジニアなので、エンジニアの気持ちが分かります。さらに、近年はエンジニアを取り巻く環境の変化がますます大きくなってきています。
私たちがエンジニアとして働き始めた頃は、向こう10年20年は大きな変化なく進んでいけると思っていました。しかし、ここから10年先がどうなっていくか予測がつかないスピード感の中で、エンジニアの方たちを育成していくことは私たちの義務です。
弊社で働いてもらっている以上、彼らの人生を含めてキャリアアップさせていくことの一部を担う必要があると考えています。
小田:エンジニアの方には、いろいろな経験を積んでほしいと思っています。プロパーエンジニアも派遣エンジニアも同じ扱いをしているとはいうものの、派遣エンジニアの方には次のステップがあり、そこに対しての準備をしていかなければいけません。
そういった意味では、弊社の中でいろいろな業務を経験していただき、自身の価値を高めることに取り組んでほしいと思います。
私は個人的に、派遣エンジニアに対して、中長期的にどういう姿になりたいかを問いかけつつ、その達成度合いを測ったりしています。そのように育成していくことで、エンジニアとしてのスキルを高めながら、私たちの負担も平準化ができ、Win-Winの関係が築けます。
八木:弊社で仕事をしていただいている方に限らず、エンジニアにはスキルを継続的に伸ばしていってほしいと思っています。
派遣エンジニアの方に対しては、弊社が気に入ればずっと働いていただきたいという気持ちがあります。とはいえ、自身のスキルを試したいとなったときに次の現場に移れるというのも派遣のメリットです。
派遣エンジニアの方々には、弊社のシステムや制度、学習環境などを利用してスキルを磨き、ご自身の価値を高めていってほしいと思います。その対価として、保守や構築を1人でできるようになっていただき、私たちが期待している成果に変換していただければ嬉しいです。
――貴社の今後の展望や、それに合わせた当社へのリクエストがあれば教えてください。
八木:保守の部分は弊社の絶対的な領域として、今後も守っていかなければなりません。保守ができるエンジニアには今後もますます成長していただき、対サービス・対お客様のどちらにもご満足いただけるものを提供できるように、引き続き育成を進めていきたいと思っております。貴社には引き続き協力いただいている派遣エンジニアのフォローをしっかり行っていただき、提案面では人間的に魅力ある人材をご紹介いただけることを期待しております。
小田:マネージドサービスは、新規のお客様とお付き合いを始める際に、都度リソースの増強を検討する必要があります。そのような背景があるので、タイムリーに人的リソースをご提案いただくというのが、貴社にお願いしたいことになります。
経験者のご提案は難しいという実情があるかと思いますので、それに代わるヒューマンスキルや過去の経験を生かしていただけるように、私たちも調整していきたいと思っています。貴社のエンジニアには、そういった部分のアピールをしていただければと思います。
田村:私は生まれも育ちも関西ですが、ビジネス規模でいっても、やはり東京が1番で、関西はその次です。関西が1番にならずとも、東京と肩を並べるくらいにしたいという大きな夢を持っています。
そのためには、仕事も人も増やすことが非常に重要です。人を増やすにはパートナー様の支援が欠かせないので、貴社にもぜひご協力いただければ幸いです。
その中で、会社という括りだけでなく、ITエンジニア一人ひとりが気持ちよく、楽しく仕事をしてもらえるような環境や仕組みを関西に作りたいと思っています。
私たちはまだハードウェア保守やシステム環境構築など、オンプレの中の一部、ITの世界の中では非常に限られた業務の中で仕事をしています。
ITエンジニアの方には、私たちの業務を超えた知識を培っていただきたいというのが私の希望です。そのような志があり、いろいろなことを学びたいという好奇心旺盛な方をご提案いただけることを楽しみにしております。
――ありがとうございました。