キヤノンITソリューションズ株式会社様
エンジニア派遣の活用で「自社クラウドサービスの拡大」に成功【キヤノンITソリューションズ株式会社様インタビュー】
スキル・コミュニケーション能力・長期就業の3つを満たしたエンジニアを派遣
キヤノンITソリューションズ株式会社（以下、キヤノンITS）は、キヤノンマーケティングジャパングループにおけるITソリューションの中核企業です。同社のサイバーセキュリティ技術開発本部に取材を実施した下記インタビューに続き、本記事では弊社からエンジニアを10名派遣しているクラウドサービス技術部にて取材を実施しました。
「スキルも自主性も育む研修があるから安心。多岐にわたる職種で、多数の即戦力エンジニアの受け入れに成功」
クラウドサービス技術部には主に2つの事業があり、その中の1つが自社クラウドサービスである「SOLTAGE マネージドクラウドサービス（以下、マネージドクラウドサービス）」の運営。同サービスを通じて、多くの取引先企業様にビジネスの安定を支えるITインフラを提供されています。キヤノンITソリューションズ株式会社のクラウドサービス技術部で、マネージドクラウドサービスの運営を主導する平田氏と味谷氏のご両名にお話を伺いました。
プロフィール
平田 剛
キヤノンITソリューションズ株式会社
ITサービス技術統括本部
ITサービス技術本部
クラウドサービス技術部
シニアITスペシャリスト
味谷 郁毅
キヤノンITソリューションズ株式会社
ITサービス技術統括本部
ITサービス技術本部
クラウドサービス技術部
主任ITエンジニア
自社クラウドサービス「SOLTAGE マネージドクラウドサービス」の運営と強化がミッション
――普段はどのような業務をされているのでしょうか。お二人の役割も交えて、教えてください。
味谷氏（以下、敬称略）：現在、クラウドサービス技術部では、大きく2つの業務にあたっています。
1つ目が、AWSや自社クラウドサービスのマネージドクラウドサービスなどのクラウドサービスやオンプレミスを用いたインフラの設計・構築・運用・保守請負。2つ目が、自社クラウドサービスのマネージドクラウドサービスの運営です。 平田と私の2人とも、2つ目のマネージドクラウドサービスの運営をしています。私は現在運用チームのリーダーとして、システムの安定稼働を目的とした品質管理・運営リーダーの役割を担っています。
平田氏（以下、敬称略）：私はサービスリーダーとして、マネージドクラウドサービスを強化していくことに重きを置いています。
――弊社から派遣したエンジニアが複数名いますが、主にマネージドクラウドサービスの業務にあたっているのでしょうか。
平田：はい。マネージドクラウドサービスの設計・構築や運用・保守で、皆さんご活躍いただいています。
サービス拡大に伴い、インフラエンジニア不足が発生。マッチする人材が見つからず、採用活動は難航
――最初に人材を探すことになったきっかけについて教えてください。
味谷：マネージドクラウドサービスを拡大していくに伴い、人的リソースが不足する事態に陥りました。まずは社内でリソースを確保しようとしましたが、人材の確保が難しいという状況でした。そこで、社外のエンジニアを探そうということになり、キャリア採用やパートナー会社にも声をかけエンジニアを募集していました。
その中で、オープンアップITエンジニアさんからエンジニアを派遣していただいている他部署からの勧めがあり詳しい話を聞いたところ、ぜひこちらの部署にも来ていただきたいということになりました。
――キヤノンITソリューションズ様のブランドをもってしても、欲しい人材がいないという市況感なのでしょうか。
味谷：おっしゃる通りです。最近はクラウドというと、AWSやAzureを意識されているエンジニアが多いようで、そうした業務を希望される方が多いという背景もあります。AWSやAzureといったクラウドだけでなく、オンプレのサーバやネットワークといったハードウェアの知識、経験も備えているエンジニアとなると、なかなか合う人材は見つかりませんでした。
平田：そのような事情以外にも、キヤノンITSでは幅広く事業を展開しており、会社全体のキャリア採用は多岐にわたっていますので、転職を希望されている方が1つの部署をピンポイントで応募されるようなことは多くありません。
エンジニア派遣で技術、コミュニケーションどちらも満たす人材の確保に成功。他にはないハード・ソフト両面の研修も決め手に
――リソースを確保しようとしたとき、御社の中で人材の要件というのは明確にありましたか。
味谷：求める人材には、大きく3つの条件があります。
1つ目が、仮想化技術やインフラ全体のスキルを持っている方です。2つ目が、多くのステークホルダーがいますので、コミュニケーション能力を重視していました。3つ目は、長くお付き合いしていきたいと思っていますので、長期にわたって一緒にサービスを運営していただけることを条件に募集していました。
――弊社のエンジニアは、御社の求める人物面・スキル面でご満足いただける水準でしたか。
味谷：スキル面に関して、満足しています。
長期にわたって就業していただくという部分については、ご本人のキャリアプランとのアンマッチがあり、短期で離職された方もいらっしゃいました。しかし、今在籍している方々は歴が長い方が多く、経験を活かして業務へ貢献いただいており満足しています。
平田：オープンアップITエンジニアさんのエンジニアは、コミュニケーション能力が高い方が多く、自分事として業務に取り組まれている姿勢を感じます。よくあるパターンとして、指示されたタスクしか関与しないということがありますが、そのような方はほとんどいません。
例えば、何かしらの障害が発生したとき、担当者としてアサインされるまで何もしないのではなく、自発的に対応にあたり「どうしますか」と聞いてくれるような方が多いです。自分事として業務を進めてくださるので、非常に高く評価しています。
――弊社の営業担当についてはいかがでしょうか。
平田：エンジニアに対して、とてもケアをしてくださっていると感じます。オープンアップITエンジニアさんの営業担当は、エンジニアへのフォロー内容を逐次報告していただけますので、どんなフォローをしてくださっているか、我々も把握できます。
就業先とエンジニアのキャリアプランとのアンマッチの話がありましたが、合わない方に対してのフォローもあり、そのようなときにキヤノンITS側の業務アサインについても気にして対応してくださるので、非常に助かっています。
――他の人材派遣会社と比べて、オープンアップITエンジニアのエンジニアの特徴は何かありますか。
味谷：先ほど平田からありましたように、自分で考えて行動してくださる方が多いという印象を持っています。また、オープンアップITエンジニアさんのエンジニアは、全体的に他社様に比べてコミュニケーション能力が高いです。
平田：コミュニケーション能力が高いというのは明らかです。そのため、部署やチーム内にも、円滑に入ってきていただけています。また、分からないところはきちんと聞いてくださるので、その点も高く評価しています。
スキルセットが合う・合わないという観点で言いますと、オープンアップITエンジニアさんが研修で教えている内容が私たちの業務にフィットしていると感じています。他社の場合、AWS系の研修が多いのですが、オープンアップITエンジニアさんの場合、ITインフラの研修があります。インフラ、ネットワークのハードウェアの知識、経験をつけられる研修はなかなか他にはありません。マネージドクラウドサービスを提供しているキヤノンITSにとっては、オープンアップITエンジニアさんのこの研修は、「かゆいところに手が届く」非常にマッチした研修であり、希望のスキルを持った人材が豊富でした。
エンジニア派遣の利用は増やしていく。一方で、近い将来は自動化(DX化)も進めて上流の業務を担えるエンジニアを抱えたい共に成長していける派遣エンジニアを求む
――御社のマネージドクラウドサービスに関わるエンジニアのリソースは引き続き増やしていくお考えなのでしょうか。
味谷：今のままだと人手は足りていないので、増やしていかなければならない状況です。そのため、より一層の自動化を進めています。
働き手が減っているという時代背景や、人が作業を行うとヒューマンエラーをゼロにできないこともあり、できる限り自動化を進めることで、手がかかりにくく安心安全なサービスを提供していきたいと考えています。
平田：今後もご支援をいただきたいと考えていますが、単に増員していくだけではなく、より上流工程の業務を担っていただくようになっていきます。派遣社員だから上流工程に行けないということは全くなく、一緒に上流工程に進むようにしたいと考えています。
――今後、弊社に期待することがあれば教えてください。
味谷：人との関わりを重視していきたいので、常にお客様のことを意識して仕事をしていただく姿勢に最も期待しています。お客様のことを意識できる方であれば、チームメンバーのことも意識できるはずです。また、自発的に学んでいただく姿勢にも期待しており、共に成長していけると良いですね。
キヤノンITSではマネージドクラウドサービスも含めたITインフラサービス全体を「SOLTAGE（ソルテージ）」としてブランド化しました。SOLTAGEでは「顧客に寄り添う」ことを大切にしており、その成長を共に進めていっていただけることを期待しています。
平田：弊社でも課題になっているのが、ITインフラの根幹となる技術を持つエンジニアが少なくなってきていることです。AWSやAzureなどは、簡単にいろいろなことができますが、いざ障害が発生したとき、サービス利用者からは見えないインフラレイヤーで何が起こっているかも把握していないと対応ができません。そのため、ITインフラの根幹となる技術を知っておく必要があると考えています。
しかし、それを学ぶための効果的な研修がないのが実状で、業務を進めていく中で細かく拾っていって身につけていくしかありません。そのためには、やはり自発的にコミュニケーションを取れることが重要だと思います。
――本日はありがとうございました。
SOLTAGEとは
SOLTAGEとは、キヤノンITソリューションズが提供するITインフラサービスです。サービスを組み合わせてご利用いただくことで、お客様が保有するシステム全体の運用負荷を軽減し、コア業務へのリソース集中が可能です。SOLTAGEは大きく以下5つのサービスから構成されています。
• クラウドインテグレーション
• ネットワーク
• システム運用・保守
• セキュリティ
• データセンター
詳細については、キヤノンITソリューションズ株式会社様の SOLTAGEスペシャルサイトをご覧ください。
マネージドクラウドサービスについてご質問しました
インタビューのさなか、マネージドクラウドサービスの運用を担っている味谷氏に、同サービスについて詳しくお話を伺いました。
――マネージドクラウドサービスの概要について教えてください。
味谷：マネージドクラウドサービスは、仮想サーバをグループ内外問わずお客様に提供しているサービスです。遠隔のバックアップ機能などのオプションも充実しています。
――自社で物理サーバをお持ちのお客様に対しては、仮想サーバやクラウドサーバを提案されるのでしょうか。
味谷：そうしたケースもあります。
元々弊社のサービスとして物理サーバをご利用いただいていた環境を、仮想サーバに移行されたお客様もいらっしゃいます。また、「キヤノンITソリューションズのクラウドサービスなので」ということで新規にご契約いただき、初めて弊社のサービスをご利用されているお客様もいらっしゃいます。
――オンプレミス環境のお客様に対して、トータル的にサーバを引き受けていただけるのでしょうか。
味谷：マネージドクラウドサービスの標準メニューとしては仮想サーバのご提供で、インフラレイヤーを意識せずサーバをご利用いただけます。仮想サーバ自体も運用・保守して欲しい、オンプレミス環境も併せて運用・保守して欲しいというご要望があった場合には、他のチームや他部署と連携し、トータルでお引き受けするケースも多くあります。
――お客様からの問い合わせ対応は、別の部署が担当されているのですか。
味谷：お客様からの問い合わせ対応は、同じ部署で担当しています。運用チームで対応しており、時には営業担当や保守チームと密に連携しつつ対応しています。
お客様から見て窓口が複数あり問合せ先に困らないよう、サービス提供後はお客様に寄り添い、しっかりサポートすることを強みとしています。
――マネージドクラウドサービスはどのようなお客様に最適なサービスですか。
味谷：弊社アプリケーションをご利用いただく場合には、最適なサービスだと考えています。もちろん、仮想サーバ単体でご利用いただいているお客様もいらっしゃいますが、それよりも弊社が提供しているアプリケーションと一緒に導入していただくケースが多いです。
特に、弊社のアプリケーションは製造、流通、金融、文教など多くの業界の方にご利用いただいており、アプリケーションの土台となるインフラとしてマネージドクラウドサービスもご利用いただいています。
――ありがとうございました。
